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さよなら天使


「上位天使が多数、大天使が三、他の天使十が一、千利休さんによって殺されてしまいました…」

「や、大和さんが…一体なぜ…」


 大和さんがヒモにしばられて、暴れまわっていたら、ポケットから携帯が落ちてきました。


「携帯……? そうか!そういえばあの時大和さん悪魔さんと会うって…」


私は急いで冥界外へ出て、大和さんが会ったと思われる悪魔さんにメールで会う約束をしました。


「待ってて下さい…大和さん、すぐに助けてみせますから……」


 私は大和さんの携帯を持ち、待ち合わせした場所へと向かい会いにいきました。

目的地は、ちょうど、大きい岩があった場所で、天界からも見えるほどの大きい岩だったので、地獄から見えるとも思い、そこを待ち合わせにして会う事にしました。

最初に来た時は真っ暗でしたが、 今現在朝の六時、どうやら冥界外にも朝と夜があるように、夜は明るく朝は暗いようです。




待ち合わせ場所についたところ、悪魔さんの姿が見えました。


「どうもはじめまして、メールは見ました、 今すぐお会いして、直したいのですが、どうかその場所へと、案内してくれませんか」

「は、はい! とにかく大和さんを治して下さい!」


 私が頼ったのは悪魔さんでした、悪魔の姿になった人間の治し方は、悪魔さんが一番詳しいかと思って聞いたのですが、見事にビンゴでした。

そして、私は急いで、悪魔さんを私達がいる場所、大和さんの場所へと、連れて行きました。

すると、そこには呆然とした、天使さんの顔が見られましたが、今は説明してる暇もありません。


「お招き頂きありがとうございます」

「悪魔さん、大和さんはこの中に…」

「はいはい、そうですか、それでは、皆さ~ん♪ 門を破壊してくださいー♪」


すると、次の瞬間大量の悪魔が続々と現れ、門の目がけて歩いてくるのです。


「あ、悪魔さん…? これは…医者の方ですかね?」

「フフフ…お気づきになりませんか?」


すると悪魔達は私達を素通りし、門の方へと向かってゆきました。


「おらおらっ!!!ぶっ壊せ」


その掛け声と共に門が破壊されてゆきました。

ど…どうして…。


「皆の者!全力で門を防衛せよ!」

「おーっ!!!」


天使さん達は数が圧倒的に少ないにも関わらず悪魔さんの方へと向かってゆき、門の破壊するのを全力で止めにいきます。

「ウフフ…いやぁ、素敵ですね、まさかこんな簡単にうまくいくなんて」


え………?


「かわいそうに、私達《悪魔》を信用したあげく、門を破壊される原因があなたになるなんてね…まさか私も想定外でしたよ、あなたがメールしてくれたおかげでここにたどりつく事も出来ました、感謝しますよ…ふはははははぁ…ふはははは」


それは本物と思えるくらいの悪魔の不気味な笑い声…凄く気味が悪く悍ましい笑い声でした…。


「あ、あなたがこれをするように指示したんですか…」

「はぁ…?まだ分からないんですか、僕以外誰がこんな事をするんですかねー?」

「………」

「おや?無言ですか?さてそろそろあなたも頂くとしましょうかね」


私は身体が震え、身動きもとれず悪魔さんは私の首を噛もうとするのでした。

私のせいだ…私が…私が…。


「それでは!頂きまぁー…ぐはぁっ!」


それは悪魔が私を食べようとした時でした、悪魔の体は思いっきり地面にたたきつけられ、私はどうやら命を救われたようです。


「あ…あなたは…大和…さん?」

「おい悪魔、お前が俺達に加えた罰は重い…クールに散ってもらうぞ」


倒れこんだまま悪魔は口についた血を拭きとった。


「ひ…ひいいいいい…や…野郎ども、こいつを殺せ…!」


悪魔は天界門を見ますが、そこにいた悪魔は皆無でした。


「そ…そんな…」

「お前の仲間は全員浄化させてもらったよ、この浄化銃でな…」


すると大和さんは、袖の中から浄化銃をだし、悪魔さんの方向に銃を向けました。


「や…大和さん…どうして元の姿に…」


すると大和さんはため息を吐き。


「カミネスが言ってただろ、天界には浄化成分が含まれた空気がうようよ浮かんでるって」


大和さん…無事でよかった…。


「さて悪魔、ここで俺達全員と戦うか、ここでおとなしく捕まるか、どっちか選ばせてやる」


こうして、大和さんを騙した悪魔さんは捕まり、天界の門は無事、修復されたのです。




そして十日後、私は地球に戻るので、皆さんと別れの挨拶をしました。


「や、大和さん本当に戻らなくていいんですか?」

「ああ、俺はいつでも好きなタイミングで地球にいけるからな、俺が戻るのは四年後にしようと思う。」

「よ、四年…それって私が二十歳になるのを待つために…」

「バーカ、四年後には五輪ピックが開催するからその時に戻るんだよ」


まさか四年待ってまで五輪ピックが楽しみだとは…。


「ゆいな様、お時間が来ました」


いよいよ地球に戻る時が来ました。


「帰るにはこの門を通って下さい」


天使さんや大和さんに会えるのもこれが最後ですか、寂しくなります。


「では皆さーん、さよなら!!!」


私は門をくぐり抜け地球に戻りました。




あれから四年、それは五輪ピックが日本で開催される年でした。


「ここが五輪ピックを観戦できる場所ですか、初めて来ましたが、人が多すぎて誰が誰だか…ここに大和さんがいるのも確かな事じゃないですし…」


 でも大和さん!!!って叫ぶわけにもいかないので…。

私はせっかくなので次の競技が終わるまで、遠くから百メートル走を見ていました。

するとアナウンスの声が私の放送席まで聞こえてきました。


「第一レーン、北条まさとさん………第六レーン、千利休大和さん」

「へッ!?」


アナウンスの声から聞こえた声は驚きの人物でした。


「ヨーイ」

パンッ!

空高く打ち上げられたビストルに私は戸惑いを隠せませんでした。


「どどどど…どうして大和さんが、観戦の方じゃなくて参加の方だったってことですか…!?」

「ただいまの結果、優勝者は…千利休大和さん、世界最速八秒三です!」

「し…しかも優勝しちゃんですか!?」



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