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蛇足


使用上の注意


 蛇足の使用に当たっては、一度本編を読み終えてからの方が適切と考えられるので、まず本編をお読みください。

 なお蛇足の「行」は本編の該当行の目安で(作者の数え間違いや書式変更などで)多少前後していても広い心で利用していただければ幸いです。

 そしてお知らせですが、この作品に登場する人物、団体、事件などは、実在の物とは関係がありません。また、たまに物理法則を無視する時もありますが、面白さ優先の法則で、これまた広い心で許していただければ幸いです。


 幕間・10


 1行:冒頭。

  話が途中から始まりますが『十二月の〜』の『幕間9』と繋がっている話だからです。新年会の参加者は『正義の三戦士』と『図書室の三女神』、それと『常連組』レギュラーの四人であります。

 15行:御門明実。

  図書室の常連組にして科学部総帥のマッドサイエンチスト。三戦士を差し置いて先に登場するなんて、あなどれん奴。オミクジの結果は事実に基づいた元ネタがあるとか無いとか。

 29行:恵美子は中吉、ただし…。

  でも二年生になったら彼氏ができる予定だと酩酊庵が言ってた。よかったねコジロー。

 45行:弘志の着替え。

  フリフリの衣装じゃ新年会を楽しめないから着替えたと思われる。酔って食べ物などを服に零したときに、洗濯を考えているのかも。するとあのオシャレはお姉ちゃんの物なのか?

 57行:余所余所しい態度。

  理由は『幕間9』参照。

 68行:花子の平。

  究極に平穏なときに出るらしい。和美は見たことがない。

 75行:松田有紀。

  京都方面に実家がある設定なのを忘れていたので、本当は参加しているのに無理があったりなかったり。いちおう三ケ日は圭太郎の家に泊めてもらうつもり、ということじゃダメ?

 88行:左右田優。

  使い方が難しい七人目。いちおう悪魔の誘惑というより、邪神の誘惑の方があっている。

 98行:十塚圭太郎。

  学内を風紀委員と違った立場で見張る監査委員の君が飲酒を勧めてどうする。といった尤もな意見もある。

 112行:不破唯貴。

  酩酊庵が同人に書いた読み切り短編で大活躍|(?)の空楽の父登場。彼の影響で空楽がああなってしまった。(飲酒も忍術も)

 115行:美作昌。

  こちらも酩酊庵の短編で大活躍(笑)の空楽のイトコ。別名『蹴撃の女王』

 136行:ビールなんて水。

  酩酊庵語録にそう記されている。

 166行まで:花子の叩き上戸。

  いや、ほら、この話はフィクションですから決して実在の人物とは関係ないことになっているはずのような気もしないわけでもない(汗)

 196行:セーターの下から覗くピンク色をしたレース地の…。

  レース地のヒートテックだったら笑える。

 213行:ヱビスビール。

  和美の指定銘柄。

 216行:また妖しいクスリを〜。

  前回は何に何を混入して、どんな事件が起きたのやら。

 223行:指折り数える弘志。

  パフォーマンスと願いたいが、本当にそのぐらい事件を起こしていそうだ。

 237行:恋人同士仲良くしなきゃ。

  恵美子は由美子と弘志が付き合うべきだと考えている(確認)

 243行:キスから先〜。

  キス自体は『十月の〜』参照。

 254行:アレとかソレとか。

  アレ=手を繋ぐ。ソレ=朝の挨拶だったら笑える。

 294行あたり:由美子と恵美子の濡れ場。

  この程度で許して下さい。これ以上は無理です。筆力というよりエロいシーンを書く度胸が和美にはありません。

 399行:ちょっとした事が〜。

  『六月の〜』参照。事件の後遺症で睡眠障害を発症しているのだろう。『四月の〜』で安定剤を所持していたりしたし。

 411行:医者っていえば〜。『七月の〜』参照。その後の様子から、入院患者の容態は悪いことが伺える。


 一月の出来事


 タイトル:

  『一月の出来事』です。基本的にこのシリーズは、どんなジャンルの話しでも対応可能のつもりで設定が考えてありますので、今回は“推理物”を装ってみました。眼鏡をかけた小僧が「真実は一つ」と言っているので、真実が一つじゃないうやむやな話しにしてみました。

  副題は伊集院大介が活躍する『優しい密室』から。推理のネタとしてはトリックは易しいので。もちろん優しいのは縞子さんや弘志なんだけど。


★1

 48行:魔法使いはパンチ禁止。

  特撮『仮面ライダーウィザード』ネタ。変身アイテムがベルトだけでなく指輪と組み合わせることによって、変身後のエレメントが変わるという設定だったため、オモチャも指輪が含まれた。そのため後の空楽の説明通り、放送ではパンチが禁止になった。

 86行:財団B。

  最近の仮面ライダーは悪の組織が財団の形式を取っていることが多いため、次々と新しいオモチャを発売し、本気の悲鳴を上げる善い子の保護者と、うれしい悲鳴を上げる大きなお友だちが、発売元のバンダイを差して使う言葉。

 235行:ちょっと肘が〜。

  小説版の機動戦士ガンダムネタだったりする。新しい制服を支給されたシャアのセリフ。

 249行:すぐに送り直しますけど。

  九州から東京までなら、宅配便で即日は無理としても、翌日にはだいたい届くのではないだろうか。

 266行:三つ星極制服〜。『純潔』〜。

  深夜オタクアニメ『キルラキル』ネタですな。生きている繊維でできた制服を着ると、常識外れの能力が使えるようになるという設定。

 293行:『東の清隆。西の白膏』

  もちろん東の青龍と西の白虎になぞらえている。つか和美は最初逆に憶えていて、白膏学苑を都内品川区に設定して、一回書き上げた。終わってから酩酊庵が「逆だぞ」と。慌てて白膏学苑の位置を変更するはめに(泣) 最初は奈良県にしようとしたら、奈良には朱雀高校と、四獣ずばりの名前をいただく高校がありまして、さらに西へ(泣×2) 結局『五月の〜』以来の再びの九州行に(泣×3)

 304行:『南の素ザク』このネタは最初の原稿時に、すでに入っていた。まさか奈良に朱雀高校があろうとわ…。

 305行:民明書房。

  アニメにもなった漫画『魁! 男塾』ネタですな。トンデモ設定を尤もらしく説明するときに便利。

 311行:色々な呼び名。

  『三倍速い奴』は有名ですな。某漫画じゃやられメカのボールですら赤く塗って角をつけていましたから。『深紅の稲妻』はモビルスーツヴァリエーションネタで、赤い高機動型ザクのパイロット、ジョニー・ライデンの別名です。

 360行~:白膏学苑図書委員会

  メンバーを紹介しよう。

  委員長・野原由彦(のはら よしひこ)男版由美子のつもりで作ったキャラクター。もちろん常識人。

  副委員長・佐藤和代(さとう・かずよ)女版正美のつもり。だから真面目に服飾規定を守っていたりする。

  書記・猿渡美智(さるわたり みち)女版弘志のキャラクターは分解して設定した。その内の一人。笑顔の裏で策謀を巡らせるタイプ。

  他に会計の向山というキャラクターを穴がないように設定してある。

 同:白膏学苑側を紹介したので、清隆学園図書委員会のメンバーもさらっと紹介。

  委員長・藤原由美子。主人公。

  副委員長・岡花子。和風美人。

  書記・宇井朋子。委員会に来ない今時女子。

  会計・仲村陽美。宇井とだいたい同じ。

 476行:羽の生えた天使の〜。

  意味不明の空楽のセリフ。彼がこの場を誤魔化そうとして適当に口にしたのかもしれないし、別の事件に関係した出来事かもしれない。

 637行:保健室で消毒ビンの蓋が開いていたような臭い。

  アルコール臭ですな。まさかどこか怪我でもしたか? というほど、この臭いを伴って登校した男を一人、和美は知っている。

 641行:たまにだけだぞ。

  = 割とあるの意。


★2

 11行:美術部に所属するが〜。

  正美が鉄道マニアなのは『四月の〜』の中の会話で判るとおり。

 23行:小判型の窓。

  新幹線の物と思わせておいて、実は飛行機というフェイント。

 26行:由美子のファッション。

 初稿では品川区だったので、家から白セーラーだった。が、行き先変更のため慌てて私服を考えることになった、しかも六月に。よって季節感が無い中での文章になっているかもしれない。

 31行:ボマージャケット。

  第二次世界大戦の欧州戦線で米国陸軍航空隊の爆撃機部隊に所属する搭乗員たちが、高空の冷気とも闘うために着込んでいた革製のジャンパー(爆撃機に暖房は無かった)よって日本の冬ぐらいでは充分太刀打ちできる暖かさを持つ。

 34行:正美のジャケットに描かれた見返り美人。

  まんま『メンフィスベル』ですな。映画にもなった有名な爆撃機の機首に描かれたノーズアートである。

 41行:別の事件。

  『五月の〜』こと。

 71行:成田さん再登場。

  まさか昔のキャラクターがこんな形で復活するとは…。彼がいると金銭的な制限がなくなるので、あまり多用したくないのだが、致し方なく…。彼は『五月の〜』で初登場した由美子の父の懐刀。イメージとしてはドラマ『特命係長只野仁』あたり。

 104行:重量計算がいいかげんで〜。

  事例を一つずつ上げてもいいが、収まらなくなるので止めて、端的に。離陸を失敗したり、燃料切れになって不時着したり、結構多くの事故(死亡事故も含む)が起きている。

 109行~:成田のセリフ

  その態度から、彼が『五月の〜』での事件においての『正義の三戦士』や『図書室の三女神』の活躍を見て、彼らに一目を置いているということだろう。

 174行:補助動力装置。

  別名APU。飛行機は地上でエンジンを止めると停電してしまう。しかし回しっぱなしだと地上スタッフが危険である。小型機ならば電池で対応できるが、ある程度の大きさの飛行機では小さなガスタービンを搭載しておき(大抵は垂直尾翼の下)これで発電機を作動させることにより電源を確保するようになっている。

  もちろん普通ならばAPUのスペースに通じる通信機など設置されていない事から、空楽の行動はすべて成田に筒抜けだったということだろう。

 186行:空楽の健康状態。

  嗜好は特殊だがいたって健康体のはず。気胸というのは肺がつぶれる病気。ここで恵美子に肝臓の心配をされるってのは、高校生としてどうよ。


★3

 4行:蜘蛛の巣。

  もちろん演出上の嘘。蜘蛛がそんなところに、しかも冬季に巣を作るとは思えない。また何ヶ月も点検していないのも考えられないので。

 13行:空港と風。

  まったく無風の土地より、一定の風量が見込める場所の方が空港に向いていると言える。そうすれば風上へ離陸滑走を始めれば、合成風力でより短い距離で離陸できるからだ。逆に言えば着陸もそう。羽田空港の駐機スペースが寒かった経験もあるし。

 33行:空楽のコートに氷。

  これは大袈裟でなく夏季でも可能性がある。軽井沢などの標高が高い地域が避暑地に選ばれるのは、上に登れば気温が低くなるから。まして飛行機が飛ぶ高さまで行けば、夏でも零下である。昔の戦闘機のパイロットは地上は夏でも上空は寒いので、防寒着を着込んで出撃した。

 121行:社員は必ず黒スーツ〜。

  そういえば『五月の〜』でも東京駅を黒スーツで埋めていた。

 169行:明日の西日本新聞〜。

  博多あたりだと西日本新聞の勢力範囲でないかな? ちょっと自信がない。冬の若松港で野宿しようとした池田(仮名)という者の経験によると、まじに凍死レベルに寒い。そして、その後雲仙普賢岳が噴火したのは懐かしい記憶。

