52-守星調査隊任命式
使節団の帰国により使節団の功績を称える式典だが合わせて調査隊の任命式を兼ねている。まずは使節団の報告に始まる。公式な場で白檀より皇女の環へ報告がされる。既に報告は済んでおり、あくまでも宴を盛り上げる為の形式的な物である。今回使節団は隣国のビナスゲート、ラストスタンド、ストロングシルドと3ヶ国の訪問を行い、有事の際の双方の軍事的協力の協議と貿易関係の協議が主な重要な案件だった。文官の努力もあり今回の使節団訪問は、成功と言える内容であった。更に滞在先のラストスタンドで、転移者の葵を保護しロスビナスまで連れ帰った事、そしてその葵が眷属神デイト・ア・ボットの加護を得たことが公に報告される。その他各担当文官より報告が終わり環が使節団へ労いの言葉を述べる。
「使節団の皆さんご苦労様でした。他国との協議も平和的に進められたことを感謝致します。そして、誰ひとりとしてかけることなくお戻りになられたことを嬉しく思います。そして、騎士団の皆さんが日頃の努力の賜物として、神無月葵さんを保護しデイト・ア・ボット様の加護を転移まもなく授かることができたことを感謝致します。しかし、白檀団長と神無月さんの加護を授かる2名がいる我々ロスビナス皇国は守星に先陣きり馳せ参じる事が義務付けられます。騎士団の皆様今まで以上に苦難を受けることになりますが、よろしくお願いします。」
「オー!」
「ロスビナス皇国万歳!」
「ロスビナス騎士団最強なり!」
会場は割れんばかりの拍手喝采に包まれる。そして、葵が紹介され改めて、皇国騎士団の騎士の称号を得ることを皇女の環より公にされ、また見習いの終わった花も同様に騎士の称号を得る。花に関してはマノーリアと梔子以来の若年騎士として喝采を受ける。そして環が会場を静粛させて騎士団編成を公に公表する。
「そして、我々は加護を授かる騎士を有する唯一の国としての責務を果たす為に騎士団を再編成を行うことを決定致しました。騎士団より選抜し守星調査隊を設立致します。」
葵達が呼ばれて公に守星調査隊のメンバーが紹介される。隊長は環として副隊長白檀となり戦闘面の指揮を白檀が行う。デイトは霊峰神殿より招いた同行神官として紹介された。歓談の時間となったが、葵はいろんな人を紹介されて既につかれていたがやっと大半の挨拶が終わり、マノーリアと梔子それと咲と花が近づいてきた。
「葵くんお疲れ様。飲み物お酒で良かったかな?」
「ありがとうマニー!でもみんな見違えるようだな!」
女性陣は皆華やかにドレスアップしている。皆いつも以上に美しく着飾っている。特にマノーリアと環は自身の最大の武器を惜しみ無く露にしている。
「葵~!マニーのどこ見てた?」
「胸!」
「変態!正直に言えば良いものでもないでしょ!」
梔子がいじってくるので隠しても仕方ないので素直に白状する。マノーリアが頬を赤く染めて葵に声をかける。
「あんまりジロジロ見ないで!そんな正直言われるとこっちが恥ずかしくなる!」
最近葵もマノーリアの美人さになれていたが、今日はバッチリとメイクもしている為に葵もマノーリアのリアクションにドキドキしてしまう。葵は話題を変えようと口を開く。
「みんなそんなに綺麗にしているのに、俺はいつもの服で良いのか?まぁ~団長もだから良いんだろうけど…団長がいつもの服が騎士の礼服だから1番綺麗なヤツ着てくりゃ良いって言うからさ~」
「女性騎士はこういう場では着飾ることも騎士服を着ても良いことになってるの、葵くんは団長の言うとおりで大丈夫よ。男性でも礼服着る人もいるけど、騎士団はその服が礼服よ!予備で礼服用があったでしょ?」
「あ、うんそれを着てきた。確かに予備にしてはいつものヤツより少し豪華かも?」
葵の予備の騎士服は公の式典に着るように少しだけ仕上がりが良くなっている。いつもの服を着ても騎士は問題ないらしいが、流石に普段着を着てくるわけにも行かないということで騎士団が礼服用に予備服を支給している。
「葵くんも素敵だから平気よ!」
「あらあら~マノーリア様そんなことが言えるようになられたのですね~」
「クー!からかわないで!」
梔子がマノーリアを茶化している。葵が久々のキメ顔を顔面に貼りつけて美少女達に誉め言葉を送る。
「いや、みんな本当に今日は綺麗だよ!」
梔子が照れながらも抵抗する。
「最初は照れたけど、変態葵のはもう言われてもなんとも思いませ~ん!」
「クーさん、そう言ってますけど!顔赤いですよ~」
「咲~!」
「クーさんお姉ちゃん公な場なのでお行儀悪いですよ~」
「そうね。いつも女性らしいことしていない分、今日はお上品にしていましょう」
環と白檀とデイトも役職者としての職務を果たしたのか葵達のところへやってくる。
「あ~やっと解放されたわ~」
「団長こういうの苦手そうですもんね」
「やらなくて良いなら断るよな」
「白檀お兄様は自由すきます。その内副団長の胃に穴が空きますよ!」
「アイツの仕事はそれだからな!代わってくれるならいくらでもヒールで治してやる」
「ビャク兄には何言っても仕方ないよー」
梔子が昔からこうだからと肩をすくめる。梔子が皆に尋ねる。
「ところで、柊さんと信治さんを見かけましたか?最初は会場いたのを見たのですが…」
「確かに歓談になってから見てないですね」
「信治のヤツがいずらくなって帰ったとかじゃないのか?よし!葵!飲み直しに行く前に部屋よっているか見てから行くぞ!」
「ははは~やっぱり飲みに行くんですね?」
「あたりまえだろ!付き合えよ!あーおーい」
「わかりました。わかりました。」
「白檀さんは葵さんのこと大好きなんですね?」
「こいつはこう見えて地味に面白いだよな~いろいろ笑わせてくれるしな!じゃあ今日は葵は俺連れていくからな!女性陣は女子会でもやってくれ!」
「地味は余計ですよ~」
「まぁ~ビャク兄も葵も男同士積もる話もあるんでしょ!」
葵は白檀に肩を組まれて会場を後にして夜の街に消えていくのだった。
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冬童話2021投稿用に、連載中のSTRAIN HOLEの世界とキャラクターを使用して短編を書いてみました。
本編を読まなくても、完結するように書いておりますが、時期的なものや状況は本編とリンクさせておりますので、合わせてお読みいただければ、より楽しんでいただけるかもしれません。
【短編】姉妹のさがしもの
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