536-転落
葵がマノーリアをかばうように立ちブロードソードをかまえ、その隙にマノーリアが腰のポーチからポーションアンプルを取り口に流し込む。その動作の合間にヒールで葵も回復させ、葵の隣へと並び薙刀をかまえる。
「ありがとう…… けど無茶しすぎよ! 」
「サタナキアを相手だとあーでもしないと厳しかったからな」
葵はマノーリアを気にかけていたようで、マノーリアの危機に咄嗟にサタナキアの攻撃を浴びたふりをしてアガリアレプトに体当たりをし、マノーリアへの攻撃を反らさせたのだ。
「小僧邪魔立てするか…… それともサタナキアが倒せぬ程の相手か…… 」
「一騎打ちを好むのお前らだろう? こっちは望んでないんだけどな…… 」
「アガリアレプト貴様は如月とやれ! 神無月はわたしの相手だ! 」
サタナキアがアガリアレプトのとなりに立ち、アガリアレプトに声をかけるが、アガリアレプトはサタナキアの言葉を聞き入れずに葵に返答する。
「なら、小僧思えも殺してやる! 」
アガリアレプトが葵へと斬りかかる。
「邪魔をするな! 」
アガリアレプトとサタナキアが葵へと斬りかかり、葵は紫炎を纏い四面魔神ふたりの攻撃をブロードソードとシールドガントレットで受けとめる。
「マニー! 」
「紫炎乱舞! 月光! 花吹雪! 乱れ咲き! 」
マノーリアが剣技の3連撃を四面魔神ふたりへと放つ、サタナキアは葵とマノーリアの連携を理解していたようで、一撃目を長剣で弾き距離を取るがアガリアレプトは、まともにダメージを受ける。そこへさらに葵が2連撃を放つ。
「ランドスライド! ロックブラスティング! 」
葵はアガリアレプトに攻撃をしつつ、2連撃目はサタナキアを警戒しているのか、範囲攻撃の剣技を放ちアガリアレプトと葵の周囲が爆発する。マノーリアは葵とアガリアレプトの姿が視認できない中を躊躇せずに剣技を放つ。
「紫炎乱舞! 紫電 震電! 」
紫の光の帯をなびかせるような剣技の紫電を見て、葵はマノーリアの攻撃を受けないようにアガリアレプトから離れる。マノーリアの薙刀がアガリアレプトを襲う。
「葵くん! 」
「人間ごときが! 」
「ディスピア! 」
深傷をおったアガリアレプトに葵が急所突きの剣技で懐へと飛び込んだ時、アガリアレプトは葵のブロードソードの刃を素手で掴み急所突きを防ぐ、ブロードソードの刃をアガリアレプトの青黒い血が滴り落ちる。
「許さんぞ! 許さんぞ人間ども!! 」
アガリアレプトは憎悪に表情染めて黒い炎を纏う。
「なにっ! 」
「葵離れて! 」
「逃がさん! 」
「ふざけんなっ! 」
「葵くん! 」
アガリアレプトは槍を地に突き刺し、空いた手で葵の左腕も掴み拘束する。マノーリアも葵に声をかけるがアガリアレプトの拘束から葵は足掻くが離れる事ができない。
「紫炎乱舞! っ?! 」
マノーリアは剣技をアガリアレプトに放ち葵を救出しようと試みるが強い殺気を感じ距離を取ると、サタナキアが長剣でマノーリアのいた場所を破壊している。気づくのが遅ければマノーリアも深傷をおっていただろう大振りの一撃だった。
「如月邪魔をするな」
「サタナキア…… 」
「アガリアレプトが神無月を拘束している間は貴様の相手はわたしだ」
「機嫌が悪そうね? 」
マノーリアはサタナキアへ軽口返答する。サタナキアが口角を軽くあげ返答する。
「如月、貴様がいると神無月が一騎打ちをしてくれないのでな、先に貴様を殺す」
「一騎打ちをしない理由は別にあると思うわよ」
「そんなことはどうでもいい死ね! 」
サタナキアは長剣を下段にかまえてマノーリアへと突進する。マノーリアは腰を沈め薙刀をかまえ防御体制に入る。サタナキアの剣を受けたことがあるマノーリアにとって、これが最善である判断した。サタナキアは到底かなわない相手だからだ。葵とふたりでならばマノーリアも攻撃をあてることもできるが、ひとりで挑むには防御から攻撃に移るしかない。少なくとも葵が、サタナキアとアガリアレプトふたりの四面魔神を相手にするのは避けるべきとマノーリアは判断した。
「クラッシュロック! サンドブラスト! 」
葵が加護の力で石の散弾や砂の散弾でアガリアレプトの拘束から抜けどそうともがくが、黒い炎を纏うアガリアレプトの力がどんどん強くなる。
「これならどうだ! クラック! 」
葵は滅多に使用しない加護の力を発動するとアガリアレプトの足元に小さな地割れが起きる。デイトが使うクレバスの下位能力である。
「離せっ! 」
「貴様も道ずれだ! 逃がさん! 」
サタナキアの猛攻を防御するマノーリアの視界にアガリアレプトと共に割れた地に落ちる葵の姿が見えた。
「葵くん! 」
「隙を見せるとは余裕だな如月」
サタナキアは一瞬の隙を見せたマノーリアへと長剣の剣技を放つ
「きゃっ! 」
マノーリアはまともにサタナキアの攻撃を受けてしまい、マノーリアの左の二の腕にサタナキアの剣がかすめたようで、魔装衣が裂け血が流れる。サタナキアがマノーリアを見て笑う。
「残念だったな。おそらく奴らは死んではないだろうが当分帰ってこないだろうな、神無月が戻るまでには貴様も死ねばいい」
サタナキアはマノーリアに回復の機会を与えないように更に猛攻をしかけるのであった。
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