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【祝! 完結】STRAIN HOLE ~よくあるフツーの異世界でフツーに騎士になりました。だってフツーでもそこそこ楽しめますよね? ~  作者: 橘 弥鷺


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415-最強の盾の最後

 砂埃の中に大きな人影が葵の視界にも入ってきた。数メートル先を滑るように走るデイトは既に剣技を発動させるかまえだ。その瞬間にデイトは速度を更に加速させて前方の人影へと斬りかかる。葵にもその人影がカーンであることが認識できる距離にまで近づく、カーンの大盾は葵たちの猛攻と萌の放ったWBHの主砲によって一部にヒビや溶けたような破損は見られるがいまだに健在のようだ。カーンはデイトの剣技をその大盾で防ごうと身構える。


「ぐぅぅぅぁぁ!! 」

「葵さん! 続いてください! 」


 カーンはデイトの大剣の剣技を防いで見せたが大盾に更に大きな亀裂が入った。


「ディスピア!! 」


 葵は急所突きの剣技を放ってカーンへと飛び込みカーンも葵の存在に気づいており、破損した盾をかまえる。


「グルル」


 魔族化し言語を失ったカーンがうっすらと笑ったように葵には見えた。葵のブロードソードは大盾を貫通し大盾を破壊しカーンの鎧の胸元も貫いたものの心臓までは届かなかった。カーンはそのまま葵の右手をつかみ葵を拘束する。その瞬間鋼の鞭がカーンと葵を貫く。


「ジ、ジンジャーお前…… 」


 カーンの大きな体に身を隠し、目元に仮面を被ったジンジャーがカーンを犠牲に葵をウィップソードで貫いたのだった。そのジンジャーは


「盾として不要になったが、いたしかたあるまい。最後に良い仕事をしたなビースト」

「葵くん!! 」


 マノーリアが葵を助けようと薙刀をかまえて突進するが、自分を盾にしたジンジャーを護るようにカーンが割って入る。デイトと梔子も一斉に飛び込むが、カーンが梔子を蹴り飛ばし、デイトの大剣を腕で防ぎカーンの腕がゴトリと地に落ちる。カーンが悲痛な顔をするが、先ほどまでの魔族特有の殺意にまみれた瞳でなく、葵たちが知るカーンの表情を見せ言語を失っていたカーンが久しく言葉を放った。


「理由はどうあれジンジャー孃を護る! お前らジンジャー孃に手を出すな! 」


 カーンはそういい放ち、葵を片腕でマノーリアへと放り投げ更にカーンがジンジャーへと振り向き仮面に手を伸ばす。


「お嬢から離れろ! ジンジャー孃聞こえるか!! しっかりしろ! 」


 カーンはジンジャーの顔から仮面を引き剥がそうと仮面をつかんで剥がそうとするが、ジンジャーことマスクも抵抗し、カーンへとウィップソードを突き刺す。


「やめろ! ビースト! 貴様! 」

「うらぁぁぁ!!」



 カーンが更に力を込める。立っていることが不思議なくらいの重傷のカーンの懇願に近い叫びが届いたのか、ジンジャーの顔から仮面が引き剥がされ、そのままカーンは自分の顔に仮面を当てる。


「ふざけたマネを! 半人半魔風情が! 」


 カーンにマスクが宿ったのかカーンの口調が変わるが、足元に落ちている大盾の残骸を片手で拾い上げた。


「まだ残っているな…… 守星調査隊の皆よ後は頼んだ! ジンジャー孃を救ってくれ! 」


 カーンはそう言って大盾をかまえ盾内に残っているビットとマイクロミサイルを射出して自分へと攻撃の指示を出した。ビットとマイクロミサイルは躊躇なく自身の主であるカーンへと一斉に攻撃し周囲を爆風と爆炎が立ち込める。


「ぐああああ~!! クソが! 」


 カーンに憑依したマスクが罵詈雑言を良い放っていたが攻撃の中でカーンの顔に貼りついたマスクが粉々に粉砕されるとカーンは言葉を失うと同時に膝を崩しその場に倒れこんだ。


「カーン! 」


 梔子と麻衣がカーンへとかけよるがカーンの体は焼き焦げ既に死んでいることは誰の目にも明らかだった。葵を抱き抱えていたマノーリアがジンジャーの元へ歩みより、ジンジャーを容態を確認する。


「ジンジャーさんは気を失っているだけのようね…… 」

「マニー、葵は? 」

「問題ないと思う気を失っているだけ、急所は外れていたから、ヒールで傷は癒えたから…… 」

「ならよかった…… 」


 梔子がマノーリアに声をかけるが、ふたりともにその言葉はいつものような言葉の交わし方ではなかった。目の前でカーンが自分を犠牲になり、ジンジャーを救ったのだ。皆少なからず無力感のようなものを感じている。空を見るとWBHが戻ってきている。萌が気を利かして迎えに来てくれたのだろう、少しずつ降下してきている。デイトが横になり気を失っている葵を見る。


「マノーリアさんは魔族の血液の感染症をご存じですか? 」

「魔族の血液による感染症ですか? いえ…… 初めてお聞きしました」

「治療師でもあるマノーリアさんが知らないのであれば仕方ありませんね。葵さんをすぐに船へと連れていき精密検査を行いましょう。この傷口と気を失っている事を考えると少し気になります。葵さんに宿る女神の加護にもすがりたいところですね」


 デイトが葵の傷口を皆に見せる。マノーリアが手を口に当てて驚き声をあげる。


「さっき確かに傷口が塞がるのを確認したのに何故? 」

「ジンジャーさんに憑依していたあの仮面がウィップソードでふたりを貫きました。その時にカーンさんの魔族化した血液が葵さんに感染したのでしょう。早めの治療が必要です急いで帰還しましょう」


 葵の傷口は予想以上に重傷であり、デイトの説明によれば魔族の血液による感染症であるようだ。果たして葵はどうなってしまうのか。

お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。

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