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【祝! 完結】STRAIN HOLE ~よくあるフツーの異世界でフツーに騎士になりました。だってフツーでもそこそこ楽しめますよね? ~  作者: 橘 弥鷺


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451-冒険者ランキング1位の実力

 デイトはWBHから飛びありながら自身の降下速度をコントロールする。降下速度を落とすと次に地上に手をかざし、地形操作をする。元の地形は起伏のない平原であったが、そこに谷を作りだし、魔族たちを谷の底におびき寄せる。戦闘範囲を集約するのが狙いだ。谷から平原に戻るには上り坂となるその坂の上にデイトは降り立ち、葵たち先行してWBHから降り立った者たちも後に続いた。梔子が谷を見て口を開く。


「デイト様のおかげでだいぶ戦いやすくなったね」

「地形操作に伴い巻き沿いになった魔族もいるでしょうが、大した数ではないでしょうが、まずは眷属たちに先行させましょう」


 デイトがそう言って、ダイヤモンドナイトを筆頭にゴーレムやスティールナイトとはにわ騎士を次々と顕現させる。ほとんどは、はにわ騎士だがおよそ50体の眷属を生み出し、ダイヤモンドナイトの指揮のもとデイトの眷属たちが谷へと降りて行く、デイトの眷属たちが姿が見えなくなってすぐに、谷底から剣の弾き合う音や爆発音が聞こえはじめる。


「はじまったわね」


 その音に麻衣が声を漏らした。それは葵たちの耳にも聞こえており、葵はエマージェンシーの魔法を顕現させて光の柱を宙に立てた。WBHがエマージェンシーの柱を目印に降下をはじめ、守星調査隊の馬車とベレッタたちが乗った重魔装鎧たちが、降下をはじめる。デイトがそれらに手をかざし重力操作を行って地上に難なく降下させる。マノーリアたちが合流し声を掛け合う。


「ここまでは予定通りね」

「魔族もこちらにまでは攻撃する余裕はないだろね」


 葵がマノーリアに返答する。デイトが作り出した谷によって魔族たちは進路を限定させられ、数の優位を活用できていない。萌が念話で皆に声をかける。


「WBHはこの位置に固定するからね。何かあれば教えて! 対地攻撃開始! 」


 萌がそう言って谷に向かってWBHから無数のミサイルの雨が降り注ぎ、魔族たちの唸りと混乱の声が谷底から響き、マノーリアが皆に声をかける。


「では、守星調査隊攻撃開始! 」

「了解! 」

「葵ちゃん乗せてって~ 」

「あー アイさん!? 」


 アイが葵のフライトバイクにサッとまたがり葵の腰に手を回し抱きつく、アイはマノーリアや環ほどのビックサイズではないが、職業柄か、その武器をフルに使いこなすプロである。葵はこれから決戦に挑むと言うのに全神経は自身の背中に当たる柔らかい感覚を堪能する。葵は表向きは苦笑を貼りつけて、困ったお姉さんだなぁと平然を装う。その葵に呆れた声音で麻衣が声をかける。


「これだから男は…… これだから葵は…… 」

「お、オレ? 」


 葵は自分が非難される道理がないと抗議の声をあげるが周囲の視線は冷ややかだ。マノーリアが少しだけむくれた表情をしていたが、コホンと咳払いをして改めて口を開く。


「効率重視よ! デイト様の眷属が倒される前に前に出ましょう! 」

「了解! 」


 マノーリアの声をきっかけに改めて皆がが谷底へと降りて行く、前衛は梔子、葵、咲とアイだ。その後に中衛にマノーリア、麻衣、花、ベレッタたち帝国軍の3人が続く。萌が上空から対空監視と全体状況の把握と遠距離支援を行う。葵は移動しながらアイに声をかける。


「アイさんわざと? 」

「なんのこと? 」

「なにがしたいの? 」


 葵は少しだけアイの行動に苛立ちを感じたが怒るほどでもないので、素直に本人に聞いてみることにした。


「別に意図なんてないわよ。葵ちゃんがいい男だからかしら? 」


 アイはそう言って葵の耳元で囁きながら更に姿勢を変えるふりで胸を葵に押し当てる。


「またそういう…… 」

「まんざらでもないくせに♪ 」


 葵は確かにと変に納得する。やはりアイは婀娜のような魅了や誘惑的な能力でも使っているのではないかと思う。アイは狐耳の持ち主であり、その手の化かす能力を持ち合わせているのだ。マノーリアにバレないのなら、一度くらいお手合わせしたいものだと思ってしまうほどに誘惑的だが、葵は我ながら男ってバカだなと思いながら苦笑していると、アイが更に胸を強く押し当てて話を続ける。


「葵ちゃんが他の女にとられるって思っていた方が、マニーちゃんも熱い恋ができるでしょ♪ 」

「マニーの為ってこと? 」

「ぜーんぜん♪ あたしが楽しいからしてるのよ♪ もちろんマニーちゃんと男の事でもめるのはごめんだけどね~ 葵ちゃんを味見したいのはホントよ♪ 」

「ハハハハ…… 」


 葵がアイに押し当てられた胸の柔らかさを背中堪能しつつも顔には苦笑を貼りつける。アイがクスクスと笑いながらフライトバイクの上に立ちながら口を開く。


「まぁなんかあたしのイメージが色欲一色になってきたからねぇ~ あたしの実力も見てもらおうかしら♪ 」


 葵がフライトバイクのビットとマイクロミサイルを全て発射させて、デイトの眷属たちを追い越して群がる魔族たちを爆死させる。


「葵ちゃんやるわね~♪ じゃお先に♪ 」

「アイさん!? 」


 アイがフライトバイクから飛び降りて先程の攻撃でできたスペースに降り立ち長巻をかまえる。


「さぁあたしを気持ちよくさせてね♪ 」


 魔族が一斉にアイに飛びかかるが、アイは一気に切り裂いて一撃で数十体は倒しているが、アイとしては不満のようだ。


「ちょっと感が鈍ったかしら? フフフ♪ 」


 アイが狐耳の能力を使う。葵もフライトバイクから飛び降りてアイの後ろに降り立つ。


「アイさんひとりでとばしすぎだよ! 」

「あら? そう♪ でもこれからよ♪ 」


 アイが更に魔族へと攻撃する。先程とは違い長巻が数本に分散して攻撃している。物理的に本数が増えたわけでなく、妖術によって複数に見えているようなのだが、全てが物理的なダメージを魔族たちにあたえている。


「すごい…… 」

「追いついたぁ! 葵とアイさん先行しすぎ! 」

「待ってたわよ~ クーちゃん♪ 早くしないとあたしの独壇場にしちゃうわよ♪ 」

「アイさんはホント自由だよね~ 咲行くよー」

「了解! 」


 梔子が翼をしまい地上に降り立つ、他の皆もデイトの眷属を追い越して最前線へとたどり着いた。


「やはり来たかデイト・ア・ボットと愚かな人間ども…… 貴様たちには充分遊んでもらおう…… 」


 後方のホール付近にいるヘルガイドが企んだ微笑を浮かべる。

お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。

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