 176行:ラブホに〜。

  値段だけを言うならラブホテルは選択の内に入っておかしくはない。ただ未成年同士となると、倫理上の問題はある。もちろん恵美子は冗談として口にしている。

 194行:鼻血。

  漫画的演出。

 228行:言葉を濁らせる由美子。

  もちろん宿の手配に関して運転手に聞かれたくないためだ。

 276行:どんな電車が飾ってあンのよ。

  そりゃあ以下の通り。

  蒸気機関車の「59634」。これは筑豊炭田から産出する石炭輸送に活躍した。

  同じく蒸気機関車の「C59 1」は特急などを牽引した。

  電気機関車では関門トンネル専用機「EF10 35」

  世界で珍しい交流式電気機関車の「ED72 1」

  ディーゼルカーの「キハ07 41」は市民の足だった。

  電車の「クハ481−603」は優等列車用。

  「クハネ581−8」は世界初の寝台特急電車。

  客車の「スハネフ14 11」はブルートレインで有名。

  「セラ1239」は石炭専用の貨車。

  あと館内には明治時代の古い客車「チブ37」がある。

 278行:門司港レトロ観光線。

  九州鉄道記念館から岬の突端に向かって伸びる観光ラインである。元は港への貨物用の路線だった。今はオモチャのようなディーゼル機関車がトロッコを牽いて往復している。

 284行:門司港レトロ地区。

  関門連絡船が盛況だった頃の煉瓦造りをした建物が残っている港風情を残した観光地区。お土産屋さんや食事どころとしてお薦め。

 320行:『常連組』の数々悪行。

  羅列されているが、前章で図書委員会の代わりにカウンター業務をやってくれていたりと、うまく付き合えば仕事を任せられる連中だったりする。

 373行:自主的に目覚めた空楽。

  彼は居眠りの天才である。よって一時間と決められた時間で、ピッタリと目を覚ましたのであろう。

 378行:病院近くのコンビニ。

  いちおう地図の通りに表現してみました。トイレが広いかは、二人が着替えのためのフィクションとして捉えていただきたい。

 402行:まさか男どもの視界で着替え〜。

  といっても女子は器用なので、下着や肌を露出させずに着替えるテクニックを持っているものだが。まあ羞恥心はあるよね。

 417行:豚骨ラーメンがっ。

  本場ですからなあ。せめて「元祖長浜」あたりで一杯食べてみたい気もする。

 491行:跪いた空楽が〜。

  乾物コーナーに居るっていうことは、酒のつまみを選んでいたのかも。

 536行:ショクダイオオコンニャク。

  ネット投票の『世界一醜い花』部門で堂々の一位を獲得した花である。数年に一度、人の背丈ほどもある花を咲かせる。その独特の臭いから別名が『死体花』とも言う。


★4

 1行:さて四人の昼食はなんだろう?

   由美子はサンドウィッチ、恵美子はオニギリあたりか? 空楽はアルコール摂取が出来ないだろうから、オデンあたりが有力か? 正美に至ってはカレーうどんあたりか? それで由美子の白い制服に、カレー汁が飛んだり大騒ぎになっていそう。

 70行:博多弁の警備員。

  喋っている方言は、だいたいこんな感じで合っていると思うが、地元の人がチェックしたら違うって言うかもしれない。それと「また知らんたい人の制服着ていて」(もう一人、自分が知らない人が制服を来ている)とは後から出てくる九十九砂日登美の事であろう。

 89行:白膏学苑図書委員会、委員長野原由彦登場。

  既述の通り男版由美子のつもりで設定したキャラクターである。

 113行:本山ノブヨ登場。

  彼女は女版空楽として設定したキャラクター。後で出てくるが、酔えば酔うほど強くなるという『酔剣』の使い手。

 232行:白膏学苑図書館。

  ネオ・バロック形式とは地方の高校としては贅沢な造り。迎賓館ですら明治天皇に「贅沢すぎる」と言われて片山が凹んだという逸話があるぐらいだ。片山東熊は実在した建築家だが、左村井頂角は和美が設定した嘘の建築家。

 247行:福岡空襲。

  最初は品川区の設定だったので空襲で破壊されたことに違和感が無かったが、福岡空襲では門司まで戦災は及んでいないはず。ただ工業地帯の破壊を狙った爆撃だったので、火を点けるだけの焼夷弾ばかりだった東京の空襲に比べて、頑丈な工場を爆破する通常爆弾も多数落とされているので、ネオ・バロック建築を根こそぎ破壊できる可能性はこちらの方が高い。

 252行:本校舎。

  白膏学苑の大体の配置は、敷地南側に東西方向へ伸びる五階建ての本校舎。南側に正門、警備員詰所、図書館、遊歩道。敷地東側に増築された科学棟。西側に体育館とプール棟(屋上がプールで一階が剣道などの格技道場)敷地外側の東側すぐの所にOB会館と音楽堂である。たった一回使うだけの舞台も、つい設定は煮詰めてしまう和美なのでした。

 304行:日登美登場。

  内心では「げっヤベ。なんで姐さんたちがここに居るの?」だったのでは?

 325行:赤みがかった茶色の瞳が…。

  眼鏡をしていても瞳の色は誤魔化せず、本来の赤みがかった茶色をしている。カラーコンタクトを使用していないのは、まさか由美子たちが現れるとまで思っていなかったからかと思われる。また、つい由美子が日登美を掴みとめてしまったのも、薄々変装と気がついていたからかも。

 364行:元は女子高。

  モデルにした学校もそうでした。

 373行:白膏学苑図書館。

  内部の間取りは、東側に読書コーナー、西側に一般開架、中央南側にカウンター。カウンターに入って西にエレベータ東に階段室。階段室の下、読書コーナーから入る形でトイレ。二階は北側にテラスを備えた委員会室。室内に階段室の上部とエレベータピットが張り出している。閉架は西側半分。給湯用の流しは東側。二階にトイレは無し。こんな具合。エレベータを備えているのは閉架から本を大量に出し入れするため、という言い訳。これで足の不自由な縞子さんが二階にいても不自然じゃない。

 422行:地下倉庫。

  これのおかげで戦前の書物が戦災を逃れられたという設定。もしかしたら職員の防空壕だったのかも。爆撃で上物は破壊されたが地下は生き残ったという感じ。

 441行:あそこ迷宮化してるよ。

  そんな場所に車椅子で入っていけると思えないのだが、果たして縞子さんはどのように探検隊に参加しているのであろうか? 義足でビッコひきながらだろうな…。

  迷宮化している理由は、ネクロノミコンをはじめとする数々の魔導書が集まりすぎたせい、とかだと別の話しが一本書けるな。

 451行:由彦の湯飲み。

  ごつい彼にはごつい焼き物が似合うと思って、わざわざ益子焼きを指定。薄い瀬戸物の対極にあるような、田舎臭い厚くて頑丈さを感じさせる作風なのだ。

 464行:馬サブレーと武蔵野日誌。

  両方とも清隆学園の所在地として設定した府中の銘菓。

 481行:探検隊の受難。

  地下で灯りの乏しいところで野良猫と格闘なんて、大パニック状態だったのではないだろうか? おそらく役回りとしては襲われたのが和世で、闘ったのがノブヨ、縞子さんは後ろから懐中電灯で照らしていた役、とか。

 493行:恵美子の座っている位置。

  じつはわざわざ正美の荷物がある場所に座っていたりする。もちろん隣に彼が座ってくることを見越してだ。

 538行:さりげなく正美を誘う恵美子。

  『幕間9』から徐々にフラグを通過している彼女なのであった。

 571行:三浦康介と柳田美也緒の登場。

  康介はいちおう欠点だらけの弘志とか(もともと欠点しかないとか言わないで)同じく欠点しかない明実のつもり。美也緒の方はダメンズに容易く引っかかってしまう誠実で朴訥な田舎娘(だけど頭脳は天才級)という設定。

 605行:たらし。

  もしかして死語かしら? 判りやすくしかも短く囁くには便利な語彙選択だと思うけど。また。この一言で康介の学苑内での評判が推し量れる。

 616行:恵美子の手を取る康介。

  他人だろうがなんだろうが男女問わずベタつく人種はいるもんだ。相手が可愛い女の子なら大歓迎だけど、工事現場で同業者のむさいオッサンが、よりによってこういうタイプで、ぞっとした経験がある。大学出たばかりの図面屋に「ベタベタ触るな」とか怒られてた。

 658行:正美の背中で手を拭く恵美子。

  康介に触られて不潔と感じられた裏返しですな。ここでも彼女の心の中が見え隠れしている。

 673行:バチアタリ。

  ノブヨがまともに憶えていないことから、彼女の生物の成績が想像できる。

 704行:由彦の説明にうなずくノブヨ以外全員。

  清隆学園は進学校だから当然として生物の授業で習うこととなる。ノブヨがうなずけないのは前項と同じ理由からであろう。

 705行:夏の成功。

  DNAに人工塩基を組み込む実験は本当にアメリカでX因子という名前で行われている。ここで人工塩基の名前がUVWなのは、塩基の頭文字からではなく、XYZだとアメリカの実験と混ざってややこしいため。XYZを使わないで適当な三文字としてUVWが出てくるのは、和美の元電気工事士という経歴のせい。RSTとともに送電側と受電側の見分ける方法として三相交流で使用頻度が高いのよ。

 733行:訊かれて誤魔化すノブヨ。

  康介と美也緒の関係を説明するために少々無理のあるシーンであることをお詫びしたい。でも、ここら辺が和美の筆力の限界。

 800行:科学棟の配置。

  おおざっぱに校庭側には廊下、東側に三部屋を有する。手前は隔離実験室に改装してしまった本来の化学実験室の代わりに使用されている、新しい化学実験室。縞子と日登美がいる部屋は、その実験室に附属した実験準備室を、縞子が不法占拠した部屋。科学棟が完成した時に化学教諭たちは元の実験準備室から移動しなかったので、空き部屋になっていたと設定した。さらに奥の部屋が由彦がチラリと触れた電子顕微鏡が設置されている部屋のつもり。

 822行:聞こえてくる旋律。

  大バッハ作曲の「管弦楽組曲」しかも地文の説明から「第2番」の5曲目「ポロネーズ」であろう。いつも使う「愛の挨拶」ばかりではトリックとして機能しないので変えてみた。由彦のセリフから縞子さんもフルートを吹く事が判る(他のエピソードで彼女が実際に吹いている)後に室内の様子から、日登美は楽譜を追えば普通に曲を奏でることができるレベルと推察できる。図書館から借りてきたのも、この楽譜だったのかもしれない。

 844行:縞子さん登場。

  彼女のイメージとしては、松本零士作品に出てくるメーテルやスターシャ、あとエメラルダスあたりの謎めいた髪の長い女性なんですが(けっしてエクセルサーガの支配人さんではない)彼女は女版弘志という役割も担っているので、とんでもなくアクがある人物になってしまいました。事故で右半身に重傷を負い、長期入院していたが、同じ病院には中学生時代の弘志も入院しており、彼女からフルートを習っていたという繋がり。

 851行:縞子さんの部屋。

  色んな物が散らかっているオモチャ箱のようなところです。彼女のキャラクターが察せられる。

  M82は巷では対戦車ライフルと誤解されている世界最大のライフル。アメリカの番組で「狩猟用に」調整している「バカ」(←褒め言葉)がいました。「熊が粉々になるぜ」って、それって狩猟? これは本物かな?

  空冷の自動車エンジンはポルシェ? フォルクスワーゲンかも…。日本車は大抵水冷。

  ミサイルは本物じゃあるまいな、放熱器がついたサイト付きのチューブって携行式対空ミサイルに多いんですが、まさか…。

  人体模型と骨格模型が手を取り合っていたらダンス・マカブルって感じ?

