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【祝! 完結】STRAIN HOLE ~よくあるフツーの異世界でフツーに騎士になりました。だってフツーでもそこそこ楽しめますよね? ~  作者: 橘 弥鷺


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509-S級魔族との戦い

「サーベラス良いのか? 1人で…… 」

「白檀さん挑発しなくてもよいです。こちらに分があるならば、サーベラスをここで倒すのみ…… 」

「デイト様今回は魔艇を破壊して離脱の予定だが? 」

「S級総出で我々の迎撃に来てますからね。逃がしてくれるとは到底思えませんね」

「そりゃそーだ」


 白檀とデイトが剣を構えてサーベラスに対峙する。サーベラスが左右の犬の頭を白檀とデイトに向けて真ん中の顔が口を開く。


「貴様ら2人がかりかそれはそれで楽しめるな」

「サーベラス そう言っていられるのも今…… くそっ! また増えやがった」


 白檀がサーベラスに返答しようとしているその時に、サーベラス隣に一体の魔族が現れる。


「ワァプラ様 邪神様は? 」

「まだ完全じゃないようでな仮眠ずるそうだ。側室のサキュバスとファーマーが付き添っている。コイツらの事は我々が好きにして良いそうだ。で、どちらを相手にすればよい」

「ワァプラ様のお好みの方をお選びいただければ」

「サーベラスそう言うな、お前もコイツらにはそれ相応の思い入れはあるだろう? 好きに選んで良いぞ」


 ワァプラは顎を撫でながらサーベラスへと声をかける。ワァプラが一戦士として前に出ることは今までなかった。その表情は楽しげだ。サーベラスはワァプラへと返答する。


「では、恐れ入りながら鳳凰白檀をわたしが斬らせていただきます」

「そうか、では、我はデイト・ア・ボットを相手にするか」


 ワァプラはデイトに向いて腰に下げた剣に手をかける。


「デイト・ア・ボット貴様に結界に封印され満足に戦えなかった過去をはらさせてもらうからな」

「軍師自ら戦場に出るとはな、この好機逃すわけにはいかぬ。ワァプラ貴様をここで討つ! 」


 デイトは大剣をかまえてワァプラへと斬りかかって行った。


「今日もまた用すんだらにじみ消えるんじゃないのか? 」

「フフン そうだな今日の用は貴様を殺すことだな」

「そうか、じゃ今日は帰れなさそうだぞ」

「貴様ごときに倒されるつもりはない」


 サーベラスがハルバートがを横凪にかまえて白檀へと突っ込む。


「その言葉そのままお前に返してやる! 」


 白檀もまた、鳳凰の大太刀に炎を纏わせサーベラスへと突っ込み、双方が交わり大太刀とハルバートが思い金属音を立てたと同時に周囲に音波の波紋で砂煙が立ち上がった。


「どうだ? 成功すると思った作戦が寸前で立ち消えた気分はどうだ? 神無月! 」

「サタナキア 残念だなお前が思うほど落胆はしてないんだよ個人的にはな! 」


 サタナキアが長剣で葵に斬りかかり、葵はシールドガントレットで受け、サタナキアの脇腹に蹴りを放ち、サタナキアが体を反らすところにブロードソードを突き立てるが、サタナキアも予測していたか、長剣で跳ね返す。


「少しは知恵が回るようになったか? そうでなくてはな! 」


 葵とサタナキアの一進一退の攻防が繰り広げられる魔艇の上空では、信治とカースカロッツェリアもまた撃ち合い繰り広げている。


「思ったより小回りがきくか、魔艇の攻撃用に温存したいけどそうもいかないか、ありきたりな展開だけどね。ビット行け!」


 信治はSUVに装備したビットコンテナを展開しビットを射出する。


「そんな鼻くそ撃ち落としてやる! 」


 カースカロッツェリアは両腕のガトリングガンが咆哮をあげてビットへと魔弾の散弾を浴びせ迎撃する。


「鼻くそとか言うな! 新しいタイプの人しか使えないんだぞ! こっちはどうだ! 」


 信治がビット撃ち落とされ訳のわからない怒りを口にしながら次は別のコンテナを展開し無数のマイクロミサイルを発射して、カースカロッツェリアを追いつめようとするが、カースカロッツェリアが両足に装着した飛行装備を最大出力で上昇し、旋回してミサイルを回避しつつ両腕のガトリングガンを更に太く長い丸太のような形状へと変えバズーカのように肩にかけてかまえながら、信治の直上から信治へと撃ち放つ。


「これでも喰らいやがれ! 」

「くそっ!かわせない! ウェポンブック! 」


 信治は黒い布状のシールドを展開し、さらにウェポンブックで、シールドを持った白いロボットの左腕を顕現させ耐える。黒い布のシールドもロボットのシールドも破壊されたが、その隙に信治はカースカロッツェリアの射線から回避する。


「どうにかして地上に下ろさせないと! 考えろ! 考えろ! 」

「信治さん一度わたしを回収してください! 」


 その時に信治にナズナから念話で声をかける。


「ナズナちゃん」

「わたしに考えがあります。信治さんの真下にいます」

「わかった。速度は落とせないからね」

「大丈夫です」


 カースカロッツェリアと対峙する寸前にナズナはSUVから降りて、狸耳の幻術で姿を隠し潜伏していたが、戦場が上空になり出番がなくなっていたのだが、カースカロッツェリアに対しての対抗策を思いついたようだ。信治は回避すると見せかけて降下してナズナのいる付近を飛ぶと、ナズナは蔦をSUVに絡ませてそれを使ってSUVへと乗ったが、信治にもナズナ姿が見えない。すぐ後ろにいるので気配を感じるだけだ。


「ナズナちゃん? 」

「このまま上昇してください! 」

「わかった。ナズナちゃんに任せるから頼むね! 」

「はい、あのカースカロッツェリアよりも上にお願いします! 」

「了解! 」


 信治はSUVの出力をあげて上昇する。カースカロッツェリアがまた、ガトリングガンに変化させて撃ちはなってくるが、信治は迎撃用のミサイルを展開し回避しながら上昇するのであった。

お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。

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