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【祝! 完結】STRAIN HOLE ~よくあるフツーの異世界でフツーに騎士になりました。だってフツーでもそこそこ楽しめますよね? ~  作者: 橘 弥鷺


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474-新米冒険者の挫折

「おふたりの現状をお聞かせいただきますか? おおよその見当はついておりますが、お一人は既に戦死されているようですが…… 」


 レンゲとデイジを守星調査隊が食事をしていた部屋へ連れていき席に座らせる。環がレンゲとデイジに尋ねる。


「…… うっ…… うー 」

「デイジ…… 泣かないで、みんなに話してほしいの、わたしがみんなと別れて何があったのか…… 」

「……… 」


 しかし、デイジは泣き崩れレンゲは下を向いたままだんまりだ。ナズナがデイジの肩を抱いて声をかける。このままでは話が進まないと思った環はあらためてふたりに声をかける。


「少し落ち着いてからにしましょうか、おふたり精神安定の魔法かけても? 」


 環がレンゲとデイジに声をかけるとふたりはコクりと頷くそれを見た環は光魔法の精神安定の魔法をかける。


「マニーちゃん闇魔法もお願いいたします」

「わかりました」


 マノーリアが環の指示で闇魔法の精神安定の魔法をかける。環の光魔法とマノーリアの闇魔法の正反対の精神安定魔法によってより効果向上される。


「ゆっくりでいいですからね」


 環がふたりに優しく声をかける。そうしている間に部屋のドアがノックされる。


「皇女様我々も同席してよろしいでしょうか? 」

「ウイングスリーダーのアインさんでしたか? 」

「また、皆さんに助けられた。本来我々の仕事であるのに…… 」


 アインとウイングスのメンバーが頭を下げる。白檀がアインに声をかける。


「気にするな! ナズナの元仲間だったからな決戦前にナズナが遺恨にとらわれてたら本来の力が発揮できないだろ? オレたちも打算があったってことさ」

「白檀団長…… 」

「白檀すまない感謝する」


 ナズナが白檀に頭を下げ、アインもあらためて礼を言葉にする。葵がアイに尋ねる。


「アイさんあのグズリーダーの事を"パーティー分取りのセンダン"って呼んでたよね? 」

「そうね~ たちが悪いのよ~ まともにやってればBランクくらいの実力はあるのよ~ なのに自分が一番おいしい思いしたいのか、リーダーが前衛でランク下のパーティーを狙って入り込んでくるの~ で、口は上手いから、どんどん自分の仲間引き込んで、難易度高い仕事に挑んでリーダーが戦死するのがパターンで、センダンがリーダーを引き継ぐの~ で、稼げなくなったら、また別のパーティーに入り込む感じね。さっきのパーティーで4つ目かしら? 」

「5組目でしたね。組合もマークしてましたが、リーダー殺しをしたわけでなくあくまでも戦死してなので…… なかなか尻尾をつかめないでいたので」

「マジでクズだな」


 アイの説明に補足するようにアインが口を開き、葵も話を聞いただけで怒りを通り越し呆れた声が漏れる。デイジが口を開いた。


「わたしたちにだってわかります! 負傷しているスイセンにリーダーが回復もかけずに突貫指示を出したんです! 自分や仲間には少しでも負傷すれば、レンゲにヒールかけさせてたのにスイセンも…… わかってたのに…… わたしの代わりに…… 」


 スイセンは槍使いで中衛だったようだ。そしてグズリーダーのセンダンも中衛だったようだ。センダンはデイジと入れ替わりにスイセンに前に出るように命令したそうだ。そして手負いのスイセンは数匹の魔族の攻撃に耐えられず死んだそうだ。葵がレンゲとデイジに尋ねる。


「ポーションは? 」

「ポーションは各自2本ずつしか持ってませんでした。ヒールをかけてもらえない分ギリギリまで使わないようにしてたんですが…… 仕方なく皆一度使って…… スイセンが劣りになるかたちで後方から魔法の一斉攻撃とリーダーともう一人の中衛がとどめをさして戦闘は終了しました」


 レンゲが葵に返答をしアインが腕を組んで何か納得したように頷き口を開く。


「彼らがいたからですかね。今回のホールは守星総動員体制発布後でしたし、通常よりも報酬が跳ね上がりましたからね。センダンのパーティーは早々にホール防衛戦に参加表明しましたからね」

「彼らを盾役に? 」


 葵がアインに尋ね返すとアインはただ頷き返答する。レンゲが震えた声を漏らした。


「リーダーがAランクパーティーの隊列に紛れるって言い出したんです。危険度が高ければ報酬が高いから実戦になれば隊列なんて関係ないからって…… それを…… す、スイセンが反対したんです。けどリーダーや他のメンバーが和を乱すのかとか、怖じ気づいたとか言ってスイセンの意見をまったく聞き入れてくれなくて、そのまま戦闘に無理やり入った感じで…… 」

「指揮する者とは思えないわ」

「指揮するつもりもないのよ。特に彼らに対してわね」


 マノーリアが自分事のように怒りを露にしている。同じ指揮する立場のマノーリアからしてみると許せないのだろう、逆に麻衣は冷静に話を聞き入っており、マノーリアの言葉に返答し話を続ける。


「そもそも論ね。彼らを駒としか見ていない以上、反抗的な態度をとった時点で戦死した彼を盾として使うつもりだったんでしょ? 」

「残念だけど~ 麻衣ちゃんの言うとおりね。君たちああいう冒険者もいるのわかったかしら~ 」


 レンゲとデイジがコクりと頷く、レンゲは席から立ち上がり顔を上げて口を開く。


「皇女様! 騎士団団長! なんでもやるんでオレたちもナズナと同じ様に守星調査隊に入れてもらえないでしょうか? 」


 レンゲは意を決したように勢い良く思いをぶつけた。環がそれに返答をする。


「レンゲさん、デイジさん申し訳ありませんが今のあなたたちでは入隊させることはできません」

「オレも環に同意だ」


 レンゲの思いは環と白檀には伝わらなかった。今まで守星調査隊に入隊できなかった者いなかったが故に同期のナズナが入隊できて、自分たちが入隊できない理由がレンゲには理解できなかった。

お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。

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