435-異世界の邪神がチートな強さなので僕も新たなチートな武器を試作することにしました。大好きなキャラ召喚ってダメですか?
「穂と柄長さは今までのもの同じでいいのかな? 」
「穂を長めにしてほしいです。柄を短くして全体の長さは同じか少し長くなる分には、そこまで扱いが変わらないと思うので大丈夫です」
「わかった。穂を長くする理由を教えてもらえるかな? 」
「剣技の力を増為ですね」
ベルーフとマノーリアが新しい薙刀作成の打ち合わせをし、ベルーフはマノーリアの要望をノートにメモをしていく。この世界の武器に対して魔力を込めることで、大技である剣技を扱う事ができる。マノーリアの扱う薙刀は刃に魔力を込めることで剣技を形にしている為、刃の長さを長くすることで込める魔力量を増やしたいのが、マノーリアの要望である。ベルーフがペンをとんとん軽く叩き何か思考しマノーリアに尋ねる。
「マノーリアは穂の長さが同じでも魔力量を増やせれば今の長さがいいのかな? それとも剣技だけでなく通常時も今よりも穂を長くすることを考えている? 」
「わたしは穂を長くする前提で考えてます。下級魔族でも大型だと2手あたえることも今まであったので、一手で倒せる相手は一手でしとめられる攻撃力が欲しいです」
「なるほど、それじゃ俊敏さも必要だね。軽量も検討して…… マノーリアの頻繁に使う剣技は大技が多いよね? 」
「はい、単体の剣技もあるのですが中衛で遊撃を務めると範囲攻撃の剣技を多様しますね」
「確かにその分前衛の僕や梔子が助かっているんだけどね。最近じゃチョウノスケも加わって前しか見てないからね彼女は」
ベルーフが少し冗談交じりに笑いながら話す。マノーリアは葵のように突き剣の技でなく、斬り払う技が多く周囲の敵を一掃する事が可能だが、単体の的には無駄が多いのも事実だ。相手が大型であれば的が大きい分、攻撃が有効となるものの、小さな相手には不要な攻撃となる。無論、単体相手への剣技はあるものの、隊での中衛の立ち位置やベルーフや梔子のような前衛がいる為、遊撃を務め全体を見る事が多いマノーリアは、複数の敵にダメージを与えられる技を得意とする。前衛のベルーフからしてみれば、マノーリアや葵が中衛場合によっては前に出てくれ攻撃に参加してくれるので助かっている。鍛治師としてだけでなく仲間としてもマノーリアの武器はマノーリアの望む物を作りたいとベルーフは思いメモをまとめマノーリアに声をかける。
「後は作りながらマノーリアに都度確認させてもらうよ」
「ベルーフさんも疲れているのにありがとうございます。お願いします」
「それは言いっこなしだよ! マノーリア」
「はい」
マノーリアとベルーフの打ち合わせは終わったが、ふたり以外にも工房には、環とカーラスに白檀の秘書のようについっていった里菜以外が集まる。信治が咲と花の武器をメンテナンスが終わると一息つき、マノーリアの後をついてきた葵が、暇を持て余していたので工房の中を漁っているのが信治の視界に入る。
「葵くんあんまりいじらないでね。試作品も多いし誤作動したら大変だから! 」
「安心しろって! 見てるだけだから! 」
「手に持ってるのも試作品なんだけど! 」
「本じゃないのか? 」
信治に指摘された葵は自分の手の中にある本に目を落としパラパラとページをめくる。
「安全装置先につけておいて正解だったよ」
「安全装置? 中はイラストが描いてあるのな~ やっぱ信治絵が上手いな」
本の中には葵も見覚えのあるアニメのキャラクターやメカが、信治のイラストと説明が書かれている。一見信治のイラスト集にしか見えない。しかし、信治の絵の上手さには葵も感心するしかない。
「どれどれ~ ホントに凄いわ! プロになれるレベルじゃない! 」
麻衣が葵の隣にやってきて本を覗き込み、信治に声をかけ、中を互いにアニオタとして認めあっているからか麻衣が誉める分には信治は嬉しいようだ。絵心のない葵の言葉には無反応だったが麻衣に誉められると嬉しそうだ。しかし、これが信治の新たな武器の試作品ということは、葵は不安をいたいたので苦笑しつつ信治に訊ねる。
「信治これが新しい武器なのか? 」
「まだまだ試作で上手くいってにいよ」
「要は今使ってるウェポンブック的なモノか? 」
「そうだね。ジンジャーさんに作った召喚銃とウェポンブックの応用だね」
「は…… 」
「簡単に言えば召喚する感じかな」
「つまりここに描いてあるキャラを召喚するってことか? 」
「まぁ」
葵の嫌な予感は的中した。信治は自分の好きなキャラクターを自分の錬金術と古式召喚魔法を応用して召喚を試みているのだ。
「さすがにまだ試作段階で実戦で使える訳じゃないよ」
「信治さー ウェポンブックでそういうの充分じゃない? 」
「だって邪神がかなり強いならどんな手を使っても良くない」
「そーなんだけど信治が強い武器作れば良くないか? 」
「だーかーらー 強い武器作って強いキャラ召喚するの! 3次元に大好きなキャラが現実に現れるなんてワクワクしかないじゃん! 」
信治は葵が持っている本を指でトントンつついてあくまでも武器ですと引き下がらない。隣で聞いている麻衣もワクワクしている。葵は言っても伝わらないと思い盛大にため息をついて肩をすくめて口を開く。
「なんか他力本願だな~ 」
「えー そう? 日本にはこんなに強力なキャラがいっぱいいるなら手伝ってもらった方がいいじゃん。ここ異世界だよ~ 」
「異世界だからってなぁ~ 信治転移したばかりは自分が勇者だとか言ってたんじゃないか? 」
信治が葵に逆に肩をすくめてため息をついて口を開く、その態度に葵は若干イラつきを感じるがまだ許容範囲だ。
「僕も成長したんだよね~ 使えるものはなんでも使う他力本願だろうがなんだろうが邪神を倒す! それが僕たちの仕事だよ! 」
「そ、そうか…… 」
葵は信治が方向性は間違っている気がするが、邪神を倒す強い思いのようなので諦めた。信治はやっと葵が引き下がったので麻衣の武器のメンテナンスをはじめる。ベルーフもナズナの武器をメンテナンスしている。皆が邪神の力を知り、いても立ってもいられずに自分の武器を見直し強化するのであった。
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