  前輪が外れた自転車というのは、次の縞子さん愛用の車椅子に車輪を提供したためかしら。       Gゲージは大きなチョロQみたいなイメージの(日本では)巨大な鉄道模型。カリカチュアされているが、本気のHOとあまり値段が変わらないので、最近愛好家が増えた。シェイに運材車、カブースとはアメリカ型の森林鉄道ですな。

 877行:縞子さんの外見。

  既述のとおり髪の長い謎めいた女性。しかも右半身包帯で覆われていて人間キカイダーでもある。

 894行:巨大ル〇バ。

  縞子さんが説明しているとおり日登美からの贈り物。部品の状態にして宅配便で送り、現地で組み立てたのだろう。浮いている原理は空気圧でなく電気の反発力かな。地面はマイナスなので、強力なマイナスイオンを発生させれば可能になるはず。電源など詳しいことは設定していないので、ここは演出上の小物としておく。

 911行:カンタン。

  夏前から鳴き始める秋の虫。古くなった水銀灯の安定器が放つような「じー」と長い独特の声で鳴く。

 924行:こういうものは〜。

  究極超人あ〜るに出てくる成原博士に似合うセリフ。

 925行:それで、また爆発とか〜。

  縞子さんは女版弘志ですから。

 928行:大丈夫だ。

  いや日登美が持ち込んでいるからこそ危険かも。

 962行:みんなが何故か〜。

  和美ですら“さん”づけだよ。それというのもキャラクター設定が完成したのはだいぶ昔のことだからだ。

 983行:黙れ勤労感謝の日。

  由彦の意味不明なセリフ。おそらくその日付(十一月二十三日)から、縞子さんの年齢が二十三歳と言っているのだろう。

  年齢のついでに記せば、清隆学園側は全員が一年生で、白膏学苑側はノブヨが一年生な以外は全員二年生だ。

 1005行:九十九砂日登美登場。

  平仮名にすると「しろさひとみ」であり、組み直すと「さとみひろし」となる。縞子さん流の冗句なのだろう。赤みがかった瞳とか、フルートとか、腰を曲げて屈んでいるが高身長のところとか、正門の警備員さんのセリフとか、その正体を示すヒントは出してある。

 1051行:彼女の耳に囁いた。

  「バレちゃうでしょ」程度じゃないかな。険しい目つきになったのは危ない橋を渡ろうとする縞子さんに怒ったのかも。

 1068行:ファルシオン。

  メディウスに最適。

 1072行:アルティミット・ゴージャス・ケットル。

  おそらく縞子さんの発明品。この性能が本当ならば海水すら飲み水にできるのでは?

 1081行:壁に貼られた黄ばんだ紙。

  戦艦『大和』の主砲に弾薬庫から弾を揚げる装置ですな。この図面は現存するらしいので、その写しじゃないかな。四十糎とは秘匿名称で本当は46センチある。

 1094行:いい人体じ…。

  コラ、なにを言いかけた。

 1096行:ハルク。

  超人ハルクのことだろう。筋肉ムキムキの緑色をしたアメコミヒーローという説明で判るかしら。ノブヨが“また”って言ってますな。

  前回はどんな事件だったのやら。

 1104行:どこかで経験した〜。

  清隆学園の日常が想像できる。もちろん妖しげな物を飲ませるのは弘志で、飲まされるのは正美あたりだな。

 1137行~:ノブヨの気合いが入る飲物。

  空楽が解説しているとおりバーボン・ウィスキーで有名な銘柄の「アーリ−タイムズ」のこと。医療用とは、かつてアル・カポネが活躍した禁酒法の時代に、表示を医療用として法律の適用を免除された事が由来。で、剣道の試合ってアルコールによるドーピングってアウトじゃないかな?

  まあ彼女は女版空楽の立ち位置なので、なにかアルコールにまつわる話が無いとね。

 1184行:ジャンプ脳。

  週刊少年ジャンプばっかり読んでいると、強敵と書いて「とも」と読んだり、汗と涙と友情が大事になったり、死んだと思っていたアイツがまさか! とか「強いヤツに会うとオラ、ワクワクしてくっぞ」とか言い出す。


★5

 22行:由彦と腕を組もうとするノブヨ。

  さりげなくアタックして撃破されている。委員会室でも必要以上にスキンシップしていたし、この様子から朴念仁な委員長と美少女ハーレムというありがちな設定が思いつくのだが、いかがだろうか?

 27行:今度は正美にアプローチするノブヨ。

  本気で正美にちょっかいを出すつもりというより、他の男子といちゃついているところを由彦に見せつけて、彼の関心を買おうという戦略だろう。でも、それすら恵美子に撃破されるという…。

  それと恵美子が着実に正美を射程圏内に収めているのが判っていただけるだろうか。

 59行:空を見上げる空楽。

  果たしてどんな事を思っているのやら。これが東京で留守番している花子の事ならいいが、早く暖かいところで居眠りしたいなんて考えているなら、帰ってから刺されても文句は言えないよ。(でも考えていそう…)

 176行:体当たりでも壊れないドア。

  ここで空楽が、いつもの木刀を取り出しても相手が悪すぎて意味がないと判断したことは省略する。弘志が居たら嬉々として乾電池のような物を取り出す場面。

 190行:由美子のダッシュ。

  彼女は足に極軽い障害があるのは『四月の〜』をはじめとして事あるごとに触れてきた設定。

 198行:由美子の悲鳴。

  どのような音節だったのだろうか? やっぱり今様に「qあwせdrftgyふじこlp!」とかの方がよかったかしら?

 199行:抱き合う二人。

  ちょっとだけ介護のような事を経験したが、車椅子に乗せるときはこうやらないと、転倒の危険すらある。ただ縞子さんの表情が艶っぽいのは日登美の正体に関係するか否かは不明ということにしておく。

 256行:入るな!

  縞子さんの警告にはちゃんと意味がある。クリーンルームは密閉度が高いので、室内が酸欠になっていたり、毒ガスが発生している可能性もあるからだ。そうしたら助けに入った人間が二重遭難してしまう。地下の貯水槽の点検などでよく起きる事故でもある。と書いていた当時、北海道の病院で、貯水タンクで二人が死亡する事故が発生した。

 278行:初めて経験する〜。

  登場人物の中で、人間の死体を見つけても動揺しないのは、弘志と縞子さんぐらいなものだろう。この二人は大きな事故に遭って体と一緒に心まで壊れてしまっている。


★6

 2行:空楽の行動。

  彼とて動揺はしているのだろうが、平常心が忍びの極意と感情を抑え込んでの行動だろう。まっすぐ美也緒に近づかず、爪先立ちで移動しているのは足跡を残さないため。残してしまうと警察の捜査の邪魔になるからだ。首筋に触ったのは、酷い怪我だがそれでも生存の可能性が残されていたため、脈をとるためだ。コートを掛けてあげる優しさが彼らしい。これが弘志ならば「汚れる」とか「警察に証拠品として押収される」とか理由をつけて、そうしないであろう。

 29行:つぶやいていた空楽は~。

  空楽が呟いているのは念仏ではなくお題目。宗派によって変わるので注意。

 49行:ああ、やっぱり〜。

  この段階で縞子さんは康介が犯人だと、ほぼ断定している。傷の様子から、右利きの者から前より殴られたことが明白であるからだ。強盗目的ならば後ろからだろうし第一盗む物がない。強姦目的なら着衣がそのままなのはおかしい。よって面と向かって言い争っていて、激昂した相手が暴力を振るったと考えるのが一番可能性が高く、彼女と学校で言い争う相手として康介が第一候補だからだ。

 62行:顔色を変える康介。

  彼に演技力がそんなにあるとは思えないので、ここは改めて美也緒の死を突きつけられての動揺ということにしておく。

 67行:現場に乱入しようとする康介。

  もちろん室内に入ってしまえば、室内に指紋や毛髪などの痕跡があっても、乱入したこの時だと警察に言い訳できるためだ。

 78行:康介を押さえ込む日登美。

  きっと事件に関与したくてウズウズしていたと思われる。でもしゃしゃり出ちゃうと正体がばれちゃうし、ジレンマに陥っていたところだったので、鬱憤を晴らすかのように必要以上に康介へダメージを与えている。後に空楽が見て合気道と分析しているが『六月の〜』で道場に通っていると説明済。

 109行:私の助手を〜。

  いま現在でなく卒業後の進路としてのお誘いかもしれない。縞子さんが就職するなら、大学を出てから警察の科学捜査班などではないだろうか? 普通の研究室では刺激が少なくて満足しないであろう。

 138行:空楽の膝の汚れ。

  白膏学苑の制服を白系統にした理由だったりする。康介の体に付着していても、同色では目立たないだろう。その成分についての詳細は後述する

 149行:日登美のスカートのポケットに手を入れる縞子さん。

  テープを取り出すだけでなく余分なところまで触っていそうで恐い。

 89行:縞子さんの表情。

  空楽に注意されてたのに楽しげな物に戻っている。

 同:通報。

  このあと職員室に残っていた先生方や警備員さんたちがやってきて、警察と消防に通報し、保健教諭も死亡を確認したことにより、現場の保全のため改めて立ち入り禁止が通告され、警察の到着後に事情聴取で警察署に移動するシーンは、事実の再確認にしかならないので省略する。


★7

 20行:最優先事項。

  そりゃあ同族で切り盛りしている会社で、経営者の娘が逮捕されるなんてスキャンダルが発生したら、握りつぶす方向に動いておかしくないだろう。ま、成田の冗談であるが、殺人事件に巻き込まれたと聞いてフォローに入っておかしくは無いだろう。

 44行:恵美子の温もりで余裕を取り戻す由美子。

  彼女にしたって条件は、さほど彼女と変わらないわけで、委員長の責任感が大きな支えになっている。

 125行:象が踏んでも壊れない端末。

  ゆっくりと加圧していくなら大概の物は壊れないような気もするが…。バズーカは成型炸薬弾頭なので、画面、液晶、本体という一種の間隙装甲と捉えれば充分に防ぐことができる。(もちろん、それぞれの素材は戦車並みの材質が求められるが)ただ、命中した衝撃を両腕だけで受けきれるかは状況次第では?

 133行:備えあれば憂いなし。

  「こんなこともあろうかと」の同義語。

 152行:由彦の判断を待つ白膏学苑図書委員会。

  女子率が高いので決断力に欠けるという演出。

 168行:ショックで倒れる和代。

  普通の女子なら、こっちが当たり前だろう。事件事故に遭遇しすぎて修羅場に慣れちゃった由美子や恵美子、もともと壊れている縞子さんの方がおかしい。そこでなぜ開業医とはいえ由彦の家に運び込まれたのかは、由彦の彼女の座を狙っている和世の作戦なのか、図書委員会で医者に罹ることになったら自動的にそこへ運ぶのが暗黙の了解になっているのか、そのどちらか両方なのだろう。

 208行:刑法一九四条。

  相手が警察官だからこちらが適用されるとする縞子さん。もちろん彼女が相手の正体を知っているからだ。ただ職務を離れているので、刑法二二〇条・逮捕・監禁罪の方がより適当ではないだろうか。

 245行:彼女“も”東京に住む友人なのだ。

  清隆学園から来た由美子たちを指していると聞こえるが、実際は日登美の正体を暗示している。

 262行:いまは上下に~。

  というわけで上下刑事登場。彼女の登場シーンが、由美子と成田との掛け合いのリピートになっている。彼女の設定は小学校時代から警視庁に就職するまで設定ができている。

 273行:同期で独身は〜。

  由美子たちも、あと五年もすればこうした会話をするのかしら? 昨今の晩婚化で猶予は十年ぐらいあるかもしれない。

 314行:恵美子で止まる視線。

  ここまで彼女の発言が無いことに注意。もちろん精神的に参っているということもあるが…。

 318行:人を思いやる心には乏しくてね。

  自覚がある縞子さんはまだまし。

 347行:あなたって、変なコね。

  縞子さんに向けて言っているように見えて、じつは日登美に向けて言っている言葉。思想がいかれているくせに科学知識が半端無い高校生なんて警視庁としては重要マーク人物だろう。ついでに言えば精神科に通院歴もあるしな。

 360行:彼の間違いでしょ。

  上下刑事は一目で日登美の正体に気がついた。恵美子が気にしているのは、突然とった彼女の戦闘態勢に、武術を嗜んでいる者として理解できなかったからであろう。

 369行:踏み出した。

  このあと警察署から白膏学苑に帰ることになるが、周辺の様子は来校時にやってしまったので、同じ事の繰り返しを避けるために省略する。上下刑事の言動から、彼女は縞子さんの家に泊まっているだろうから、以後行動は一緒であろう。


★8

 1行:全体

  既述したとおり、突然物語の舞台が急に変更となったので、泊まるところを本気で探すハメになって挿入した章である。

 13行:国道に出たところで、逆に〜。

  国道一九九号線を白膏学苑と反対方向に進むと門司港駅となる。おそらく日登美は駅の近くにあるビジネスホテルに宿を取っているのではないだろうか。

 97行:みなさん標準語〜。

  県外の者も多い学苑では、方言で話したら通じないことも多いだろう。それに博多弁って他の土地の者から見るとケンカ売っているように聞こえるイントネーションだし。進学校ということで九州だけでなく全国の大学へ生徒を送り込んでいるという設定なので、校内では極力標準語で喋る文化が定着しているとする。そうじゃないと読む方も大変だろうが、書く方も大変なのだ。ただ方言を多用する人の標準語って、地が見え隠れする発音なんだよな…。

 109行:外様、譜代、旗本。

  ちょうど「超高速!参勤交代」という映画を見た後に付け加えたシーンなので。ここで注意したいのは由彦が外様だということ。県外から白膏学苑に進学したのに、倒れた和代は彼の家に運ばれている。ということは彼は関門海峡の向こう側、山口県下関市出身ということになる。

 130行:正美の着信音。

  平井堅のPOP STARあたりのつもり。

 152行:コジロー、権藤とカラオケ行くの?

