41-1日の始まりは朝食から
朝の日差しが窓から差し込み目が覚める。葵は身支度を済ませ1階の食堂を覗くと柊が朝食の準備をしている。
「おはようございます!柊さん」
「おはようございます。葵さん。良く眠れましたか?」
「ええ、おかげ様で、昨日のお酒つきあってもらったのも楽しかったです。」
「少し恥ずかしですね。酔った勢いで軽はずみな発言が多い気がします。」
「俺は気にしてないので大丈夫ですけど…ちなみに朝食まで用意してくれるんですか?」
「ええ、そうですよ、朝はしっかり食べないと」
「いや、自分達でやらせて良いんじゃないと」
「なかなか難しいみたいですね。最初は萌さんも信治さんも朝は食べないから良いと言っていたので、食事の事も気にしてあげないと、1日の食事が偏ったりしていたので」
「そういう事か…じゃあ手伝います。」
「いえ、大丈夫ですよ」
「俺はそこそこ料理得意なので」
「カレーライス美味しかったですものね。」
柊と準備していると萌がおりてくる。まだ眠そうで声が出ていない上にいように低い。
「お、おはよございます。ふたりは朝から元気だね」
「おはよ、萌、その声何?おっさんみたいだぞ」
「葵くん、水ちょうだい」
「ほら、後このお茶飲みな」
「ありがと、に、にがっ!何これ?」
「目が覚めるだろ?カヒってお茶だよ。その苦さもすぐに癖になるよ。俺は好きで毎朝飲んでる。」
「葵さんは、珍しいお茶を飲まれているんですね。かなり苦いので有名ですよね、カヒ茶は」
「途中の宿で、たまたま宿の人にごちそうになって、そこから毎日飲んでます。他のお茶より朝はこれが好きです。」
「目が覚めたのはありがたいけど、葵くんがバカ舌なのがわかったよ、良く飲めるねこんな苦いの」
「どこで、萌さぁ朝食自分達で作らないのか?柊さん達に作ってもらって、楽なのはわかるけどさ」
「ホントに感謝だよね~わたし料理とか苦手で…あっちでもお母さんにおまかせだったからって葵くん上手くない?」
柊と手分けして作っていたが、葵はサンドイッチを作っていた。
「上手いも何もパンに挟んだだけだよ」
「葵さんはお料理上手ですよ、包丁の使い方や手さばきを見ればわかります。」
「なんか負けた気がする~もう少しお料理覚えておけば良かった」
「萌さんがそのおつもりなら教えますよ」
「ホントに!柊さんありがとう」
そんな話をしながら準備をしていると玄関のドアが開き人が入る気配がした。
「おはよ~」
「おはよございます」
「おはよ~マニーちゃんクーちゃん!早いね」
「おはよ萌ちゃん。朝食はせっかくならみんなでって昨日話になってお邪魔したの、柊さん忙しいのにありがとうございます。」
「いえ、葵さんも手伝っていだいたので気になさらないで下さい」
「葵さん?」
「おはよ~マニー、クー」
葵がマノーリアと梔子に挨拶するとマノーリアが葵の横に来て目が座った笑顔で尋ねる。
「柊さんともだいぶ親しくなられたのかな?」
「夕べ、結局みんなで飲んだからね。信治はあの様だけど…」
葵はソファで未だに寝ている信治を指で指す。
「ふーん」
マノーリアがつまらなそうに返事をする。その話を拾った梔子が羨ましそうに柊と萌に尋ねる。
「なんだ~柊さんと萌ちゃんも一緒なら飲みに来れば良かった。てっきり、葵と信治のムサイ男ふたりでつまらない話をして飲んでるかと思った。」
「ムサクテ悪かったな!」
「皆さん、できまきたよ~」
テーブルにサンドイッチとサラダとフルーツそしてスープが用意された。葵は柊が作ってくれたスープから口にする。野菜がたくさん入ったスープの色は、茶褐色で味噌汁にも近い作っている時に柊と話していて、発酵させた調味料と言っていたので、近からず遠からずなのだと葵は思った。スプーンでスープだけすくい一口飲む。
「旨い!柊さんこれ出汁は魚ですよね?」
「葵さんは舌も冴えてるのですね正解です。良くわかりましたね」
「日本も魚の出汁良く使いますし、こっちに来てラストスタンドやビナスゲートは野菜出汁か動物系の出汁の味がしたので、なんか懐かし味がする。萌、味噌汁に近くないか?」
「うーんそう言われればそんな気がするし、そうでもないような?」
「バカ舌は萌の方だな!」
信治が皆の声で起き出す。
「お、おはようございます」
「信治さん顔洗ってきたら?」
「そ、そうだね」
信治は柊にタオルを渡されて洗面台に向かう。その信治の顔はなんとなく勝ち誇り、おそらく新婚カップル妄想をしている。葵には父親の再婚相手と中学生にしか見えない、その設定の方がエロいなとかどうでも良いことを考えている。マノーリアが半眼で葵に尋ねる。
「葵くん今、エロい事考えているでしょ?」
「マニーの想像の遥か上を行くエロい事を考えたと思う?」
「マニーちゃんそんな事わかるの?」
萌が驚いたと声にすると梔子が萌に忠告する。
「萌ちゃん気をつけて!葵は相当の変態よ!」
「そーなんだ」
「簡単に納得するな!」
「そんな変態な葵くんをマニーちゃんは好きなんだ?」
「へっ!なんでわかるの?」
「わからない方がどうかしているよ~」
萌はサラダをパリパリと音をたてながら咀嚼する。マノーリアは顔を赤くしてモジモジしている。
「マニーちゃんは案外、恋愛偏差値低いんだね~見た目からだと、男を手玉にとりそうだったけど~かわいい~」
「うちのマニーかわいいでしょ♪」
「クー!も萌ちゃんもからかわないで!朝食食べて稽古するわよ!」
騒がしい朝食を済ませて、各々準備をして萌とは玄関で別れを告げる。柊が梔子とマノーリアに依頼する。
「信治さんの装備は梔子様とマノーリア様にお願いできますか?」
「それはかまいませんよ、クーの方がその辺は詳しいでしょうから」
「任せて!柊さん。それと、信治!先に言っておくけど、変なわがまま言わないでよ!」
「わかってるよ」
「まぁ~一度本人が試してクーの言ってることを実感するのもありかもね」
5人は信治の基礎体力向上騎士団演習場へ向かった。
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