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【祝! 完結】STRAIN HOLE ~よくあるフツーの異世界でフツーに騎士になりました。だってフツーでもそこそこ楽しめますよね? ~  作者: 橘 弥鷺


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498-攻撃開始

 黒い霧は晴れ上空へと上り集約している。完全に晴れたわけでない事を考えれば件念事項だが、今は地上の進攻を開始した魔族たちへの対応が優先される。


「魔族を谷から上がらせるな! 谷に誘導しろ! 」

「了解! 」


 白檀が声を張上げ皆に指示をすると萌が返答しWBHのマイクロミサイルを無数に発射させた。邪神軍の隊列に届く射程距離の攻撃は、まだWBHの武器しかない。邪神軍が行った何かしらの行為で、海岸線から谷に入った周辺は地形が変わりなだらか傾斜に変わり、谷にから上がれるようになり、邪神軍の行動制限できず白兵戦となる。地の利を生かし戦闘を行いたい守星連盟軍は谷に底へ誘導させる為、邪神軍を包囲するよう行動する。谷は海岸から西へと横断している南北方面軍は谷の上からの攻撃ないし、後方から攻撃を仕掛ける予定だ。


「クー、葵、麻衣、わかってると思うがあまり先行するなよ! 今回は馬車も同行するからな」

「わかってますよ団長! 」


 葵が返答するとその後ろで梔子と麻衣がやれやれ肩をすくめて白檀に声をかける。


「ビャク兄はなんだかんだ心配性だよね~ 」

「確かにね~ 団長大丈夫よ! 」


 白檀がふんっと顔を反らし腕を組んで口を開く。


「お前らが無茶をするからだ! 」

「白檀さんはお優しいから」


 環が白檀の隣に歩みより微笑みながら口を開いた。


「環までちゃかすな! お前ら気をつけろよ! 行ってこい! 」

「りょーかい! 」


 梔子が麻衣のフライトバイクにまたがり、葵と麻衣のフライトバイクを乗せたエレベーターデッキが上昇しフライトデッキへと上り、葵たちは皆よりも先行し出撃する。飛び立った葵たちは並走するように飛び目的地を目指す。


「上空から魔族たちを谷へ誘導するように攻撃をすれば良いのよね」


 麻衣が攻撃目的を確認すると梔子が返答する。


「谷を移動させないとこちらが不利になるからね~ それに迎撃兵器も後ろに控えているから利用しないとね」

「わかったわ! 葵、クー! あたしの結界を抜けた魔族をお願いよ! 」

「了解! この距離なら麻衣は射程範囲になる? 」

「そうね。そろそろ始めるわ! あたしの歌を聴きなさい! 」


 麻衣はフライトバイクのスピーカーユニットを展開する。同時に梔子が麻衣のフライトバイクから飛び立ち、自身の翼で飛行する。麻衣はフライトバイク周辺に信治が追加で作成した量産型のSUVを数機展開する。武装は信治や萌が使用するSUVに比べ大幅に削減されているが、飛行能力と速度が向上している。麻衣は眷属たちを召喚するとSUVの上に顕現し、麻衣を護るように編隊飛行をはじめる。麻衣の歌によって谷から這い上がろうとした魔族たちを谷へと弾き返す。更に葵と後方のWBHからのマイクロミサイルの雨が降り注ぎ、魔族たちを谷底へと押し戻した。


「一部の魔族はいまだに這い上がろうとしていますが、大半の魔族たちが谷底へと進路を変えました」


 WBHのオペレーター役を行っている里菜から念話によって情報が入る。


「よし、谷の上に上がる魔族は各方面軍に任せるように通達してくれ! 主力の部隊が谷底へ進攻するならそれでいい! 」

「了解です」


 白檀が里菜に返答し白檀は皆に声をかける。


「聞いての通りだ! 行くぞ! 」

「了解! 」


 WBHの船尾のハッチが開き馬車が空挺される。マノーリアがグラビティコントロールで重力を操作させて着陸させる。先行している葵たちの支獣も梔子のユキだけ残し、葵のエールと麻衣のスカイアイは戻ってきている。各馬車に1体の支獣を繋ぎ、4台の馬車に各自乗り込み谷底をかけはしる。各馬車は2両連結させている。前衛の各馬車の屋根には咲と花がマジックアローとロングレンジマジックライフルを構えてたっている。同様に後衛の馬車の上にはジンジャーと環が準備をしている。信治はジンジャーが乗る馬車に並走するように、SUVに乗り並走している。白檀が先頭の馬車の御者台から支獣のオーレを飛びたたせ谷底の先を伺っているとゴーレムパワードスーツを装備したデイトが馬車に追いつき並走し白檀に声をかける。


「魔族は? 」

「かなりの数が魔艇から出てきてやがる。しかし、あの連結した魔艇はあれで動くのか? 」

「動くにせよ居座るにせよ、まずは迫る魔族たちを殲滅しましょう」

「了解した。咲聞いての通りだ援護を頼む」

「わかりました」

 

 白檀は御者台から屋根にいる咲に声をかけ車内にも声をかける。


「いよいよ出番かしら? 」

「そうだなアイさんは無茶すんなよ! 」

「わかってるわよ」


 アイが嬉しそうに馬車の扉を開けて飛び降り、続けてベルーフとナズナが降りる。咲が支獣のミィを呼び出す。


「ミィみんなの援護を! 」

「キュウイ~! 」


 ミィが一鳴きして巨大なハリネズミになり丸まってゴロゴロとデイトたちと共に先行する。咲の乗った先頭馬車と花の乗る2台目の馬車が並走しはじめると2台目からマノーリアが自身の支獣であるアリスに乗り移り咲と花に声をかける。


「もしもの事があればよろしくね」

「任せておいてください! 」

「その為の中衛ですからね! 」


 咲と花はマノーリアの意図していることを理解し笑顔で返答する。本来咲は前衛で梔子とバティを組んでいた実力も前衛のナズナよりもあるが、アイも加わりいざという時の花との技のために中衛に配置し、今回は弓を主要武器としての参戦である。マノーリアはふたりに手を振り前衛へと向かう。それと同時に、馬車の屋根に備え付けの主砲が自動で砲撃をはじめる。咲と花も弓とロングレンジマジックライフルに魔力を注ぎ魔族の軍勢目掛けて打ち込みはじめる。


「皆に力を! 」


 最後尾の馬車の屋根から環が金剛杵をかまえて守星調査隊の皆に力を与える。


「みなさんご武運を」


 守星調査隊の面々が襲い来る魔族の軍勢へと立ちはだかる。

お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。

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