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【祝! 完結】STRAIN HOLE ~よくあるフツーの異世界でフツーに騎士になりました。だってフツーでもそこそこ楽しめますよね? ~  作者: 橘 弥鷺


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410-極点

 道化師の魔族を倒し一週間が経過したが、その後発生せず、魔王メフィスト配下の道化師の魔族によるモノと断定した。束の間の平穏であったが魔族はそうそう葵たちを休ませてくれないようだ。葵たちは朝の日課である剣術の訓練を終えて、退室へと戻るとロスビナスシティで会うのは珍しい客が訪れていた。


「皆さん訓練お疲れ様です」

「サヨリ様、マーレ何かあった? 」


 葵がその姿を見て声をかける。海創成の神眷属神サヨリとサヨリの代行者マーレが訪れていたのだ。


「急を要することではないのですが情報共有しておいたほうが良いと思いまして、サヨリ様が邪神信仰軍の動きを感じとったそうなので」

「ええ、場合によっては我々はそれを追うことになるでしょ? わたしたちが不在の間はマーレさんたちに防衛を一任することになるので同行してもらったのですよ」


 マーレとサヨリがここに訪れた理由を話す。デイトがサヨリに声をかける。


「それで、ワァプラたちに動きがあったのか? 」

「ええ、海上に魔艇を4隻出たわ、その4隻共に進路は極地へと航行中ね」

「極地…… わざわざ魔王を倒しに向かったのか? 軍司ワァプラがそんな事を行動に移すのか? 」

「いずれは攻撃に来るであろう魔王軍を地の利を活かさずに攻め込む理由があるのでしょうか? 」


 デイトとサヨリが疑問符を浮かべる。ふたりの疑問に思うの当然である。本来優先する攻撃対象は自分たち人間であり、わざわざ魔王を倒しに辺鄙(へんぴ)な極地に向かったところで、ワァプラたちに得がない。白檀が声をかける。


「考えてもしかたないだろう? 魔族にも事情があるってことさ、で、どうする? オレたちは」


 環が顎に指を当てて思考する。


「極地へと向かうのであれば放っておくのもひとつですよね…… 魔族同士の争いに首を突っ込む必要もないでしょうし…… 極地であれば人々や在来種の生物もいませんよね? 」


 環も今回の件は守星調査隊の出番はないと考えているようだったが、眷属神たちの意見を参考にしたいようだ。カーラスが最初に口を開いた。


「強いて言えば極点の防衛は念頭に入れても良いかもしれません。ワァプラ軍もメフィスト軍も極点を攻撃するつもりはないと思いますが」

「極点? 何かあるんですか? 」


 葵がカーラスの発言に質問をする。葵からすれば極点と言えば北極点や南極点のようなモノの認識だが、地球のそれには特にそこに何があるわけではない。デイトがカーラスから引き継ぎ葵に返答する。


「この緑星の自転の初期動力と自転軌道調整を行う宝玉(コア)が地底に埋め込まれています。その為の陸地なので、女神も南北の極地には生物が住まう環境を作らなかったのです」

「そんな簡単に破壊できるモノなんですか? 」

「できないとは言いきれませんが簡単ではありませんが、邪神が復活し星を破壊することに目的を変更するならばやりかねないかもしれません。ただ魔族の思惑はこの星を生きたまま朽ち果てるのが目的でしょうから、今はコアの破壊ではなく、メフィストを倒すのが目的でしょうね。コアの存在は魔族も知っていることなので、防衛するに越したことありません。しかし、メフィストたち魔王軍が城を築いた極地から更に奥となるので、邪神軍に侵攻され奥に敗走するといった行動をしなければ、我々が極地に向かい刺激するのも魔族たちにコア破壊の目的を持たせかねないので悩みのところですね」


 デイトの言葉にカーラスやサヨリも頷く。葵がその様子を見て提案する。


「じゃオレたちはあくまでも極点を目指して、魔族たちに気取られないように迂回するとかで結界をつくりに行くとかですね」

「葵さんの案は妥当な判断ですが、迂回して極点へ向かうとなるとかなりの日数を要することになります。全員で行くのは防衛上厳しいでしょう」

「やっぱりそうなりますよね~ 」


 カーラスが提案する。


「3チームに別れることが良いでしょう。大陸防衛と魔族たちへの陽動、そして極点へと向かうチームであれば迂回もごくわずかな距離で済みます。あくまでも極点へ向かうチームが魔族との接触を避けるだけになりますが、結界さえはってしまえば、そう容易く魔族が破ることもないでしょう」


 カーラスの提案で話がまとまりチームを分けることとなった。


 デイトチーム/極点へ向かう

 デイト・葵・マノーリア・梔子・麻衣・萌


 カーラスチーム/魔族への陽動

 カーラス・白檀・信治・花・咲・ナズナ・チョウノスケ


 サヨリチーム/大陸防衛

 サヨリ・環・マーレ・ベルーフ


 信治がカーラスと行きたがっているので、今回は信治の要望を叶えてやることにし、ベルーフは防衛任務というよりは、ロスビナスシティに残り武具作成に専念してもらうこととなった。白檀が地図を指し示しながら口を開く。


「極点に向かうチームと陽動チームは途中同行し、陽動開始と共に進路を変更。陽動チームはその後魔族の極点への進路を妨害する。大陸を侵攻するための魔族の陽動であることも忘れるな。場合によれば陽動チームは大陸への急速反転し防衛チームと合流する」

「了解」


 守星調査隊の新たな任務は極点防衛の為の結界をはることとなった。

お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。

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