     ねえ? 本当に行くの? ねえ?

 204行:とんちゃん鍋。

  下関の方でのもつ鍋。違うらしいのだが東京者で、しかも味音痴気味の和美には違いが判らない。

 209行:空楽出現。

  彼は忍びの者なので、出現が唐突である。また東京から着ていたコートは、美也緒の遺体にかけたことにより証拠品扱いとなり、しばらく警察/検察が保管することになり、今の彼は制服だけの姿だ。もちろん寒いだろうが、そこは男のやせガマンで。

 234行:なに通学?

  由彦は自転車通学(関門国道トンネルの人道経由)ノブヨは発言の通りバス。縞子さんは毎朝、母親が運転する軽自動車のつもり。ちなみに清隆学園側は由美子が電車とバス。空楽と正美が自転車。恵美子はバス通学である。

 243行:呼び出した。

  この後、由彦と別れて、成田の待つワンボックスに乗り込み、市街地を抜けて、ノブヨの家まで行く経路の表現をしても、物語上重要ではないので割愛する。


★9

 4行:本山道場。

  ノブヨの父が趣味で開いている剣道道場という設定。

 20行:これが〜。

  母親の顔を見て、地の喋り方に戻っている。地元の人が読んだら怒り出すような適当な方言になっていたら、あしからず。

 同~:訳

  ノブヨ「これが私の母です」

  母親「ノブヨの母です。今日は遠いところよく来ましたね」

  母親「東京の家だと思って、気楽にしてね」

  母親「東京の人と聞いてたから、線の細いコが来ると思っていたけれど、そうでもなかったのね」

 28行:一卵性親子。

  よく芸能人の親子に使われる言葉。じっさい身近に似ている親子がいるので、母と娘というのは似てしまうものなのだろうなと、実感している。この法則で行くと、まだ未登場の由美子や恵美子の母親も見てみたい気がする。恵美子の母親は全日本のミスコンで準グランプリを取ったことがあるとかありそうじゃない?

 41行~:訳

  母親「ノブヨちゃん。道場の方にレイジがいるから、後で呼んできて」

  母親「その前に、みなさんを部屋に案内しなさい」

  母親「四人ぐらいだったら、子供部屋で雑魚寝した方が、暖かいでしょう」

  母親「いま来ると思うけど、あと弟のレイジがいるのよ。女の子はノブヨちゃんの部屋で、男の子はレイジの部屋で寝ればいいでしょう」

  母親「お父さんは、今夜抜けられない仕事があって、帰ってこないから。よけいな気遣いは無用よ。さ、上がって上がって」

  ノブヨ「えっと女の子はこっち」

  ノブヨ「こっちがあたしの部屋」

  ノブヨ「こっちが弟の部屋」

  ノブヨ「どう?」

  ノブヨ「うん、大丈夫じゃないかな」

  ノブヨ「レイジこのぐらいだもの」

  ノブヨ「二年生だよ」

  ノブヨ「でも、最近何を考えているかわかんなくてね。もし気に入らなかったら、遠慮無く言いつけてくれていいから」

 113行:宝物を一発で見つける空楽。

  まあ同じ思春期の男子同士ということで、隠しそうな所は大体見当がつくものねえ。ただ、それを実の姉にバラしちゃうのは、ちょっと酷だったんじゃないかなぁ、空楽。

 134行:訝しむ空楽。

  恵美子の指摘が判らないなんて彼は忍びというより朴念仁ではないだろうか。

 136行~:訳

  母親「どうしたの? 楽しげに」

  ノブヨ「あ、お母さん。レイジったら、こんな物を…」

  母親「慈悲よ」

  母親「世の中には慈悲の心が必要なのよ。コレと押し入れの左にある『北欧の妖精』と合わせて、慈悲なのよ」

  母親「判らないように戻しておいてね」

  レイジ「なに?」

  レイジ「お母さんもお姉ちゃんも、お客さん?」

  母親「息子のレイジです」

  母親「東京からノブヨちゃんの学校に来た皆さん。今夜はウチに泊まることになったから」

  レイジ「え? 泊まるの?」

 162行:ジャージ姿のレイジ。

  地方では登下校時ジャージ登校を認めている学校が多い。しかし、ここでレイジがジャージなのはそっちの理由よりも、父親不在の道場で、小学生クラスの練習を見ていてやっていたという方がうまい説明だと思うが。

 173行:一瞬で恵美子の美貌に目を奪われるレイジ。

  じつは後述する事件の真相への布石だったりする。


★10

 10行:ハンドタオルで〜。

  湯上がりの恵美子ですよ。きっとお色気120パーセント上昇中だから、イラストが入るとしたら、ここは外せないでしょう。もちろんお風呂を代わり番こに戴いたのだろう。女子は内風呂、男子は道場の方のシャワーというのが有力な線。男子がシャワーを借りての帰り道、風呂場の窓越しに湯音が聞こえて、恵美子と思って覗いたら由美子だった、とかいうシーンを考えなくもなかったが、『正義の三戦士』エロ担当の弘志がいないと盛り上がりに欠けるので却下した。

 95行:そんな事を〜。

  ちょっと昔のアニメでよくあったシーンだよね。こんな粋な伝言サービスがあると思えないので、弘志謹製の物であろう。もしかしたら仮想AIプログラムが組まれていて、どんな相手がかけてきても、自動的におちょくる対応がなされるようになっているのかもしれない。

 123行:絶対なにか企んで〜。

  ただ単純に電話に出ちゃうと現在位置が化れちゃう可能性があったからではないだろうか? この章自体、弘志が裏でコソコソなにかやっているという暗示ではあるんだが…。


★11

 4行:集合していた。

  起床してから登校までの様子は、長くなるだけなので省略。いちおう補足しておくが、普段ノブヨが登校している経路でやって来た。

 8行:一晩で回復〜。

  安定剤を服用して一晩寝れば、健康な高校生ならば回復するだろう。これが恋人が死んだら、こうも行かないだろうが。

 50行:図書館の暖房。

  本校舎のボイラー設備から蒸気を送ってもらうスチーム式なのかもしれない。照明用の電気ならば、年一回と法令で義務づけられている保安協会による点検などを除いて、基本的に無人でも送られてくるからだ。ガスは火災の危険を考えると、給湯設備用だけではないだろうか?

 72行:そっぽを向く由彦。

  この態度から由彦の本命かなとも思える。いちおう、まだ彼女を作るつもりはないと設定している。

 82行:立原道造詩集。

  我が愛読書の一つ。和美はコレとクラッシャージョウと妖精作戦で出来ていると言って過言ではない。どれか一つと言われたら、迷わず妖精作戦なのだが。

 89行:『北欧の妖精』の場所を知っている美智。

  常連組のノブヨと親交が篤く、お互いの家でお泊まり会などをしているのかもしれない。その時に発見したのではないだろうか?

 102行:会計の向山。

  いや決して委員長、副委員長、書記と設定していて、会計を忘れていたわけではないんですよ(汗)

 122行:あたしたちの紹介は?

  常連組の紹介は省略。もし必要ならば、その度に新しいキャラクターを設定すればいいし、白膏学苑がエピソードとして使用されるのは、今回だけの予定だし。もちろん、この中に地下書庫の探検隊へ参加した(する)人材も入っている。

 180行:白膏学苑の女子に包囲された正美の救出へ向かう恵美子。

  並みの女子では数で負けてしまうが、こっちはその分、清隆学園の『学園のマドンナ』だ。勢力は拮抗できるだろう。

 193行:そっと抜け出す空楽。

  彼は忍びだから(説明になっていないような気もする)それを目ざとく見つける縞子さんも凄いと思うけど。

 199行:縞子さんのカップ。

  テニエルは「不思議な国のアリス」の原著で挿し絵を担当した絵師。縞子さんに似合うキャラクターはチェシャキャットじゃないかな。

 203行:どちらの答え合わせかな?

  密室殺人と、もう一つは日登美の正体のことを指している。

 211行:奴と同じ事を〜。

  このことから空楽は昨夜、弘志と連絡を取ったことが察せられる。「人殺しなんか、どうせ身近な人間が犯人だろ」ぐらいの事は平気で言っていそう。

 277行:慌てて首を振る由彦。

  縞子さんに説明をはじめさせると、話が無駄に長くなることを身に染みて知っているのだろう。

 305行:貴女なら。

  相手が気に入らない人物でも、他校でしかも先輩なので、丁寧な言い回しに切り替えたのだろう。彼は紳士なのだ。その代わり殺人犯に対しては「あの男」呼ばわりしている。信仰の篤い彼ならではの扱いだ。

 311行:トリックを~あの男だぞ。

  相手の知能レベルにあわせて、相手の思考を推理することの難しさ。推理小説では名探偵が簡単に行うが、実際にはそれぞれの知能レベルで思考してしまうから、とても難しい。子供相手に会話するのが難しい一つの理由だ。

 349行:康介の白衣。

  もちろん空楽は知りうる情報を警察に提供している(よって一人だけ事情聴取が長引いた)白衣の件も、もちろん話したことだろう。和美は手を抜いて、康介が白衣を隠した場所は決めてない。

 365行:上下警部補。

  もちろん昨日、門司警察署に現れた縞子さんの同級生である。彼女なりに情報収集に動いた報告のメールだったのだろう。

  って警察の内部情報を漏らしていいの?

 414行:いつの間に…。

  本当にいつの間に呑んだのだろうか?

  もしかしたら男子にだけこっそりとノブヨの母親が用意したのかもしれない。しかも大量生産品でなく地ビールとは…

 424行:もう一つのパズルは〜。

  日登美の正体のことである。


★12

 6行:「博多通りもん」「如水庵の筑紫餅」「なごしの抹茶大福」

  どれも博多や門司のご当地銘菓である。とくに抹茶大福は和菓子選手権優勝の過去がある。もう残っていないのは、昼飯時と放課後に『常連組』の茶菓子となったからだ。

 25行:海辺の断崖。

  〇曜サスペンスとかで、連続殺人の犯人が探偵役の主人公に追い詰められる場所ですな。

  船越英一郎や片平なぎさ、山村紅葉などが定番。

 34行:もしかしたら…。

  由美子も日登美の正体に気がついていた暗示。

 74行:授業がつぶれて〜。

  後述されるが被疑者死亡のため本人供述が取れなくなったため、物的証拠の洗い直しが必要になったのだろう。また現場となった隔離実験室は、使用禁止となっていたことだろう。

 82行:ソファを移動させて…。

  日頃からの由美子の(鉄拳による)教育の賜物である。司書室の応接セットは三人掛けのソファとガラスのテーブルを挟んで一人掛けのシファが二つのつもり。よってそのうちの一つを移動させたのだろう。詳しく表現していないが圭太郎など力持ちが室内にいるつもり。

 100行:彼なら程なく〜。

  まあ、いつもの司書室ならば我が物顔で登場するし、今は日登美が横にいるし。もちろん由美子も薄々分かっての受けこたえ。

 121行:あの美人さんは?

