表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【祝! 完結】STRAIN HOLE ~よくあるフツーの異世界でフツーに騎士になりました。だってフツーでもそこそこ楽しめますよね? ~  作者: 橘 弥鷺


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

402/589

401-消える美少女たち

「ラストスタンドでふたり、ストロングシルドでひとり、ビナスゲートもひとり、ストロングスピアがふたり…… ベスパはいつも通り不明で、今回のロスビナスひとりで7人目謎の失踪…… また魔族ですかね? 」


 咲と花が資料を黒板に掲示し、咲が誰とはなしに尋ねる。ストロングスピア領土奪還に成功してから2ヶ月が経とうとしていたが、半月ほど前から、謎の失踪事件が大陸全土で起きるようになった。


「状況的にそう考えるのが妥当でしょうね」


環が咲の問いに代表して答えると、聞いていた白檀が環を見て付け足すように口を開く。


「個人がトラブルとかに巻き込まれてるってのは、いないのか? 」


 環がそれに答える。


「特にトラブルはなかったので怨恨や私的な物はないようです。失踪した皆さんが各国の代表するような騎士や軍士官の女性ばかりで、悩んでいるようすもなく忽然と消息をたったようです」


 何故か女性騎士や女性士官が失踪する事件が起きている。話を聞いていた葵が尋ねる。


「カーラス様、いや、柊さんの時みたいに体を奪われたとか? 」


 それをカーラス本人が否定する。


「悪魔の種子を植えつけるならば本人も気がつかないうちにそうしているでしょう。連れ去るのであればまた別の理由なのでしょう。今までとは違い、現状ですと魔王軍の新たな魔族によるものとも言えるでしょうね」

「デイト様やカーラス様の知らない魔族ならどんな相手か想定するのは無理か? 」

「ウァプラの手の者か魔王の配下かいずれにしても調査は必要でしょう」


 デイトがそう言って一度話が中断する。麻衣が黒板に貼られた行方不明者の資料じっと見て独り言のようにつぶやいていて納得したのか皆に声をかける。


「なんとなくなんだけど、行方不明の被害者マニーに似てない? 」

「えっ!? 」


 いきなり自分の名が出て変な声を漏らすマノーリアだったが、梔子がケタケタと笑いながら麻衣に返答する。


「麻衣ちゃんうちのマニーの人気知ってるでしょ~ 騎士や剣士ならマニーの装備を参考にしてる人多いと思うよ」


 ロスビナス皇国の広告塔として、皇女環は元より、騎士長マノーリア、斥候隊長梔子、騎士団団長白檀は大陸全土でも有名人である。マノーリアの騎士としての実力と品位は好感を持つものは多い。葵も黒板に歩みより行方不明者の資料を眺める。


「みんな髪はロングで年齢が17歳から21歳の女性…… 細身で165センチ前後の身長か…… 」


 行方不明者の女性は皆美少女であることは間違いないと葵も思うがマノーリアに似ているかというと、系統は近いが顔が似ているとかそっくりってわけじゃない。皆髪色や瞳の色は希少なマノーリアと同一の者はいないのは当然だ。


「まぁ そうなんだけど雰囲気とかタイプというかまぁみんな美人な娘よね~ なんの人集めかしら? 」

「人集め? 魔王がハーレムつくるとか邪神の生け贄(いけにえ)とか? 」


 葵がつまらなそうに麻衣に返答する。


「演出的には必要よね。美少女が生け贄になるとか」

「マニーもだけど行方不明者の情報的には麻衣もさらわれてもおかしくないけどな」

「実際にあると考えると怒り以外こみ上げないわね」


 環が話をまとめるように口を開く。


「現段階の情報ではなんとも言えませんね。女性陣はみなさん気をつけて下さい。当分は結界内ですごすかひとりにならないように気をつけましょう」

「ここの面々を単独でさらいに来る魔族がいたら会ってみたいものだな」


 白檀が肩をすくめて苦笑する。葵が白檀を諌めるように声をかける。


「サーベラスはそれをやって見せたのだからシャレにならないですよ。ジンジャーとカーンは未だに行方不明だし」

「あいつらと今回のは明らかに違うし、サーベラスは堂々と連れ去っていくだろうさ、それにジンジャーとカーンはすぐさまにサーベラスに操られていた。正確に言うとジンジャーは仮面でカーンは石だな」

「寄生されたのと毒みたいなもんですね。確かに今回はまだ原因はわからないか」


 環が白檀と葵のやり取りを聞きながら声をかける。


「今回は安全をきす為に男性陣メインで調査をお願いしたいのですが」

「別にどこにいても一緒じゃない? 」


 麻衣が問題ないと環に反論するが環が更に補足するように話を続ける。


「ロスビナスシティはサーベラスの襲来以来結界を強化しているので他の街に比べれば安全なはずです」

「今回は野郎だけで調査をするか」

「ベルーフと信治は良いのか? 」


 白檀が承諾し葵は信治とベルーフに声をかける。ふたりは当分の間後方にて軍備増強に手を貸すことを決めたばかりだ。ベルーフが口を開く。


「問題ないよ。緊急性が高いわけではないからね。ドワーフの職人たちも何人か来てくれることになったし、信治も大丈夫だよね? 」

「うん、打ち合わせは済んでるし僕がいなくても他の人たちが進めてくれるから、戻ってから僕がやるところはやれば問題ないと思うよ」

「じゃ大丈夫だな。で、団長最初に何をしますか? 」

「うーん 聞き込みか? 」

「団長ノリで言ってましたね」

「葵が自分でもさっき言ってただろう。原因がわからないって」

「ですけど、聞き込みをしてたら何年かかるかわからないですよ」

「しかしな…… 調査のしょうがないよな…… 」

「罠を仕掛けるってのはどうですか? 」

「罠? 」


 白檀がおうむ返しをすると葵がニヤリと笑い主人公とは思えない悪人面を見せるのであった。


「葵たまに物凄く悪いやつみたいな顔するよな」

「演出ですよ演出」

「どうだか」

お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。

いいね、ブックマーク、評価、感想、レビュー何かひとつでもちょうだいいただければ、励みとなりますのでよろしくお願いいたします。

ぜひ、下の☆印にて評価してただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