表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【祝! 完結】STRAIN HOLE ~よくあるフツーの異世界でフツーに騎士になりました。だってフツーでもそこそこ楽しめますよね? ~  作者: 橘 弥鷺


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

518/589

517-司令部の憂鬱

 ロスビナス皇国沿岸部

 邪神軍魔艇艦隊


 防衛兵器を使用することなり、戦略的後退を守星連盟軍は行っている。葵たち守星調査隊が魔艇撃沈作戦時に離脱と同時に谷を崩し、邪神軍の進攻路を塞ぎ時間稼ぎを行った。周囲も断崖絶壁となった邪神軍周辺は、地面すれすれを浮遊して進む魔艇には谷の上の平野部に浮上する事はできない為に、谷を塞いだ土砂を魔艇で砲撃し、進路を確保する事に時間を割いている。


「これも余興と思え、時間を気にする必要はない。こうしている間も人間どもは必死に迎撃準備に勤しんでいるのだ。それをことごとく覆し進攻してやることも、人間どもの精神を食い潰してやることになるであろう? 」


 ワァプラから報告を受けた邪神の表情は愉しげに笑っている。それは人々の抵抗を嘲笑うかのようで不気味である。


「はっ! ではもうしばらくお待ちください。進攻路構築後に改めて報告いたします」

「ああ、その辺りはワァプラ、貴様に任せる。わたしが指示を出すほどの話でもなかろうて、カースカロッツェリアが倒されたのは意外だったが、まぁ限界突破したばかりでそもそも生産系のあやつはそこまでだっただけどからな」

「は、しかし、カースカロッツェリアがいない今、魔艇の攻撃力も半減しておりますのでここからは兵どもによる進攻に切り替えます」

「かまわんよ。魔艇は足として兵ども輸送させればよい。人間どもには抗わせてそれを駆逐すればよい」

「御意」


 邪神はそう言ってベッドへと沈み、ベッドに横たわるサキュバスのカラダをなぞりはじめると横たわるサキュバスはそれだけで身悶え艶かしい声を漏らし、周りにいた邪神の側仕えのサキュバスたちが、その様子を見ているだけで身悶え吐息を漏らす。サキュバスは、そもそも人間の男性を誘惑や魅了によって堕落させ生きる(しかばね)にし、女性は嫉妬と憎悪に狂わせ、人間社会を混沌とさせる魔族だが、そのサキュバスが邪神の手にかかれば、単なる性奴隷に過ぎないのだが、本人たちは邪神に犯されることも、殺されることも快楽でしかない。魔族は邪神を崇め、苦しみや憎悪を愛し、堕落と破壊する事を楽しむ生物だ。破壊とは物理的にも精神的にも破壊する全てを意味する。


 ----------------

 ロスビナス皇国中央平野部

 守星連盟軍西部部隊前線



 防衛兵器の準備が着々と進められている。


「貯水量から割出た水深は、おそらく15メートルくらいにはなる想定です。その水深で海まで押し流します。その後5メートル程度まで水位は下がりますが、水が渇れることはないですね」


 後方に控える星形要塞周囲の堀に流した川の水は、周囲の大河と地下水を汲み上げ水量を確保した。


「戦後に農家に文句を言われないように用水路整備事業を行うことになったな…… 」


 大河の周囲には農村が広がり広大な農地が広がっていた。その大河を塞き止め川の流れを変えたわけだから、水不足になるのは当然だ。戦場となったので仕方ないが谷を作ることによって、農地を戦場にすることを避けたわけだから、その辺りは理解してほしいと誰とも言えない農家に守星連盟の司令部上層部はぼやいている。


「その辺りは、眷属神や特務騎士をはじめとする皇国守星調査隊の提案ですから、農家の人達も大っぴらに文句は言いませんよ。わたしもこの近く出身なので、実家に顔を出した時に、農地や町を守る為の策であることは皆理解してましたよ」


 司令部つきの女性武官が笑顔で口を開いた。邪神軍との決戦は人同士の戦争とは意味合いが大きく違う。それは騎士や兵士だけでなく、この世界に生きる人々は理解はしている。それでも自分の生活が脅かされれば不満も出るのだが、今回の作戦提案が、皇女である環が結成した守星調査隊からだったことで、周囲に暮らす人々の反応も好意的であったようだ。


「国が滅びかねない中で無理な作戦を強いられるなかでは本当に助かった。歴代皇女の中でも最も支持率が高いからな環様は…… 」


 司令官がそう言って安堵の息を吐く、邪神軍進攻への防衛とはいえ、失敗すれば大国ひとつが滅亡し、場合によれば大陸全土を滅亡させることとなる。その重圧の中、作戦を支持する人々が多い事は気を楽にしてくれたようだ。皇女に選ばれる者はそこまで支持率が低くなるような人物は過去にもいなかったが、環は別格といえるほどに皇国国民どころか、大陸各国でも人気が高いのだ。だからこそ国民が決戦にたいしての賛同の意見は多い、無論、そこには環だけでなく守星調査隊全体への期待度が高い。司令部へとひとりの兵士が入ってくる。


「斥候からの報告です。邪神軍は谷を塞いでいた瓦礫を取り除き継続しており、谷からの進攻を継続するようです。取り除きには1日はかからないかと…… 後退した前線到達までは1日程度と推測されます」

「ご苦労、防衛兵器並びに迎撃準備を前線部隊へ、守星調査隊にも前線へ上がるよう指示を」

「了解! 」


 司令部が報告によってあわただしく動き出す。改めて邪神軍との戦闘を開始する準備がはじまった。

お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。

いいね、ブックマーク、評価、感想、レビュー何かひとつでもちょうだいいただければ、励みとなりますのでよろしくお願いいたします。

ぜひ、下の☆印にて評価してただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