  恵美子のこと。この後の真相を直接耳に入れたくないからであろう。

 140行:もっと大きな裁きの場へ召喚〜。

  そう縞子さんは口にしているが、彼女が特定の宗教を信仰しているとは思えない。ここは文学的言い回しを使ってみたかった、ということなのだろう。

 154行:まるで祟りですね。

  その言葉を清隆学園の人間から引き出せれば縞子さんの目的は達成されたと考えていいだろう。よって縞子さんの表情が緩んでいる。

 189行:バチアタリのDNAにUVカット〜。

  専門の研究者でない由美子がすらすらと答えられたら変であろう。女子高生が持っている単語で記憶が補完されていると推定した。

 276行:ふっふっふっ。

  ここらへんから故天知茂さんの主演で人気を博したテレビドラマシリーズ「江戸川乱歩の美女シリーズ」のパロディが入っています。事件の解決編に入って含み笑いが始まると、画面に惹きつけられたものです(途中でお色気シーンが多いのも見所でしたが)顔に手をやってメリメリと何かを剥がして変装を解くというシーンの元祖ではないだろうか?(確証はないけど)今回の弘志はカツラと眼鏡、それにマスクだけの手軽な変装なので、横にいる縞子さんにそれらを渡しているだけなんだけどね。

 287行:セーラー服の肩口を〜。

  下に清隆学園の男子用制服を重ね着しているところに注目。プリーツスカート姿だったんだから、物理的に無理だろ(笑)しかも上下一体となってペロッと前から脱げるなんて(笑)スカートの裾からズボンが見えるはずだろうし、肩がどう入っていたのやら。

  ここも前項で出したドラマのパロディである。肩出しのイブニングドレス姿の美女が、含み笑いで顔から何かを剥がすと、次のカットでは故天知茂さんが演じる明智小五郎が、イブニングドレスを床に投げ捨てながらスーツ姿で立っているという、視聴者に余分なことを考えさせない強引さ(笑)

  いま、あんなドラマ作っても視聴者からツッコミが多くて打ちきりになるだろうな…。

 301行:別の用事で〜。

  縞子さんへ完成した巨大ル〇バを届けに行っただけのつもりが、あんな事件が発生してビックリしただろう。だが弘志が居たから事件が起きたのか、事件が起きるから弘志がそこに居るのか、そのどちらだろうか?

 313行:なンで、その格好のまま〜。

  弘志が女装して白膏学苑に潜り込んだのは、女子率が高い学校と知っていたから。部外者と悟られないためであろう。私服や他の学校の制服姿でうろうろすると悪目立ちするし、縞子さんの学内での評判に傷がつかないように配慮したものと思われる。ただ全生徒の顔を憶えているつもりだった警備員とは揉めたかもしれない。偽造した学生証まで用意していたかは考察の必要があるかも。後の「たぶん、趣味?」というのも、あながち嘘でないのかも。

  こんなところで由美子たちに出くわした彼は、フルートの演奏前に、縞子さんに正体がばれないように配慮を求めていたのかもしれない。彼は由美子に執着心のような物を見せているので、他の女性と会っている事実を隠したかったのかもしれない。縞子さんの部屋に籠もっていれば顔を合わせずに過ごせると思っていたら押しかけてきて、さらに事件発生で、思惑はうまく行かなかったということだろう。

 320行:取り押さえることに~。

  この後、いつものアクションシーンとなるが、今まで飽きるほど、たくさん書いた気がするので、割愛。もしかして読む方も飽きてらっしゃるかしら(焦)もちろん由美子が弘志をボコボコにしたに決まっている。というか女子に手を上げる男子って、この作品にいないよね。


★13

 6行:まるで〜。

  バンタム級世界統一王者はホセ=メンドーサ、東洋太平洋チャンピオンは矢吹丈のことだ。この後の「真っ白に〜」というのも含めて『あしたのジョー』ネタですな。

 88行:不名誉が証明されないまま終わる。

  この弘志のセリフ、実は嘘。おそらく警察は被疑者死亡のまま書類送検するだろう。つまり限りなく黒い灰色として記録されるということだ。

 94行:これが大人になるって事さ。

  大人の縞子さんに言われると重みが違う。といっても体は大人で、頭脳は天才級でも、精神に幼児性が残っている気がしないでもない。

 100行:入院している友人。

  隠れヒロイン池上透のこと。既述だが、縞子さんと透は同じ病室に入院していた過去があって、顔見知りである。

 145行:赤くなる由美子。

  そりゃ「君の」とか言われたら、乙女なら反応しちゃうよね。

 178行:間接的に殺したのは貴女。

  ここが微妙なところ。ちゃんとした医療機関に診断してもらっているのだから、肺炎と肺炭疽を誤診した医療機関の責任であるとも言えるし、誤診の恐れがあると指摘しない縞子さんにも問題があるとも言える。問題は縞子さんに、殺意まで行かなくても加害意識があったかどうかということになる。だが縞子さんの様子からして、その意思は充分にあったと思える。事件が起きて笑顔だったり、花子から「祟り」の一言を引き出したりと、根拠がありありだ。女にだらしない康介に辟易していたとも思えるし、同じ部活で頭脳を張り合う女子同士ということで美也緒に消えてくれて欲しいと思っていても、なんら不思議ではない。だが本当のインフルエンザだった可能性もあるし、警察も現場検証しているし、これは不可能犯罪に分類されるのかもしれない。殺したい相手をベランダに誘い出して、そこが壊れて転落死を願うのは、犯罪ではない。壊れるように細工をした時点で犯罪が成立するのだ。あとは道義的責任論の問題だ。また、そうそう顕微鏡があるか? という問題もある。電子顕微鏡まである校舎は立ち入り禁止だったので、自前で顕微鏡を用意しなければならない。また縞子が気がついた時点で手遅れだった可能性もある。

 186行:ハトの怪人が〜。

  「仮面ライダー555」三七話登場したピジョンオルフェノクのことかな?

 201行:誤魔化さないで。

  由美子の指摘通り縞子さんは誤魔化そうとしているのだった。

 230行:研究が嘘だったってこと?

  このエピソードを作るとき、理科学研究所の万能細胞に関する一連の騒動がヒントになった。

 251行:縞子さんが持ち出す心中説。

  由美子に看破されてしまったので、新説を出してさらに誤魔化そうとしていると取れる。心中するなら二人とも炭疽菌を吸い込めばよかっただけだからだ。

 268行:メールで配車。

  最近は便利になって、それ専用のアプリすらある。車椅子対応タクシーを指定することだって容易い。

 280行:白手袋に包まれたまま。

  外気が吹き込んでくる昇降口で交わす握手なのだから、不作法ではない。また手袋をいつもしている理由は、右手の指に欠損があることを隠すためだ。そんな右手でフルートが吹けるのか? という尤もな疑問もあるだろうが、金田一耕助の「悪魔が来たりて笛を吹く」で、戦地で指を失った人がフルート吹いてるし(それが悪魔組曲に隠されたメッセージでと、ネタバレしそうなので、詳しくは割愛)

 292行:優しいのね、二人とも。

  意味深な由美子のセリフ。この事件、空楽や弘志、縞子さんが色々な推理で煙にまいているが、根本的な康介と美也緒の言い争いの原因には触れていない。もちろんそれを推理することは簡単で、康介が渡り廊下で恵美子に色目を使ったことを、美也緒が批難したに他ならない。散々遠回りしておいて、じつは最初の空楽がした推理が正解なのだ。だが事件の発端となった言い争いの原因となったと聞いて、恵美子が変な負い目を感じないように、わざとグチャグチャと掻き回して曖昧にしてしまったのだ。事件直後に恵美子はすでにこのことに気がついており、事件後から口数が少なくなっているのもそのせい。それに気がついた縞子さんが(廊下等で恵美子の表情を観察している)たとえ自分の殺意を疑われようとも彼女の養護に回ったのだ。清隆学園に現れたときに気にしたのも、直接話をするのではなく、人づてに耳に入れた方が余計に曖昧になるからであろう。そんな縞子さんの様子を観察していた由美子は、この事実に気がついており、この最後のセリフに繋がった。

  ということでタイトル回収。


 幕間・11


 全体:

  『七月の〜』『十二月の〜』に続いての池上透三部作、これにてお終いの巻。という話。時期的には一月末から二月頭の隙間に起きた事件だと考えている。

  『二月の~』の内容が薄いので、実はこちらの方がメインではないかという意見もある。

 135行:授業中に起きている空楽。

  そりゃあ先生がビックリするわ。雨や雪が降るどころか槍…、いや核弾頭が降ってきてもおかしくはないだろう。

 143行:郷見くんも、

  二人の機嫌が悪いことを見抜く花子。彼女は男性恐怖症の気があるので、ことさら敏感に察するのかもしれない。男子が機嫌悪いときにうっかり近づいて絡まれることを避けるためだ。もちろん二人とも機嫌が悪い理由は、由美子とは別のルートで訃報に接したからだ。

 155行:由美子に殴られる弘志。

  わざとだろう。

 167行:夏の遠出。

  『七月の〜』である。

 187行:走り込んでくる女性。

  弘志の変装としてもいいし、また別の知り合いなのかもしれない。『一月の~』に出てきた縞子さんだっていい。ただ弘志の変装を、見飽きるぐらい見ている由美子が、気がつかないわけが無いとは思う。

 214行:切符のような物。

  夏に行った駅までの切符かもしれないし、別れの言葉を記したメモかもしれない。

 246行:盗難が多いと〜。

  もちろん由美子が自覚しているとおり、逃げ口上である。が、これが意外に多い事件でもあるから困った物だ。

 255行:参列者名簿の最後の名前。

  もしかしたら参列者全員が最期のお別れで意識がお棺に向いている隙にやって来たのかもしれない。また、すでに参列者の列に紛れているのかも。


 二月の出来事


 タイトル:『二月の出来事』

  かつては唯一の、空楽が主人公をつとめる話しだったので『それいけウツラ』でも良かったのですが、『一月の〜』で大活躍しちゃったからなあ。


★1

 15行:上空から見ると~。

  同人で出した初稿と微妙に建物の描写が変わっています。今は設定集が出来上がっていて、校舎内部の部屋割りが厳密に決まったためです。

 33行:地面で昼寝をしている空楽。

  敷地北側に建つ壁の南側なので、冷たい北風は吹き込まないつもり。もちろん図書室など昼寝に適した場所はあるが、それらだと授業をサボっている事が発見される可能性の方が高く、そんなところを教員などに見つかったら、うるさいからだ。授業の出席日数は、二月のこの段階なので、単位を取れるかどうか、もう計算済みなのだろう。

 90行:ちょっと古いジュブナイル。

  本の解説を読めば大体判ると思うが、『妖精作戦』シリーズ(笹本祐一)である。四巻の『ラストレター』だけ図書室に所蔵がないというこのエピソードは、和美の母校で実際にあった物。現在は創元推理社から再版されているので、新刊が書店で手にはいると思う。シリーズ二巻の『ハレーションゴースト』には、空楽が言っているような都市伝説が本当にある。

 107行:改善要求の第二項目。

  弘志あたりが提出したんじゃないかな。

 117行:「真面目な方の常連さん」

  諸兄には忘れられているかもしれないが、清隆学園は進学校。なので、もちろん静かに図書室を利用する、読書好きな生徒もたくさん居るはずである。真面目じゃない方の常連は、他のエピソードでたくさん出てきたが、真面目な方は内海さんぐらいしか名前が出てこない。

 125行:ごねた空楽。

  このエピソードも元ネタがある。蔵書に『ラストレター』が無くて探していたクラスメートの女子が、酩酊庵に借りることになったが、色々と注文が多くて(詳しく聞いたら「汚すな」とか「折るな」とか借りるのに当たり前の条件だった)辟易したと、和美に苦情を寄せてきたのだ。

  (なんで和美のトコに苦情が回ってくるのよ?)

  うまく話を持っていけば一回ぐらいデートに誘えたのに、もったいないことをする酩酊庵である。ま、彼も空楽と同じで朴念仁だから仕方がない。

 145行:読めばわかるが、読まない方がいいぞ。

  まだ『ラストレター』を未読だった和美に、酩酊庵が放った言葉。いまでも心に残っている。彼の(少ない)名言の一つ。

 160行:次の作品が〜。

  『スターダストシティ』の事である。空楽の言うとおり読めば判る。だが現在絶版ではないだろうか?

