第3話「洞窟探検・前編」
さて、洞窟探検に行くか…じゃねぇ!ふざけんな!ちょ待てよ!おい!転生してきたんならなんで持ち物あるんだ?ん。いや、素朴な疑問ですよ。
「な、おい。あのさ」
オドオドしながら声を掛ける。
「え、なに」
「なんで俺のバッグは存在すんの?ほんとに転生?」
「え…あ、えっと…」
何なんだよ。隠してんのか、なんか。ふむ、なんかにあったスキル「読心」を使おう…なにも…見えん…使いこなせないな、まだ。
「あ、わかった」
なんか閃いたっぽい。何だろか。
「えっとね、トオル。私も確かに疑問はあったの。なんで転生者なのにバッグがあるのか」
「え、普通はおこらないのか?」
「ていうかそもそも転生なんて普通はならないんだけどね…私が凄いから」
さらっと自慢したぞこの人。
「え、精霊ってそんなすごいの?」
「凄くないよ。精霊召喚で呼び出されなければ強い精霊以外何も出来ないし。あとこのハイドピッグっていう世界には私数日しか入れないもん。連続してはね。実は精霊世界の方に行くからさ、私4日ぐらいしか入れない。ま、普通はそれでも凄いんだけど」
びっくり仰天!!あーら不思議!!なんとま、あの子四日しかいれないらしい。しかし、そこで疑問が生まれる。
「俺、召喚してないよな?」
「あ、今は自分の力で来てんの。地球にも自分から行けるほど強くはないけど……。それは倒された時に私死ぬかと思ったら転移?してたのね、地球に。まぁ、魔素持ってたから変になったのよ。地球には何日もいれたわ。でも、こっちは無理よ。ていうか、トオルと私を同時召喚したから、疲れてるから、もうすぐ帰るけどね」
え。普通にびっくり。つか、召喚できてないよ?っていうツッコミはダメなのかな?
「えほん!!」
えほんて……
「話がずれたね。何の話してたっけ。まぁいい事にしていて、いこう」
「俺のことだよ。なんで持ち物あんのか」
あ、それね。という感じで思い出したっぽい。
「えっとだからトオル!貴方の荷物は私が触れていたからきたのよ!分かったかしら?」
わからん。触れてないやん。俺に触れてただけやん。それをカウントされるのか。えぇ…
「あと、名前がない理由はトオル。君は特異的に発生したモンスターなのよ、だからこうなっちゃった」
「え?」
「転移が成功するとはっきり思ってたの」
「そこはてっきりだろ…?」
もう面倒だ…早くいこ…そうやって自分に言った。
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「私が察するにここは、この洞窟は、ランクB+ね!ボスはそのくらい!」
前も言ったろ……。何度言うんだよ。
さて、洞窟の中は…。やっぱダンジョンなんだね。
「ちっ」
面倒だ。昔RPGゲームはやったことはあったがダンジョンには時間かかったんだよな
秘密のダンジョン的なのは隠し通路は無かったけど落とし穴とかあったよな。ここでもモンスターが…
あ、コウモリ。えっと、何してくんだ?コウモリって俺めっちゃ苦手なんですけど。
「プワ」
高い声でなんか放って…え、雷!?電気かよ!?
「ちょ、何あれ?」
「トオル、解析!解析!」
えっと…あいつの目を見るのかな?いや何もならん?てか目合わせたくない。
「あーもう!解析発動!」
叫んだらどうだ?お、なんか視界に情報が…
「トオルぅ!」
え?
「うわぁ!!」
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ちょ頭に衝撃が…電気かよ。めっちゃ痛いんだが?怒った。
さっきの旋風魔法を詠唱して、使う。
「おりゃっ!!」
風に吹かれてコウモリは岩に当たった。おーっと、コウモリ選手!立ち上がれません!
よし。
破壊魔法とやらを。厨二病セリフを言うとするか。ええと、魔法書魔法書……。よし。
「天から地へ降り立つ破壊の意思よ。我の力となりて敵を攻撃せよ!ブラックブラスター!!」
イメージを左手に固めて…やば。手の先に魔法陣が…。これが…魔法?お…紫と黒の鮮やかな光彩から…狙いを定めて…発射!!
所謂闇の光線だ。妄想か?と思うほど嬉しい。ファンタジー最高だな。後には死骸が残っていた。いや、グロい。
「お、倒したねー!?」
ほんと、お前元気で恐いわ。こういうとこだよな。躊躇しないで人殺しそう。ヤンキーじゃん!?レベルが違うな!?ヤンキーとはな!?
「んじゃ、解析してみなよ」
森羅万象にお願いしますしとくか。同期しといたから…ムリっぽい。見たくないよ。
(解析完了。属種:電気蝙蝠。
スキル:電光、超音波を獲得しました。)
超音波。出されなかったな。可哀想に。俺がやったんだっけ。やばい。これが魔人の発想??洗脳されていく…。俺はさぁ、魔法を使えるんだよな。魔素をイメージして具現化し実体化したり攻撃などする能力、魔法だ。冴えてる俺が魔法を使える…?
「ちょ、ベル!見てろよ!」
「何?トオル。」
俺は旋風魔法以外も使えるのではないか、と。ということで、俺が一番使いたかった魔法、その具現化を創造魔法で補う。よし。魔法書はしっかり見た。
「炎炎の炎に消せし、我を灯せ。初炎。」
火を手から出すイメージ、手から炎きたああああああ!!!来たよ?火が?よっしゃー!!嬉しい。
(炎系魔法を習得しました。)
お、おう。出来たぞ。
炎の魔法が。ついでにさ、あの…必殺技を作るにはどうすればいいのだろう。
「な、ベル。必殺技ってどうすればいいんだい?」
「そんなの簡単よ。必殺技なんて適当に想像しとけば、いいんだよ。」
へっ、へぇっ、へえぇぇー、ふぇっくしょん!!くしゃみが出た。良くわからないなぁー。しょうがないなぁー。やるしかないのか。じゃ、やってみるかー。ちょっと俺が昔から考えてた物をやっとこ。んー。なんだろ。中2病の俺に考えさせれば、いいのが生まれるぞ。さて、行ってみるとするか。