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【祝! 完結】STRAIN HOLE ~よくあるフツーの異世界でフツーに騎士になりました。だってフツーでもそこそこ楽しめますよね? ~  作者: 橘 弥鷺


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530-生産系魔族ファーマーの実力

「アイさん行くよー 」

「ええ♪ 楽しくなってきたわね~ 」

「わかってると思うけど、アイツは魔族を生み出せる生産系だからね。ウジャウジャ出してくるから」

「ゾクゾクする~♪ この状況だけで濡れそう♪ 」

「アイさん…… 」


 梔子と話すアイがカラダを身震いさせて喜ぶ。梔子は若干引き気味だが、アイにとっては強者との対峙は興奮や快楽を覚えるようだ。しかし対峙する魔族はサタナキアやサーベラスのような戦闘系魔族でも婀娜のような精神汚染を得意とする魔族でもない。


「オメェら オレが土いじりしてるからってぇ~ よえと思ってるべぇ! 」


 目の前の魔族は他の魔族ともかなり毛色が違う、しゃべり方は独特の訛りがあり、服装も他の上位魔族とはかけはなれている。まずこちらに対する殺気を感じない。これはゴブリンなどの下位魔族でも感じるものだが、見た目がそうさせるのか、麦わら帽子やオーバーオールにシャツと農夫といって言い軽装で、防具ひとつつけていない。強いていえば手に持つ柄の長い大鎌がこの魔族の武器だろうが、草刈をする農夫にしか見えない。魔族特有の裂けた瞳と青黒い肌でなければの話だ。


「バカにすんでねぇーど、畑荒らす奴ら~相手にしてっかんなぁ 今まではサタナキアのダンナとかサーベラスのアニキがわざわざ守ってくれてたけんど、邪神様が目ぇ覚ましたから関係ねぇから、そもそもオレだってツェーだかんなぁ」


 現霊島サヨリが結界によってワァプラやサタナキアを封印していた魔海島での話だろう。魔海島はワァプラが目覚めるまで島内は強者の魔族によって魔族同士の争いが起きていたようで、敵対する魔族に襲われていたようだ。この魔族は生産系魔族の上位種であり、自身よりも強者の魔族を生み出せ、種別に関係ない。ある意味ては、この魔族を倒すことは邪神軍にとっての痛手となるのは間違いないが、どうも戦いづらさを感じてしまう相手が、生産系A級魔族ファーマーである。


「なに言っているかクーちゃんわかったかしらぁ~? 」

「いつもだけど訛りが酷くて…… 」


 訛りが酷くて梔子もアイも話半分も聞き取れなかった。その時、念話がふたりに入る。


「その魔族はね。畑荒らし相手にしてたから強いんだって、今までサタナキアやサーベラスに守られてきたけど、守られなくてもオレは強いって言ってるよ」

「萌? 」


 念話の相手は後衛の護衛をしている萌だ。WBHのメインユニットであるSUVを装備し戦っている。守星調査隊皆の動向を記録しているようで、ファーマーとの会話も聞き取っていたようだ。梔子が萌に尋ねる。


「萌の装備翻訳機能とかあるの?」

「そんなのつけてないよ。必要ないし」


 開発者である信治が端的な言葉で念話に割り込む。萌が返答する。


「いや~ なんかおじいちゃんのしゃべり方に似てるかなぁ だからなんとなく聞き取れたと言う感じ? 」

「萌さんたまに訛るもんね」


 信治が余計な事を口にする。


「えっ? わたし訛ってないよね? 」


 戦闘中なのに萌は関係ないことで狼狽える。年頃少女が訛りを気にするのは当然だろうが、方言と違い訛りは本人はなかなか気がつきにくい。


「わたしたちに聞いてもわからないわよ~♪ 」


 日本人でない梔子やアイでは細かなイントネーションの違いはわからないだろう。信治がまた割り込む。


「萌さん気にするとこそこ? ファーマーとおじいちゃんがしゃべり方近いとかの方とかじゃないの」

「おじいちゃんはおじいちゃんだし、ファーマーはファーマーだからいいの! わたし自身が栃木訛りが出ていなことが重要! 」


 そこへファーマーが大声を出して梔子とアイ声をかける。


「ほん! そーやってオレのことバカにしてぇ! 誰としゃべってんだぁ! 泣かしてぇやっかんなぁ」


 ファーマーが腰に下げた小袋から種を蒔いて小躍りすると、地面からヘルハウンドやウェアウルフとウェアライガが湧いて出る。


「オメェら噛み殺してやれ! 」


 ファーマーの生み出した魔族は梔子やアイの敵ではないが、数がそこそこいるので足が止まる。梔子は翼で空へと回避し、地対空での戦い、アイは妖術で分身を生み出し次々に斬り倒している。ファーマーが狙ったのはアイだった。


「害虫駆除と草払いは念入りにしねぇとだめんなだぞ」


 ファーマーは大鎌を振り上げ走り出し、アイに襲いかかるヘルハウンドごとアイをしとめるつもりか、ためらいもなく大鎌を振り払う。


「わんころだけけぇ のっそりしてりゃ斬られてしょがねぇべ」


 アイはとっさに後方に下がりファーマーの大鎌を回避し、遅れたヘルハウンドがファーマーの大鎌に斬りつけられて絶命している。ファーマーはまた種を蒔いてオークやケルベロスを生み出し攻撃させる。


「魔族を生み出して~ 足が止まったところを攻撃するのねぇ~ 魔族って一騎打ちが好きなんじゃなかったの? 」


 アイがファーマーの手を理解して口を開く、ファーマーがニヤリと笑って返答する。


「そんなのはサタナキアのダンナやサーベラスのアニキみてぇなツェーのがやればいいんだ。オレはお目らが邪魔だから駆除しねぇと後々厄介だかんなぁ こいつらと一緒にきっちまえば一緒だべぇ 四の五の言わず早く死ね! 」


 ファーマーがアイを狙って大鎌を振り回し連撃を繰り出す。ファーマーが大鎌に対して、アイの武器である長巻きである為、武器の長さの分先手を取られやすい。


「オメェめんどくせぇやつだなぁ! 早く死ね! 」


 ファーマーがアイへの攻撃をしかける隙を狙い、梔子が上空から垂直に降りファーマーを狙うがファーマーは口から種を吐き出し、腰にぶら下げたひょうたんの水筒を口に含み、先程の種に霧吹きのように口から吐き出すとゴブリン数体が急激に生まれ空に舞う。


「なっ?! 」


 梔子はいきなり現れたゴブリンを斬りつけファーマーへの攻撃は回避する。ゴブリンは宙にいて何が出きるわけではない、ただの肉壁に過ぎない。ゴブリンで梔子の視界をふさいだ瞬間に、ファーマーはアイに対しても肉壁をいきなり作り、梔子への攻撃に切り替えていた。梔子とアイは互いに背を預ける形で魔族たちに向く。


「見た目とは真逆ねぇ~♪ 予想以上の強者だわ♪ 」

「気はぬけないね」


 今まで生産系魔族と侮っていたファーマーもやはり強者であった。

お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。

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