 167行~:司書室へと向けた。

  校舎の設定がはっきり決まったので、初稿と図書室に戻る道順が変わっていたりする。

 211行:月間一位を取った本。

  弘志が説明するこの本は、『チグリスとユーフラテス』(新井素子)であろう。発売された月は売り上げ一位だった。ここでは図書室での読者アンケートにおいて、月間一位を取った程度の意味が、一番矛盾が少ない。

 255行:内海左貴。

  内海さんのフルネームが判る唯一の行。読みは「うつみ さき」である。もちろん脇役がたくさん出てくる『清隆学園の人々』にて既出のキャラクターである。

 272行:王太子。

  この単語だけで男と判断してはいけない。次に(女)王様になる予定の人という意味だから、性別に関係がない。ということで後から出てくるエリザの正体への誤誘導となっているはずの文章である。

 同:E=バートリーなんとかさん。

  エリザはもちろん省略形である。フルネームは「エリザベート=バートリー=なんとか」さんになるはず(王太子であるから、最後の「なんとか」は「エルデーイ」になる可能性が高い)ちなみに『吸血鬼カミラ』のモデルとなった歴史上の人物と同じ名前である。エルデーイ王国が、あそこら辺にあると設定したため、ついでに仕掛けたお遊びである。

 280行:外務省条約審議官。

  日本で内閣調査室と並んで国外の情報を収集する連中。SPが出張っているのはホテルから抜け出されて組織の面目が潰れたから、せめて保護は自らの手でやりたいという程度の動機。内調こと内閣調査室と外務省条約審議官は単純に国際問題になることを避けるための出動、公安は国内の治安を守るのは自分たちだという自負からであろう。

 306行:弘志が由美子に口にしたこと。

  単純に和美にエロシーンを書く根性が無いせいでカット。

 318行:殴られても平然としている弘志。

  本気を出したらこんなものだろう。いつもは冗談で痛がってはいるが、あくまでも由美子は文学少女なのだ。これが剣道有段の恵美子ならば、本気で怪我の心配をしなければならなくなる。まあ恵美子ならば、相手が怪我をしない殴り方も知っているだろうが。

 328行:借りたお礼。

  前述の元ネタの時、某女子に相談されて和美が言った言葉そのままだったりもする。その後、本当にクッキーを受け取ったのかは、酩酊庵に訊いて欲しい。

 339行:初歩だよワトソンくん。

  宇宙戦艦ヤマトで真田さんが「こんなこともあろうかと」というセリフを言ったと思われているぐらいに、シャーロック・ホームズが言っていない言葉。嘘だと思われた諸兄は、原作をチェックのこと。

 344行:ムクリと起きる空楽。

  彼は忍者なので壁越しに人の気配を感じ取るなど朝飯前である。

 379行:不幸な事故。

  漫画やラノベ、アニメではよくある少年の上に少女が落ちてくるシーンですな。

 (親方ぁ空から女の子がぁ)

  高等部を囲っている壁は、戦時中に戦災を局限するために掩体として建てられたという設定で、高さは三メートル以上ある。そこから落ちてくる成人女性を受け止めるって凄くない?

 439行:人相の悪い男たち。

  前述の弘志が言っていたセリフから、SPやら何やらの実行部隊である。黒いスーツはもちろんギャグだが、服飾規定を守ると同じような格好になる。こうやって並んでいると、本当に人相が悪く見えるから困った物だ。気弱なテロリストなら目を合わせただけで威嚇されて破壊活動を止めてしまうだろう。

  (もしかしたら本当にそんな効果を期待してのものかもしれないが)

 460行:いつの間にかに居る弘志。

  いつも唐突に登場するのは空楽の役回りだが、たまにはその反対もいいでしょ?

 471行:もちろん女。

  映画『カリオストロの城』で、逃亡するクラリス姫を初めて見たルパン三世が、次元大介に問われて答えた風に。

 487行:乾電池のような物。

  久々に登場した弘志の小物である。ここでは催涙弾が登場しているが、他にも煙幕弾や閃光弾などを使い分けている。もちろん演出上の小物として、ただの爆弾のような物もあるが、対人殺傷用の弾片が飛び散る物ではなく、爆圧で物を壊すことに使われることが多い。(閃光弾なんかは『五月の〜』で使った)煙幕弾の充填物が白燐なのか赤燐なのかは判らない。


★2

 3行:A棟の方に〜。

  弘志のセリフから、二人が彼に呼び止められたのはB棟の階段室だということがわかる。

 33行:深夜の〜。

  これで高枝切り鋏がついてくれば完璧だった。分割手数料は負担してもらえるのだろうか?

 70行:空楽の口上。

  『男はつらいよ』のオープニング風に。

 83行:トニー谷。

  ちょっと昔の芸人さんである。英語と日本語をまぜて喋る妖しげさで大人気になった。ソロバンを楽器のように鳴らしながら「あなたの、お名前、なんてえの?」と自身が司会する番組で一般参加の視聴者に名前を訊くのが有名だった。

  『おそ松くん』の「シェー」で有名になったキャラクター、イヤミの元ネタとなった人でもある。

 84行:七曲署の捜査課長

  「ボス」こと石原裕次郎のことである。同じ一九八七年の七月に、トニー谷が十六日、裕二郎は十七日に、相次いで亡くなった。日本中が裕二郎の話題で一杯の中、和美だけかしら、彼の死を惜しんでいたのは?

  (ってか和美の歳もばれるじゃん!)

 86行:エルデーイ王国。

  ドラキュラ伝説で有名なトランシルバニアあたりと設定。冷戦の期間、共産主義が吹き荒れた中を王室がどう生き抜いたのか? とか、近隣で発生したボスニア=ヘルツェコビナ紛争の時はどうしたのか? とか、細かいことは言いっこなしで。そこまで設定していたら第一次大戦前まで遡って歴史を設定しないといけなくなる。

  それと既述だがエリザの本名は「エリザベート=バートリー=なんとか」である。

 90行:身分証の提示を求める弘志。

  相手が日本人なら免許証、外人ならパスポートときくのが普通の人。ここで身分証ときくのが弘志らしい。諸外国では身分証の携帯が義務づけられている国の方が多い。ここら辺で弘志は彼女の正体に気がついていたのかもしれない。

 109行:五月にある奇祭。

  大国魂神社の「くらやみ祭」のことだ。他のお祭りでは、夜に外出は禁止になることが多い中、なんと夜に行われるお祭りなのだ。

 111行:お馬さんがグルグル〜。

  東京競馬場のことだろう。休日に「あなた、たまには子供たちをドコかに連れて行ってよ。朝から晩まで私に子供の世話を押しつけないで」とか母親が言い出すと、府中では高確率で起きる現象だ。

 157行:結婚が〜。

  王太子が結婚するとしたら、相手もそれなりの身分の者なのだろうか? たまに庶民と道ならぬ恋が報道されたりするが、逆に希有な例だからこそのニュースなのだろう。もちろん独身時代だって自由は少ないだろうが、結婚したとなればもっと忙しくなるはずだ。

 189行:組線路。

  トミックスのファインレールあたりか? おそらくこれらも運転会用なのだろう。

 191行~:弘志の変装。

  彼のことだから、学校の色んな場所に変装セットを隠しているのではないだろうか? ここも、そんな拠点の一つだったのだろう。

 201行:弘志とサトミ。

  記憶も性格も同一だが、もしかしたら二つの人格を内包しているのかもしれない。『六月の〜』事故の後、精神的ショックで入院している間に、自分の身に起きたことを受け止めきれず、もう一つの人格を形成したのかもしれない。そうだとすれば、他人から頼まれたときに、変装することに抵抗があることの説明にもなるような気がする。

 232行:話しはきいた。

  『太陽にほえろ』の登場人物ヤマさん定番のセリフ。昔パタリロでタマネギ部隊がネタにしていた。これが出ると事件解決も近い。

 247行:走るの得意じゃないし。

  由美子は足に軽い障害がある。『四月の〜』他参照のこと。

 264行:赤みがかった瞳。

  和美の作品で赤い瞳は「狂気」の、銀の髪は「恐怖」の、それぞれシンボル。よって弘志の瞳も、同じ色だったはずの姉よりも色素が薄くなっている設定なのだ。髪の毛が茶色なのも、黒かった髪から色素が抜けたせいだ。

 271行:呑みかけの〜。

  ドイツの諺。無粋なことをするなの意味。エルザがドイツ語圏から来たからというより、酒に関する諺だから使用したのだろう。

 281行:和訳

  「お待ち下さい、姫さま」

  ここでエリザの顔色が変わるのは、さすがに外国語のヒアリングが苦手な日本人でも、王女(Prinzessin)が英語のプリンセスに近い発音なので、自分の正体がばれてしまうと思ったからだ。三人の顔色が変わらないのは、もちろん空楽は何があっても動揺しないように心がけているからだし、サトミは薄々判っていたから。由美子だけは判っていないのでキョトンとしている。

 288行:和訳

  「ごめんなさい、ゆるして」

 297行:カンバン。

  弘志の持つ「乾電池のような物」は、弾種は問わずに、いつも五発ぐらい持っているつもりで、作品のプロットを作り始める。弾数無限だと話が成り立たなくなっちゃうので。(それでも、かなりのチートだけど) 同じように空楽の木刀とクナイは一本ずつ、正美のペインティングナイフは三本と決めている。

 309行:悲鳴。

  「きゃあH!」がサトミの悲鳴だったらやだなあ…(ごつい黒服だったらもっとヤダけど)

  「どこさわってんのよ!」が由美子だった場合、触っているのはサトミだったりして(どこを、かは判らんが)

  まあ煙幕が晴れた後にヒロインが雄々しく立っているというのは、昔のアニメでよくあった演出でしたな。


★3

 26行:忍者のような体術。

  物理的に、野球ができる程広い校庭を挟んで、校舎から校舎へ飛ぶなんて、本当は無理がありすぎるのは判っているのよ。高低はC棟二階よりB棟の屋上の方がはるかに高いという設定なので、B棟の高架水槽へ、カギヅメを引っ掛けてから飛んだことにしたけれどねえ…。まあ演出上の嘘ということで。

 66行:大小の輪に〜。

  ロープを投げるときの基本。同じ大きさの輪を作って投げても、絡まってしまって遠くまで飛びはしない。交互に大小二つの輪を作ってから投げると、絡まずに遠くまで飛ばすことができる。

 70行:ちょっと痛い。

  いや三階建ての建物から落ちたら、かなり痛い。ここは「そうなったら庇ってやるが、逃げるのが難しくなって、黒服に捕まってしまったら、精神的に痛い」という意味。

 79行:黒服たちの悲鳴。

  そら目の前で王太子が突然どこの馬の骨と判らぬ輩とキスしたらビックリするだろう。もちろん訓練が行き届いている者は平然としていただろうが。黒服たちの中にそういったレベルの者もいるということは、向こうは玉石混合の混成軍なんだよという演出。


★4

 1行:一番東側。

  じつは廊下を挟んで向かいに生物講義室も存在したりする。この話を作ったときは、校舎内の設定が完成していなかったので、廊下の片方は外に面しているつもりだった。ここはC棟一階の一番東側で、かつ廊下の南側と教えられていたが、説明が煩雑化するので後半を省略していた、ということにしておく。

  (じゃダメかな?)

 19行:廊下の凹み。

  設定的に生物講義室脇の教材倉庫の入り口あたりになる。

 32行:物理教師一文字。

  和美の恩師に似ているような気もする。

 90行:Steckdose。

  ネイティブな発音のつもり。本文で説明しているとおり、日本で言うコンセントのこと。

 95行:Punkt。

  ドイツ語で点を意味する。英語でコンセントを意味するPointのドイツ語訳。

 96行:アメリカでは…。

  大西洋を挟んで同じ英語圏でも単語が大分違ってきている。ジェット機のアフターバーナーも英国ではリヒートと言う等。きっと感覚的には東京の人が地方に行って意外な方言に出会ってビックリする程度なのだろう。それか逆に方言に拘る大阪人の方が近いのかな?

