表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【祝! 完結】STRAIN HOLE ~よくあるフツーの異世界でフツーに騎士になりました。だってフツーでもそこそこ楽しめますよね? ~  作者: 橘 弥鷺


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

548/589

547-魔力融合

 葵たちが地下から脱出を可能とした大爆発の影響により、邪神軍魔艇の進攻を一時的に停止させた。守星連盟軍西部方面部隊は、これを機に体制を整えるべく後退させる事となった。しかし、東部方面より魔艇後方へ攻撃を仕掛けた南北からの部隊は、いまだ交戦中であり、邪神だけでなくワァプラとサタナキアS級魔族もそちらに参戦したとみられる。


「目的はおそらく眷属神たちの排除…… 」


 環が推測を口にする。


「邪神自ら出向く事を考えればありえるな」

「オレたちがいくら強くなったとはいえ、デイト様やカーラス様と互角なわけではないですからね」


 白檀と葵も環の推測に賛同するが、ナズナが手を上げて補足する。


「強者だからではありません。この星を回復力を削ぐつもりなんだと思います。いくら魔法で回復させると言っても、エーテル様がいなければ精霊たちを説得できないと思うので復興はかなり遅れると思います」


 白檀が腕を組み目を伏せ思考していて目を見開く。


「ナズナ鳳凰様も同意見だそうだ」


 白檀は体内にいる眷属神鳳凰にも確認したようだ。


「では、西部戦線が沈着している今わたしたちは東部へ馳せ参じましょう。異論はありますか? 」


 環が皆を一巡するように見て尋ねるが、異論はなく皆も頷くと、環は萌に声をかける。


「萌さんWBHの航行準備を」

「すぐにでも発進できますよ。みんな着陸したら乗船してください! 」


 萌がそういうと後方に待機していたWBHが直上へと訪れ着陸体制に入ると葵が萌に声をかける。


「萌、そのままでいい、先を急ごう、みんな支獣に便乗するか馬車に乗ってくれ」


 葵が何をするか皆が理解したように自身の支獣に乗り、支獣を持たないものは支獣に便乗させてもらうと、葵は馬車をグラビティコントロールで浮かせ上空のWBへと乗船する。皆がブリッジへと上がり、萌もブリッジの操舵位置へとSUVを接続する


「WBH発進! 」


 萌は全速力でWBHを発進させる。距離はそこまでないせいぜい20キロ程度であり、WBHなら数分の距離だが、魔族の強者が向かった以上気が抜けない。


「あれがなければ迂回しなくて済むのに~ 」


 萌が左の上空ちょうど魔艇の旗艦直上に静かに浮かぶ漆黒の物体が視界に入り誰とはなしに口を開く。そもそも結界のような役割をしていた黒い濃霧だったが今はただ静かに空に浮かんでいるだけだ。


「あれが何をするか不明な以上無理をする必要はないですよ。WBHを失うわけにはいきません」


 環が萌を諭すように萌の独り言に答える。


「斥候の調査でも不明なままだから今は手を出せないよね」


 梔子が環を補足するように続けた。窓越しに立っていたマノーリアに葵が声をかける。


「マノーリア体調はどう? 」

「うん、もう大丈夫よ。さすがに四面魔神の攻撃で深手をおった分治りが遅いみたい。戦えるわ」


 マノーリアはにこりと笑うが完治はしていないようだ。今から向かう戦場は場合によっては邪神と直接戦うことになりかねない。


「マニーちょっと部屋に来てくれないか? 」

「えっ? うん」

「団長、環さんマニーを完治させるので少し部屋に行きます」

「わかった」


 白檀は特に理由も問わずに葵の申し出を受け入れた。信頼関係の証だろう環も軽く頷き、葵とマノーリアはWBHの居住区の葵の自室へと入った。


「どうするの? ロゼッタと花ちゃんそれにナズナちゃんの薬も使って手を施してもらって、今治癒できるところまでしてもらっているのよ。治療師のわたし自身がふたりの力に目を見張るものがあったわ」

「そうだね。だからマニーの自己治癒を向上させるつもりなんだけどいい? 」

「どういうこと? 」

「オレの体内の魔力は元々マニーの魔力だったじゃん。でも、今は、信治が召喚した魔力がヤバイキャラのと融合しているんだ。魔力量だけじゃないその質もヤバかった。だからマニーの魔力とも融合すると思って試したいんだ。フツーじゃないからどうなるかわからないけどね」


 葵はそう言って手のひらに魔力を顕現させて見せる。魔力の色は以前と変わらずに赤紫の淡い光を放っている。


「う、うん」


 マノーリアは通常じゃ理解できない話なのでいいよどむがマノーリア自身がこの世界の常識を逸脱した力を手にしているので疑う理由もない。葵に委ねることにした。葵はマノーリアの了承を得ると左手をマノーリアの細い腰に手を回し自分に引き寄せ、右手の指でマノーリアの顎を優しく上げて口づけをして魔力をマノーリアへと流し込む。


「ん!? 」


 マノーリアは一瞬目を見開き驚く様子があったが葵は気にせず魔力を流し続けると、マノーリアは優しく包まれる思いとなり目を閉じると、マノーリアの身体から力なが抜けて気を失う。葵はマノーリアをそのまま抱いてベッドへと寝かせる。


「成功したようだな」


 葵はマノーリアの額に巻かれた包帯をほどくと傷が完全に消えていることを確認して成功したことを理解する。


「あ、葵くん…… わたし…… 」

「おはよ」


 マノーリアが目を開けると葵は優しく声をかける。マノーリアは身体を起こして改めて葵に尋ねる。


「わたし気を失ったの? 」

「5分も経ってないよ」


 葵の返答にマノーリアは部屋にある時計の魔法具を見て確かに5分も経っていない。葵がマノーリアに声をかける。


「どう? 魔力は」


 マノーリアは自身の身体を抱くようにして完治していることと体内の魔力を確認すると驚くように口を開く。


「す、すごい…… 紫炎の時や助力を授かった時と同じくらいに力が増大している…… 」

「でしょ! 」

「でしょって…… 」


 葵も笑いマノーリアも微笑む


「信治のチートバンザイって感じだな。マニー行こう! 」

「はい! 」


 葵の得た力はマノーリアの魔力と融合させることで得ているため、マノーリア自身にも融合が可能であった。こうしてマノーリアも更に力を得ることとなった。



お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。

いいね、ブックマーク、評価、感想、レビュー何かひとつでもちょうだいいただければ、励みとなりますのでよろしくお願いいたします。

ぜひ、下の☆印にて評価してただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