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【祝! 完結】STRAIN HOLE ~よくあるフツーの異世界でフツーに騎士になりました。だってフツーでもそこそこ楽しめますよね? ~  作者: 橘 弥鷺


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39-接続の副作用

  1時間程が経過し環とマノーリアが目を覚ます。ふたりとも体調は問題ないようだ。マノーリアは起き上がり、まだ眠そうな感じでいるが梔子から目覚めのお茶を受けとる。環がソファから起き上がり、あくびを手で隠しながら側にいる皆に尋ねる。


「信治さんは魔力を取り込めましたか?」


 デイトが代表して答える。


「成功です。後は使用する魔法をデバイスへ入れれば、それは柊さんにお願いしております。」


 環もお茶を受け取りコクりとのみ、成功したことに安堵する。環が信治に尋ねる。


「信治さん、魔力を感じられますか? 後、体調に問題はないかしら? 」

「は、はい、な、な、なんかすごいです。なんか、柔らかいし、いい匂いだし、今まで悩んでたのがウソみたいです。元気出てきました! 」

「???? 」


 信治の発言に皆が大丈夫かと首をかしげる。柊が信治の肩を軽く叩いて微笑みながら、優しい声音でささやくように信治に声をかける。


「クスッ…… 環様は魔力の事と体調の事をお聞きになられてますよ」


 信治は柊を見て赤くなり、恋する乙女のような顔をしている。我に帰り環に質問の返答をする。


「あ、あー、魔力感じます。なんか、か、身体の中に動いているの感じます。た、体調も大丈夫です! 」


 葵は、信治の態度を見て男だから仕方ないと思う。完全に魔力よりも、柊との接続に思考が持っていかれている。今まで女性とそのような行為をするどころか、会話や隣に座ることすらなかった信治が、美人なお姉さんに濃厚なキスをされたわけだから、柊は職務の一環と言っていたが、信治は間違いなく柊の虜になる可能性が高い、柊の言うことなら素直に聞くに違いない、再接続かプラグインへの過度な期待に思考がいっぱいになっているだろう。残念ながら次はもうないよと教えてあげた方が良いのか、そっとしてあげた方が良いのか、葵も迷うが、手綱を握れる人がいれば安全と判断し、そっとしておくことにする。葵は心中で信治がストーカーにならないことを祈ると同時に、男って単純だな…… 自分もそうだけどと、信治が少し晴れやかな表情を見て思う。調子に乗った信治がバカな事を言い出す。


挿絵(By みてみん)


「そっかー最初のイベントはこれだったのか! これで、異世界生活がやっと始まる。ハーレムかな?チートスキルかな? 伝説の勇者かな? 魔法使えるようになったし魔導師とか? せっかくなら大剣使う方がカッコいいよな~、葵くんみたいな貧弱な剣じゃなくて、ばかでかいやつだよな~ フフフフ~ 」

「葵くん、信治くんが訳のわからないこと言ってるけど…… 魔力のせい? 」

「これは、柊さんとの濃厚な接続のせいだろうな? 」

「バカ信治! 調子に乗るな! 」

「文月さん! もう、僕をバカ呼ばわりできないよ~ 僕はこれから葵くんみたいな()()()()()じゃなくて、勇者になるかもしれないからさ! キミも僕の魅力に気づく時が来るんだよ~なんなら今からでも僕はかまわないけど? 」

「はぁ? 葵! 信治の事ぶん殴って良い? 」

「なんかすみません。梔子さん。キャラ変わるほどお怒りなのは、ごもっともですが、皇女様の御前なので…… 」

「なんで、葵くんがクーに謝ってるの? 」

「日本の恥というか? 見てていたたまれないので、柊さんにしかコントロールできないと思う。柊さんお願いします! 」


 柊が信治の耳元でクスッと笑いながら何か囁く、すると信治がピタッと行動と頭の悪い言動をやめるが、信治の表情は何かに勝ち誇った顔している。葵が柊の横に行きなんて信治に言ったのか聞き出す。すると柊は「あまり他の女性にまで魅力を振り撒くとすねちゃいますよ」と伝えたらしい、葵は真面目で実直で品位があると思っていた柊だが、実はドーテーキラーのエロいお姉さんなのではないかと目を点にする。この大人お姉様容姿で"すねちゃいますよ"は完全に反則だ。信治が柊の虜になるのは確定だと葵は確信する。葵はやっぱり今日は近衛騎士宿舎で寝ようかなと後悔する。信治が決断しても本質的なものがそう簡単に変わるものでもないと思った。そんな葵に信治が更に疲れるような発言をする。


「葵くん、今日は朝まで飲もうよ~! こっちの世界はもう成人なんだし! 語りつくそうよ」

「お前飲んだことあるのか? 」

「飲んだこと? そんなヤボなこと聞くなよ~ これからは旅の夜に毎晩飲み明かすわけだからさ! 」

「そうだな~俺もなんか強い酒飲みたくなってきた…… 」


 葵はマノーリアと梔子に目で助けを求めたが2人にも逃げられ、男ふたりで街に出ることにしたが、信治の様子から酒を飲んだことはないだろうし、信治の妄想恋愛話と異世界での妄想勇者伝説を聞くのもムカついてきたので、店で酒とつまみを買い部屋飲みする事にした。信治が部屋飲みに文句を言っているが無視する。談話室の1人がけのソファに葵が座り、信治に2人がけソファに座らせる。テーブルに買ってきたつまみと酒を置き、グラスに氷を入れる。葵が買ってきた酒はこちらの世界で定番の蒸留酒と果実酒だ。ウイスキーとワインに近いが両方とも炭酸が入っているので、ハイボールとスパークリングワインに近いが、アルコール度数は葵の基準だと両方とも高めだ。


「こっちの世界の定番の酒だ。毎日飲むなら慣れなきゃな! 」

「お、おう! まぁ~ 勇者なら酒くらいたしなみだからな! かんぱーい! 」


 信治はグビグビと一気に飲みほす。


「う、うまい!?…… 」

「今、コーラの方がうまいと思ったろ? 」

「お、ほ、もぉーてーなーいよー」


 信治はソファに沈む。


「そのまま朝まで寝てください。やっと静かに飲めるな…… 」


 葵はニヤリと笑い1人の酒を楽しもうとしたが、目の前の信治がテントを張り始めたのでテーブルの方へ移動する。


「酒飲ませてなかったら、こいつ猿になってたな…… 」

お読みいただきありがとうございます。

引き続き次話をお読みいただければ幸いです。

よろしければ、評価とご感想をちょうだいいただければ励みとなりますので、よろしくお願いいたします。


冬童話2021投稿用に、連載中のSTRAIN HOLEの世界とキャラクターを使用して短編を書いてみました。

本編を読まなくても、完結するように書いておりますが、時期的なものや状況は本編とリンクさせておりますので、合わせてお読みいただければ、より楽しんでいただけるかもしれません。


【短編】姉妹のさがしもの

https://ncode.syosetu.com/n0703gs/

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