 105行:パソコンを導入。

  初稿の頃は学校に一台あれば先進的な学校であった。いまじゃ一人に一台あったりするし、私物のスマホの方が性能が良かったりする。ここではパソコンスキルの授業でなく、角運動量やら熱量計算といった難しい計算を、ノートパソコンに計算ソフトをぶち込んでやらせる授業と想定している。

 149行:中途半端に丸っこい…。

  古い建物だと、いまだに昭和期のナショナル製で(パナソニックではない)楕円形の独立したコンセントが使われていたりする。さすがに、もっと古い碍子引き工事となると、経験は一回しかない。

 185行:キャビネットの移動。

  仕事柄経験があるが、空っぽならまだしも、中身が入っていると嫌になる。とくに中身が本だったら絶望的。

 231行:マグライト。

  弘志が持ち歩いているのは『四月の〜』で説明済み。他にも便利アイテムが、ポケットから色々出てくる。

 258行:多数の偽エルザ。

  同じ服を、こんな短時間に大量に用意できると思えないが、そこはご都合主義優先の法則で。もしかしたら、似ているだけで、ただの青い服という者も混ざっているのかもしれない。髪の毛も、演劇部のウィグを被っていたり、脱色した茶髪系女子なら地毛かもしれない。これも長さがまちまちだろう。重要なのは数を揃えることだ。

 270行~:講義室でのドタバタ。

  ツカチンというのは、もちろん図書室の常連組である、十塚圭太郎のことである。相撲取りのような巨漢がエルザのコスってどうよ? もちろん他にも『常連組』が混じっていても全然おかしくない。それどころか今回出番が無かった正美や恵美子も混じっているのかも。そうと仮定すると、二人の皆勤賞記録は続いていることになる。(幕間は除く)

 298行:構える空楽。

  背中からいつもの木刀を抜こうとしている。いちおう彼が『出来事シリーズ』の中で最強という設定である。相手がSPだろうが中国拳法の達人だろうが、負けることがないように話のプロットを組み立てている。(一回、『五月の〜』で負けそうになったけど、花子の助太刀で回避した)

 313行:山奥槇夫。

  『八月の〜』などに登場する準レギュラー。彼は運転免許を所得しているので、みんなのアッシー(死語)として活躍してくれる。けど、人撥ねたらあかんだろ…。いちおう停車寸前でスピードは出ていなかったし、相手も体を鍛えるのは仕事の内のSPのつもりだから、すりむいた程度の怪我で済んだつもりなのだが。もちろんキリモミ状態で飛んでいくという、昔のアニメを意識した演出である。


★5

 9行:エルデーイ王国大使館。

  まあ外国の大使館は高い壁で囲まれているもんだ(もちろん和美の偏見である)太平洋の真ん中にある島国とかだと、マンションの一室が大使館だったりすることもあるが。

  ここで注目は、警察官が一人だけで、しかも暇そうにしていること。国内政情も安定しており、諸外国とも軋轢が少なく、もちろん日本との関係も良好。ムスリムどももテロの目標にしていないという演出である。(ムスリムだけがテロリストじゃないけど…)どこかと軍事的衝突を起こしていたら「平和団体」が押し寄せていることだろう。

  またエルザの出奔も、一般警官には知らされていなく、伏せられているという意味もある。日本と同じような平和な国だという設定がエルザには似合うと思うんだけど。脇役にすら幸せを用意したら変かな?

 40行~:二人の会話の和訳

  エルザ「ごめんなさい! どうかゆるして」

  エルザ「大学生だと身分を偽っていました」

  エルザ「私は王太子の…」

  空楽「あなたは、ただの学生だっただけさ」

  空楽「あなたの人生に幸せを」

  (「さようなら」の慣用句である)

 66行:オマエ。いつ英語〜。

  由美子のセリフから、彼女も空楽の成績は把握しているようだ。

 77行:ジャーマン帰りの〜。

  和美「空楽がドイツ語喋れたらおかしいかな?」

  酩酊庵「いや、おかしくないぞ。彼にはジャーマン・ニンジャの知り合いが居てだな…」

  という或る日の二人の会話から生まれた設定。本当かどうかかは定かではない。

 88行:いつもは見せないような表情…。

  由美子も女のカンというやつで、エルザが言っていたことを察していたのかもしれない。ただ、あまり問い詰めるのもヤボなので、この程度で終わらせているのだろう。本当に知りたかったら、殴ってでも聞き出すだろうから。

 106行:弘志のヤボ用。

  エルザが大使館に戻ったので、清隆学園のまわりをうろついていた公安などが引き上げると予想できるので、色んな所に連絡する必要が出来たのか? またはエルデーイ王国王太子の失踪していた原因というネタを情報屋に売りに行ったのかもしれない。

 111行:弘志の別れの挨拶。

  もちろん二人の会話を理解していたという演出だ。戦闘能力で空楽が一番強いのと同じように、頭脳労働で弘志に敵う者はいないという設定なので、当然外国語に関しても弘志の方が上手である。(じゃあ正美は? という尤もな疑問は置いておく)蛇足の和訳だったり、本文中のドイツ語が間違っていたら、和美の頭が悪いせいである。


★結

 全体:

  エルザの母親と、物理教師一文字が昔恋人同士だったというネタは、初稿を上げた後に思いついた設定だったりします。今回、やっと温めていたシーンを挿入することができました。彼が現在妻帯者なのかどうかも含めて未設定なのですが、清隆学園で物理教師をしている理由の一つが、この想い出のラクガキの保全というのは如何でしょうか?

  部屋の片付けは、もちろんこの後一人で寂しくやったんじゃないかな? 経験上、一人でも小一時間もあれば終わらせることができるはずだし。


 三月の出来事


 タイトル:とうとう『〇月の出来事』シリーズも最後の三月となりました。来月から旧名でシリーズが続きます。とりあえず次回は『弥生の出来事』です。という嘘をつく。

 登場人物紹介:今回はラスト(の予定)なので、各キャラクターの特徴を再確認していきたいと思います。

  ・藤原由美子。言わずとしれたメインヒーロー…。じゃなかったヒロイン。学園最恐とされているが、和美はもうちょっと現実に近い女の子としてみた。男どもが殴られて痛がっているのは半分冗談というつもり。ヒロインらしく一番女の子らしい(と和美は勝手に思っている)

  ・郷見弘志。頭脳労働担当。彼が科学の(偏った)知識を披露する度に和美は図書館で専門書と首っ引きになる。いつも微笑みを絶やさないが、じつは感情に欠損があり、彼なりの無表情という設定。

  ・不破空楽。最強という設定を持つ彼であるが、動き出すまで時間がかかるので、ちっとも強い気がしない。すぐに腕組みをする描写があるが、精神学的にそういった人間は、その場から逃げ出したいと考えていることが多いそうだ。

  ・権藤正美。主人公を張れるスペック持ちのくせに、他の二人がアレだから全然目立たない人。そのうち「ゴンなんとかさん」とか呼ばれないか心配。頭脳明晰で真面目だが言動が最悪。実は腕っ節も普通の人より強い描写のはずなんだけどねえ。

  ・佐々木恵美子。三女神の中で最強で、空楽が動かない性分なので、実質で最強戦力。さらに『学園のマドンナ』という美人設定。ただ実際にこんな娘がいたら、付き合いにくくて彼氏居ないだろうな。(実際、出来事シリーズ内で彼氏できなかったし)

  ・岡花子。男子で正美が目立てないと同じように、女子では彼女が目立てない。スペック的には美少女なんだけどなあ。


★1

 10行:加賀沼祥子。

  いちおうモデルは無いつもり。今期の生徒会は、金儲けしか考えていない生徒会長とか、(裏)投票の集計に熱心な執行部とか、ろくな人材が揃っていなかったりする。だからこそ、彼女の権力が強化された側面がある。ただ生徒会長の山田亜紀登の個人的な人気が高いので、支持率はそれなりにある。祥子は「どんな学校にも一人はいる」程度の美少女のつもり。ちなみに恵美子は「全国行脚してやっと見つかる」美少女でもいいし、祥子よりはマシだけどTVの取材が来るほどではないでもよい。和美は文章表現においてなるべく前者を、物語の構成に関しては後者のつもりで書いている。

  それと生徒会長山田亜紀登の任期だが、昨年の二学期における選挙で、一年生にして生徒会長就任。今年の一学期まで任期を務め、二学期選挙で再任され二期目に入っているものとする。

 62行:祥子の腰巾着たち。

  美女の手下といったら、背の高い痩せた奴と、背の低い太った奴と相場が決まっている。これで「アラホラサッサ〜」と言ったら完璧。

 86行:突きつけられる人差し指。

  逃げるとしたら、ステップバックして後ろだろう。もちろん剣道で、自分の間合いを把握している恵美子だからこそできる技だ。

 143行:自分のバッグから靴を出す弘志。

  どんな災害に遭っても生き残るのが彼の信条なので、すぐに避難できるよう靴を持ち歩いているのだ。

 145行:靴箱を開く恵美子。

  『学園のマドンナ』たる彼女は、靴が盗難されないように、蓋にはカギをかけていると思われる。たくさんの手紙は蓋の隙間から差し入れられるので、ライバルの手紙を破棄できないのだろう。

 215行:冬の行事。

  バレンタインやホワイトデーのドタバタは、酩酊庵が書いたショートショートがあるのだが、彼が発表する気にならないと、お蔵入りだな。

 241行:つきあう気ないから。

  弘志のセリフ。本心かどうかは判らないが、天の邪鬼な弘志が言うと、じつは気があったりして、と勘ぐれたりもする。本心は本人にも判っていないのかもしれない。

 264行:それに…。

  由美子のセリフ。この後に「あたしは、他に彼氏いるもん」と続けようとしていたと思う。

 271行:弘志とデートをすると言い出す恵美子。

  特定の彼氏がいないということになっている割には、正美と二人で出かけているというネタは仕込んできたんですが、なぜここで弘志と? あまりにも正美が草食系男子なので、焚きつけるためかしら? それとも(まだ彼氏がいないと思っている)由美子を焚きつけるため? 実際は、ただデートがしたかっただけだったとか。同じく図書室に居る美少女、花子に対してやらないのは、彼女と空楽との仲がすでに完成されてしまっているからだろうか?

 279行:壁から落ちてくる団体。

  後の文章から判るが、空楽と正美、それと『常連組』レギュラーの有紀、圭太郎、明実、優である。

 290行:反対側から引っ張る由美子。

  両手に花ですなあ弘志。うらやましい。もちろん、由美子にとって深く考えての行動ではない。彼女にとって(絶対に認めないだろうが)彼氏がいても好意を抱いている男子の一人なのだろう。

 296行:愕然とする正美。

  そりゃそうだろ。だって『十二月の〜』ではキスまでしてるのに、ココに来てのこの宣言。いくら草食系の正美でもショックを感じないわけがない。

 352行:泰然としている弘志。

  悪意や害意を向けられることに慣れてしまっている彼が居る。

 385行:有紀を見おろす由美子。

  設定上身長180センチの有紀に対して、165センチちょっとの由美子が見おろせるわけがない。だから心情的と但し書きがついている。

 397行:合掌する優。

  ええと、君はたしか某教団では…。

 404行:多摩動物公園の昆虫館。

  和美が好きなデートスポットなのに、我が家のご意見番は鱗翅目全般が苦手なので行けない。

 456行:失礼ね、あなた。

  たしかに。でも弘志にとってどんな美少女でも他人は他人なのかもしれない。

 464行:デートをやめるように勧告する空楽。

  後に彼が解説役を担当している事から、すでに弘志の行動はこの段階で予測できていたと思われる。


★2

 5行:F市の中心部にある私鉄駅。

  KO線府中駅のつもり。待ち合わせしている店は、かつてあったモスバーガー府中店のつもりだったが、再開発事業で取り壊されてしまいました。

 13行:恵美子のファッション。

  黄色いマフラーといい、サブローハカイダーといった感じを女の子で表現してみました。サブローならば黒のライダースーツを着せれば簡単だけど、それじゃサブローを連想する前に、峰不二子になっちゃうから却下した。

