表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【祝! 完結】STRAIN HOLE ~よくあるフツーの異世界でフツーに騎士になりました。だってフツーでもそこそこ楽しめますよね? ~  作者: 橘 弥鷺


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

459/589

458-テンプレ異世界の魔族が卑怯な攻撃をしてきたので、戦争のプロを異世界から召喚して力を貸してもらうことにしました。

「ザーザー ザーー 地上部隊の同胞諸君 ザーー ちっ、敵の妨害無線か? ザーザー 少尉チャンネルはあっているのか? まぁいい ザーー」


 念話で聞こえてくるその声の主は軍人たる口調だが、明らかに少女、いや幼女と言ってもいいカン高い子供の声だ。その声の主は話し続ける。


「ザーー こちらは ザーザー 帝国軍第 ザーー 大隊 ザーー 大隊隊長のタ ザーザー フ少佐である」

「帝国軍? 」


 ノイズが多いが念話の相手は帝国軍の大隊を率いる少佐であることは皆が聞き取れた。帝国と聞いてマノーリアがベレッタに向き直る。ベレッタが焦るようにマノーリアに声をかける。


「き、如月騎士長、わ、わたしも彼女たちの存在など聞いたことがない! なぁナンブ、レミントン」

「はい、我々にこのような部隊など存在しません」

「存在すれば当然この一大事の戦局に投入しないわけがありません! 」


 葵が笑いながら念話でマノーリアに声をかける。


「マニー、ベレッタたちは知らなくて当然だよ! 帝国でも別の世界の帝国だろうから」

「そうなの? 」

「信治が召喚した人たちだよ」


 念話で声が届くがまだ姿は見えない。さらに念話で語りかけられる。


「ザッ ザー 我が大隊がこれより上空より支援する ザザー 注意されたし ザーー 大隊諸君戦争の時間だ! 」


 すると上空より地上の魔族に対して圧縮された魔力の雨が降り注ぎ、魔族の軍勢が次々と倒れて行く、ヴィネアスも対空砲撃に切り替え、魔弾を上空に撃ち込み始める。すると葵たちの真上に50人ほど黒い影が通りすぎていく、魔弾の砲撃を交わしながら、地上へと攻撃を繰り返す。個々に自由に空を飛び回り、高い射撃精度で魔族を倒していく


「あれが念話の相手なの? 」


 マノーリアが上空を見上げ呟く、3つの隊が各々編隊を保ちながら飛び、各個に攻撃をしており、一番高い高度で戦況を視ている隊の中央には、周りの人よりもかなり小さな金髪碧眼の少女の姿が見える。


「ザーザー 地上部隊の同胞諸君 ザーー 君たちの仲間の前衛は無事だ。早急に救出作戦を実行されたし ザーー 援護する ザーザー」


 上空に現れた軍人たちによって、魔族をかなりの数を倒すことができ、さらにヴィネアスの魔弾は上空の彼女たちに向けられている。マノーリアが皆に指示をだす。


「クーたちの救出を! 」


 ベレッタや魔力の回復した咲と花が支獣を連れて梔子たちに救出に向かう。葵が信治に尋ねる。


「成功したのはわかったけど、召喚した彼女たちにオレたちの声って聞こえているのか? 」

「さぁ? 試してみる? 」


 葵が声をかけてみるか弾丸の中から念話で会話を試みる。


「そうだな…… こちら地上部隊だ。上空同胞諸君の支援感謝する」

「ザーー 礼にはおよばんよ! ザーー お互い様だ ザーー」

「会話できるな」

「たまたまかもだけどね。あくまでも彼女たちは夢みたいな記憶しか残らないか、彼女たちの現実一部に改変されるかだろうけどね」

「だから同じ軍の地上軍に見えてるってことか」

「たぶんね。という事で…… 上空の大隊へ、これより、地上部隊による特殊攻撃を実施する。引き続き陽動撹乱をお願いしたい」


 信治が召喚した上空の大隊に改めて依頼すると隊長の少女が返答する。


「了解した。ザーー 地上部隊にも物好きがいるものだな ザーー 」


 信治に答え戦況を静観していた少女の中隊が飛び込むように加勢し、少女が何か祈りを唱えたような言葉が念話で聞こえてくると少女が放った高圧縮した魔力の魔弾が魔族の軍勢に撃ち放たれて爆炎を放った。皆がその攻撃に驚きを隠せずに見ている。召喚した信治ですら口を閉じるのを忘れて言葉を漏らす。


「り、リアルに見るとす、すごいな…… 」


 葵が信治の言葉に信治に声をかける。


「信治、オレの事忘れるなよ! 」

「あ、うん! 萌さん次の百目千里眼のタイミングで葵くんを」

「わかった! 」


 萌がヘルメットのバイザーを下げて百目千里眼の発生の前兆である空間の歪みを監視する。


「萌! 頼むぞ! 」

「任せて! 」


 すでに百目千里眼の攻撃は何度も経験した。萌と信治は常にデータ収集し分析をしてきた。空の大隊に向かって空気が歪みを察知した。


「今だ! 萌さん! 」

「わかってる! 行けー! 葵くん! 」


 萌が主砲のトリガーを引くとWBHの主砲が発動して装填された葵入りの弾丸が発射され、空に発現した百目千里眼のホールに飛び込み姿が消える。


「入った! 」

「葵くん! 」


 弾丸はホールの出口でると葵は分解のレバーを引くと同時に剣技を発動させる。


「ランドスライド! 」

「なぁっ! 」


 いきなりホールから現れた葵にヴィネアスはライフルのような杖で防御の体制をとり身を交わすが葵は既に次の剣技を発動させる。


「遅い! ディスピア! エールそいつもだ! 」

「ぬうぉ! 」


 ヴィネアスが葵の剣技に追いつけず葵のブロードソードが突き刺さる。葵の指示で支獣のエールがポンっと現れすぐに戦闘モードの大きなカラダになり、ヘルガイドに噛みつきぶんっと放り投げ、爪で切り刻んだ。葵に刺されたヴィネアスが


「ぬ、ぬかったか、くっ! くそがーー! 人間ども! これで勝ったと思うなよ! 」

「お前倒したくらいじゃ思わねーよ! 」


 葵はブロードソードを抜き、仕上げにもう復活できないようにヴィネアスを切り刻み魔族の核まで破壊する。ヴィネアスとヘルガイドを倒したことにより、戦況は大きく変わり始めた。百目千里眼の攻撃を気にすることがなくなり、魔族を殲滅することだけとなり掃討戦へと移行する。


「ザーザー こちらの支援はここまでとさせてもらう ザーー 」


 信治が召喚した大隊が最後にそう言い残し消えていった。

お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。

いいね、ブックマーク、評価、感想、レビュー何かひとつでもちょうだいいただければ、励みとなりますのでよろしくお願いいたします。

ぜひ、下の☆印にて評価してただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