表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ある少女の決意

作者: pizmo

これは実話に基づいた物語です。

「また〇〇が囲まれているよ」

そう言って友人が校門を出た先にある小さな公園を指さした。

同じ学年の〇〇が女子生徒十数人に囲まれ、罵声を浴びていた。


こんな光景を何度見たことか。

「あそこまでやらなくてもいいのにな」

ポツリと呟いて友人と逃げるようにその場を離れた。


ここは、とある郊外の規模の大きな中学校。

生徒数は全部で1000人くらいで、ひと学年350人いる。


〇〇は小柄で成績は良くなく、友達もほとんどいない。

いわゆるいじめられやすいパターンの女子生徒だった。


トラブルがあったとか、いじめられる要素があったわけではない。

本人に全く落ち度がないのに不本意ないじめを受けていた。


その当時はいわゆる校内暴力が大きな社会問題になっていた。

当然ながら他にも大なり小なりのいじめがあり

中には不登校になってしまう生徒もいたようだ。


そんなわけで、〇〇がいじめを受けているところを見かけても

見て見ぬふりをしていた。他の大部分の生徒と同じように。


普段の〇〇は、からかわれたり避けられたりしてはいたが

自分から話しかけたり目が合うと微笑んだりしていた。

でも巻き込まれたくないから誰もが無視して、いつもひとりだった。


こんな状態が3年間続いた。


卒業式の前日の全校生徒を校庭に集めての朝礼。

校長先生が卒業生にありがたい言葉を投げかけていた。

もちろん、そんなの聞くわけもなくザワザワしていた。


「卒業生の中に3年間無遅刻無欠席の生徒が3人いる」

と言って、その3人を讃えるために名前を読み上げた。


その中のひとりに〇〇がいた。


その瞬間、ざわついていた校庭が一瞬静かになった。

「すげーな」そんな声があちらこちらから聞こえた。


一方的な負け戦のような中学校生活だと思われたが

勝ったのは〇〇だったのだと思う。


ちなみに、〇〇は進学はしなかった。

すごい人だったのだなと思いました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 実話なところが凄いです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