 30行:由美子のファッション。

  町歩きに及第点といったところかな? 彼女は足に軽度の障害があるという設定なので、パンツルックを選ぶ傾向がある。

 55行:弘志のファッション。

  彼のまともな私服姿はこれが初だったりする。他は必ず女装しているという「男の娘」率の高さ。この他には『一月の〜』の宴会にチラっと出てくるだけだ。

 72行:手を差し出す弘志。

  こういった小さな事の積み重ねが女子から受けるポイントの増減に影響する。

 76行:トランシーバーでやり取りしている正美。

  これの原型が書かれた時点では、携帯電話の普及率がさほどでもなかった。ここでは、わざと変更していない。誰も利用していないからこそ、ノーマークで盗聴の心配が低いからだ。もちろん万が一に備えて相手の返事が、スイッチノイズだけという念の入った態度(たかがデートの尾行なのにね)ちなみにスイッチノイズでの意思表示は、まだ和美がヤンチャだった頃、元グリーンベレーのおじさんに教わった技。

 128行:トランシーバーの相手。

  あやしげな方言から有紀だということがわかる。

 161行:珍獣たち。

  ・立つレッサーパンダ。千葉の動物園にいるレッサーパンダが後ろ足だけで立ったからとニュースになった日本は、平和な国だと思う。あの年は色んな動物が(猫とか犬とか赤ちゃんとか婆ちゃんとかクララとか)二本足で立ってニュースになった。

  ・クリオネ。流氷と共にやってくるプランクトンの一種。貝殻を持たない泳ぐ貝である。ショコタンの「バッカルコーン」の元ネタ。

  ・ウーパールーパー。メキシコサンショウウオの幼形成熟個体の通称。TVのCMに使われて日本じゃ有名になった。もちろん三メートルもない。

  ・コアラ。オーストラリアから来たときは大騒ぎになった。今じゃ多摩動物園のコアラ館は閑散としている。

  ・ラッコ。水族館の人気者。ぼのぼので有名に。

  ・エリマキトカゲ。車の宣伝に使われて一時期話題になったが、あっという間に廃れた。転じて日本人の飽きやすさを象徴する事件として扱われている。

  ・ジラース。ウルトラマン第十話に登場するその名も「襟巻き恐竜」その実態は怪獣の着ぐるみの生産が間に合わなくて、急遽登番が決定したゴジラの着ぐるみに、そのまんまじゃなんだからと襟巻き状のヒダをつけた怪獣。鳴き声までゴジラの物だった。ウルトラマンは何と格闘中に襟巻きを剥がしてしまうという暴挙に出る。

 222行:春にバスから〜。

  『四月の〜』参照。

 274行:ツァイス。

  カール・ツァイス。ドイツの光学機器製造会社である。その精度だけでなく頑丈さでも知られ、同社のカメラは、持ち主の戦場記者が迫撃砲弾を受けた時、本人は戦死したがカメラは無傷だったという逸話は有名。ゴツイ外観なので由美子が持ち歩いているとは考えにくいため、ここではマイクロバスの所有者である山奥先輩の私物としておく。

 283行:岡花子登場。

  ここまで出番がないなんて、不憫な子。着ているダッフルコートはおそらく『十二月の〜』で着ていた物だろう。

 341行:北斗七星。

  死兆星が見えるのはトキだけじゃなくて、視力のいい人なら簡単に見つけることができる。(実在していると思っていない人も多い)ここから方角を知る方法は義務教育でやるはず。ちなみに圭太郎のモデルになった人は、北斗七星もカシオペアも使わずに北極星を見つけることができるという能力を持っている。

 344行:遭難。

  この『〜出来事』シリーズだけでも結構遭難しているが、それ以外でも事件事故に巻き込まれているという設定がある。ネタ帳には墜落事故や豪華客船沈没に巻き込まれたりするメモがある。それはまたいずれ。

 429行:臨界デイカレンダー。

  原理は簡単である。なにせ原子爆弾と同じなのだから。確かに核爆発が枕元で起きれば、いくら空楽でも起きるの間違いなし。ただし起きるのが、寝た場所でなく極楽浄土の蓮花の上に変わっているだけだ。

 489行:ベンチを指差す空楽。

  結局、空楽と花子のペアもデートになってないか?

 492行:断熱シート。

  災害時に避難所で配られるアレ。発売当初より色のバリエーションも増えた。

 516行:コジローは会ったこと〜。

  弘志の母親には恵美子は、ここに収録されていない梅雨の時期に起きる事件で会っているのだ。空楽の恋人に間違えられるという事件が起きる。

 536行:あら、ケチね。

  恵美子に覗かれたら何が入っているか描写しなきゃならなくなるでしょ。そしたら窮地の時に弘志が「こんなこともあろうかと」色々な道具をそこから取り出せなくなる。

 548行:旧日本軍で制式化されていた拳銃。

  南部十四年式のこと。ここでは実銃ではなく『十一月の〜』でも使っていたエアーソフトガンである。

 564行:連続した爆発。

  弘志が発射したBB弾が爆裂弾だったわけじゃなく、怪しげな発明品は衝撃を受けると爆発する。そういうものである。

 609行:胸にも、弘志は興味なさそう〜。

  もしかしたら弘志には性欲という物も欠如しているのかも。普段あれだけエロ発言していても女子たちに嫌われないのも、そこから欲望が感じ取れないからかも。つまり弘志は普通の人間を演じているだけの、一種の「哲学的ゾンビ」という奴ではないだろうか? 経験は積み重ねられているので、求められる全ての条件を満たしているわけではないが。

 626行:段々と視線を外す恵美子。

  彼女が本心を漏らしている証拠でもあろう。女子ならば嘘を勘ぐられないように、強く相手を睨み付けるという動作が出るからだ。また最初から目を外していないのも信憑性を高めている。

 638行:再起不能にしてきた。

  詳しくは『六月の〜』参照のこと。

 656行:中学の時にもいたし、清隆に入ってから〜。

  中学の時に好きになった相手は『六月の〜』登場人物の誰かであろう。サトミでもいいし、最後に別れるレミ先生でもいいし。和美の説は、女装の時に呼び名に拘るところから、サトミ説に一票。彼女を永久に失ってもなお焦がれる精神が、自分の女装姿に投影されているのではないだろうか。清隆に入ってからの方は、後のセリフから、このシリーズでの影のヒロイン池上透である。

 670行:会えなくなっちゃった。

  そりゃそうだろう、透は一月に亡くなっているのだから。恵美子は事情を知らないので、会話にすれ違いが生まれている。

 702行:オレのも入ってたんだぜ。

  逆に本当にラブレターを出していたりして。本気じゃなくて賭けの対象として。


★3

 42行~:サトミのファッション。

  三月の冬空では少々寒そうな服ではある。

 68行:煤けた空楽。

  もちろん明実の発明品が前章で爆発したときに、それから花子を庇ってである。

 90行:パットにコルセットに矯正下着。

  本物の女性だってこういった物に世話になるのだから、サトミが使用していたっていいじゃない。それに寒空の下では、防寒を兼ねるし。

 97行:睫毛。

  全ての女性がこれに恵まれていたら、つけまつげなんていう物は商品化されていないわけで…。ビューラーとは自分の睫毛をクルクルって捲く器械っていう説明で判る?

 107行:魔法のステッキ。

  最近じゃ「すぅいーつぱくと」なる変身道具で変わるヒロインがいるぐらいだ。女の子の永遠の憧れなのだろう。

 159行:同じ失敗をしないのが研究者というモノだ。

  と言う割には、作る発明品が片端から爆発する明実なのだった。

 169行:こんなこともあろうかと。

  科学者ならば一回は言ってみたいセリフだろう(と勝手に推察)でも小惑星探査機『はやぶさ』で実際に日本の科学者たちが乱発したらしい。だが予測できるなら最初からトラブル回避しろよという、もっともな意見もある。

 170行:『ブルーシックス』

  潜水艦ならば『青』で『6』じゃないとな。昔、少年サンデーで連載されていた海洋冒険マンガ『青の6号』ネタ。

 174行:鉄人が〜。

  もちろん何度もアニメ化された『鉄人28号』のこと。善いも悪いもリモコン次第。

 241行:コーンという金属音。

  潜水艦が出てくる色々な映画で有名なアクティブソナーの音だろう。

 256行~:専門用語を連発する正美。

  よく判らない方は景気づけだと思ってみて下さい。いちおう魚雷に狙われた潜水艦の対処としては、間違ってはいない。

 269行:707。

  もちろん七〇七といったら『青の6号』と同じく少年サンデーで連載されていた海洋冒険マンガ『サブマリン707』である。ちなみに海上自衛隊所属の潜水艦という設定だが、最新鋭(平成二十九年四月時点)の『せきりゅう』の番号が五〇八、建造中の『せいりゅう』は五〇八。計画中の最終艦八一二七艦が五一二の予定であるから、七〇七にはまだ遠い。

 306行:一番から三番まで魚雷発射。

  じつは一目標に対して、最大二発がいいところなのだが、まあ大盤振る舞いをしたということだろう。もちろん魚雷と発射管が装備されていたのは「こんなこともあろうかと」思っていたからだ。

  この直前にデコイを二発発射して、ここで三発撃ったということは、明実の潜水艦には最低五つ発射管が装備されているということだ。

 365行:再びの「こんなこともあろうかと」

  そう思っているなら最初から駆逐艦を出撃させておけばよかったんじゃね? 潜水艦と共同作戦を取らせれば戦術にも幅が広がっただろうに。

 370行:一個水雷戦隊。

  戦艦『大和』の時代ならば、四隻の同型駆逐艦で駆逐隊を編成し、軽巡洋艦を旗艦として四個の駆逐隊を集めて水雷戦隊とした。合計戦力は軽巡洋艦1隻に駆逐艦16隻となる(日本海軍の場合)これに水雷母艦やら支援艦が附属した例もある。逆に大東亜戦争末期では駆逐艦の消耗が相次ぎ、一隻だけの駆逐隊なども存在したくらいだ。戦艦『大和』が沖縄特攻で沈んだ時は、お供した第二水雷戦隊は軽巡洋艦一隻に駆逐艦八隻だった。戦後の海上自衛隊は『新八八艦隊構想』で、一個護衛隊群の定数をヘリコプター搭載型護衛艦一隻、対空ミサイル護衛艦二隻、汎用護衛艦五隻の合計八隻としていた。現在もこの思想は(所属している護衛艦が更新されてイージス艦などに進化しているが)受け継がれている。

  よって、この場面での明実の艦隊は、日本海軍と海上自衛隊の中間を採って、駆逐艦八隻程度ではなかろうか。

  艦船ネタになると突然ウンチクが長くなる和美なのだった。でも「艦これ」のおかげで、こういったネタについてこられる方が増えた。

 382行:背中が平らな〜シーバット。

  モーニングで連載されていた架空戦記マンガ『沈黙の艦隊』ネタ。主人公、海江田艦長が指揮する日本初の原子力潜水艦が、政治的な理由で海上自衛隊所属として就航できず、アメリカ海軍の『シーバット』として竣工するところから話しが始まる。


★4

 13行:濡れていないサトミ。

  まったく飛沫がかかっていないという事はないだろうが、濡れ鼠になった祥子に比べたら遥かにマシである。どうやって潜水艦を操作していたかは判らないが(おそらく自律していたのでは?)ボートの近くで爆発する瞬間に、オールを捌いてボートの向きを変えて、自分だけ避けた、というあたりが真相ではないだろうか。

 89行:私だってサトミのこと〜。

  このセリフから弘志と別れた後やっぱり気になって由美子たちとは別に尾行していたことが伺える。

 126行:鳩が豆鉄砲を食ったような程度のものではなく〜。

  マリアナ沖海戦ですな。

 137行~:驚愕する常連組たち。

  誰がどのセリフを吐いたか、実は決めていなかったりする。怪しげな方言が混ざっていないので、有紀だけいないのか、それとも無言なのか。それともあまりの衝撃に標準語になっているとか。

 166行:ああ、彼か。

  恵美子は由美子と同じクラスなので、図書室以外でも一緒にいる時間が長い。ちなみに御門明実も同じクラスである。

 180行:だって図書室のぬ〜。

  ぬしだの、悪趣味だの、どんな物好きだの、言いたいほうだいですな。ちなみに女の姿のままなので、喋りはサトミのままである。

 199行:高尾山ケーブルカーの鋼索。

  日本の“鉄道” の中で最も急勾配の同鉄道の鋼索が、実際に切れたら大事件だ。もちろん十重二十重の安全装置が装備されているので死傷者が出ることは無いだろうが。



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