〜初めての会話〜
『僕はその日天使に出会った』2話目です!!
1話ではたくさんの人に読んでいただきありがとうございました
投稿頻度は不定期ですが一週間に一本は載せてくつもりです
今後とも作品共々よろしくお願いします
( (キーンコーンカーンコーン……))
今日最後の授業の終わりを、知らせるチャイムが鳴り響いた。今日は一日中、常にクラスの人たちから視線を向けられていたため、かなり疲れた。
普段の僕ならやっと家に帰れるって内心舞い上がってるのだが、今日は違った。なぜなら、この後は白花さんと、放課後会う約束をしてしまっているからである。
ありがたい事に、今日はクラス中僕と向日葵の話題で大盛り上がりである。そんな中、いつものように笑っているのは白花 向日葵ただひとり。
(この女は何を考えてるのやら……)
そんなこと思いながら、机に頬杖をつきながら自然に彼女の背中を目で追っていたら、そんな視線に気づいたのか、彼女は突然振り向き、僕と目があった。やばいと思い一瞬目を逸らし、そーっと視線を戻してみた。
何故だ、なぜあの子はあんな笑顔で、こっちに手を振っているんだ……ほらみろ、おかげさまでクラスの男子からたくさんの殺気のこもった視線のプレゼントをもらってしまったではないか。
ここで手を振り返したら確実に男子達に殺される……。
そう思った僕は、手を振り返さず自分の机に顔を伏せた。そして、誰にもバレないよう目線だけを彼女の方に向けたらそこには、ほっぺをハムスターのように膨らまして、ふてくされている天使の姿があった。
(可愛すぎるだろっ、、)
天使の姿を目に焼き付けた僕は視線を戻し、帰りのHRが終わるまで机に伏したまま待機した。
帰りのHRも終わり、放課後……
部活に精を出す人から、遊びに出かける人、勉強する人から素直に帰宅する人、それぞれ自分の好きな活動に向かった後の誰もいない教室で、僕は今天使と2人きりでいる。
まぁちらほら視線は感じるから、どこからか隠れて見ている人はいるんだろうけど…まぁ気にしたら負けだ。
「ごめんね! 急に放課後空けてもらっちゃって、……迷惑だったよね? 」
はじめに口を開いたのは、少し頬を赤く染めた天使の方からだった。
こんな可愛い子から誘われて迷惑に感じる人なんてこの地球上に存在するのだろうか…いや、いるはずない。僕はなるべく普通を装いながら、
「全然平気だよ、それで用って何? 」
これが僕と彼女が初めて交わした会話だった。そしてその後、彼女は大きく深呼吸し、ゆっくりと口開けた。
「あのね……いきなりでびっくりすると思うんだけどね……私ね……智くんがすきなの……。」
それは、目の前の僕がかろうじて聞き取れるぐらいの、いつもの明るい彼女から発せられたとは思えない小さな声で、震える声を必死に押し殺し、やっとの思いで発したものだった。その彼女の声と表情からして、決して嘘や冗談ではない事はすぐにわかった。分かったが、
(いや嘘でしょ!!!????? )
告白とか生まれてされたことない僕は、見事に動揺し、思考能力を奪われてしまった。心臓の鼓動は、相手に聞こえてるのではないかと思うほど強く激しく鳴り響き、身体中からは変な汗がでている。
好きと言われたからって付き合って欲しいとは言われていないし……
思考能力をなくし恋愛をよく知らない僕がその短い時間の間で導き出した答えは
「なら僕と結婚を前提に友達になってください。」
彼女は目をまん丸にして、きょとんとしてた。
それと同時に、隠れていたクラスメイト達が口を揃えて
「は!!? 」
彼女の声が聞こえてなかったクラスメイト達は、僕がいきなり白花さんにプロポーズしたように聞こえたのである。
クラスメイトが僕の方に寄り、様々な事を問い詰めてくる中、当の本人の彼女は、顔を真っ赤にして教室の外へ走り去って行った。
天使からは逃げられ、クラスメイト達からはやばいやつと思われ、完全に僕の理想としていた普通の学園生活は絶対に実現することは不可能になった。それは悪い意味であり良い意味でも……
続く
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では読んでいただき有難うございました。