表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/12

第一章 7 春 『朝帰りニコライ』

 

 ニコライの帰宅は思ったよりも遅かった。

 

 一夜明けた今日。

 玄関先でガチャリッと扉の開く音がしたと思ったら、ペタペタという裸足で床を歩いてくる音がして、死んだ魚のような目をしたニコライが居間にやってきた。

 

 そして、

「天使だって信じてもらえなかった……」

 ニコライがポツリと寂しそうに呟いたかと思うと、そのまま布団の中に潜り込み、うんともすんとも言わなくなってしまった。


「お、おい。大丈夫か?」


 俺はそんな彼に声をかけるのを躊躇いつつも、恐る恐る布団をポンポンと叩いた。

 しかし、ニコライは何も言わない。

 

 それどころか、

「うぅ……うぅぅ……」

という、嗚咽をもらすような声が布団の中から聞こえてきた。


「な、泣いてるのか?」

「………………」


 ニコライは黙るばかりだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