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王女の従者  作者:
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23/27

第23話 松堂家の人々

 俺が場所の確保に奔走している中、続々と一族の人間が集まってきたようだった。

 そのため俺がすべてを終えてソフィアの私室に行くとすでに半分近くのものたちが集まっていた。

「よう、ユキ、聞いたぞ、当主になったそうだな」

 そう言ってきたのは従兄の雄太兄さんだった。

「ああ、まぁね、でも、俺でよかったのかは疑問だけど」

「気にすることないわよ、私たちは気にしないしね」

 そういったのはまた従姉だ。

「そうよ、ユキ、堂々としていなさい」

 姉ちゃんは嬉しそうにしていた。

「まぁ、とにかくみんな場所の確保できたから来てくれ、ああ、あと念のため隠密で行動してくれ」

「わかってるって」

 それからみんなで会場に移動し、残りのものたちを待った。

 この場所へと先導役を買って出てくれたのは姉ちゃんでソフィアの部屋と会場を行ったり来たりしているようだった。

 ソフィアはというと俺と一緒に会場に来ていた。そのため一族の連中から質問攻めにあっていた。

「悪いな、ソフィア」

「いえ、皆さま、ユキ殿の親戚の方々なんですね。とてもいい方々です」

「そう言ってくれると助かるよ。ていうかみんな、ソフィアは一国の姫なんだから少しは遠慮しろよ」

「そう言われてもね、気になるじゃない」

「そうそう、本物のお姫様なんてめったに見れるものじゃないしね」

 なんだかそんな感じだった。

 招集をかけたその日には全員が集まることはなく、集まったのはその次の日だった。

 その理由は一番遠い場所にいた耕太おじさんが原因だった。

 耕太おじさんは親父の従兄に当たる人だが、この人は今傭兵をしている。松堂家においていまだに戦地にいる人だ。

「悪い、悪い、待たせたか、それにしてもすごいなここは」

「耕太兄さん、相変わらずだな、でも、よく来てくれたよ」

「なに、当主自ら招集となればな、それにこの世界のほうがおもしろそうだ」

 松堂家の人間は全部で、二十七人今この場にいるものたちで虎作さん以外全員だった。

 俺は集まったことを確認してから前に立った。

「みんな聞いてくれ、親父から聞いていると思うけど、俺は松堂家の当主となった。反対のものがあれば今言ってくれ」

 俺はしばらく待った、しかし、誰も文句を言ってこなかった。

「ありがたい、それじゃ、当主として頑張っていくことにする。それじゃ、まずは新たな仲間を紹介する……」

 俺がそう言って虎凛を呼ぼうとしたとき、ふいに会場にソフィアの騎士の一人が入ってきた。

「ユキ、お客だぜ」

「客? 誰だ?」

 俺がそう聞くとそこに入ってきたのは見たことある人物だった。

「お、お父さん!」

 それに驚いたのは虎凛だった。そう、入ってきたのは虎作さんだったのだ。

「虎作さん、どうして」

「ああ、トリタニアの危機と聞いてね、カスパル様からここに行くように命を受けたんだ」

「そうだったんですか、ちょうどよかった、こっちに来てください、虎凛も」

 俺がそういうと虎凛と虎作さんが俺の隣に来た。

「里にいた連中は知っていると思うけど、彼女は虎凛、百年前行方不明になった虎助さんのひ孫にあたる。そして、その隣にいるのはその父親で、虎助さんの孫の虎作さんだ、虎作さんはこの世界ですでに戦場に立ったことがあって、そのとき戦場の悪魔と呼ばれていたらしい」

 俺がそういうと皆が感心していた。

「へぇ、すごいな」

「うんうん」

 どうやらみんな受け入れてくれたようだった。

「虎凛ちゃん、よろしくね、同じ松堂家の一族なんだから私たちはもう家族だよ」

「はい、ありがとう」

「こ、これが、祖父の帰りたかった場所なのか」

「そうですよ、虎作さん」

 俺はそういうしかなかった。

 それから少しの間虎作さんと虎凛が話題の商店となったが、いつまでもそういうわけにもいかないので俺は本題に入ることにした。

「それで、みんな、実は……」

 俺はこの国で起きたことをすべて話した。

 さすがに戦争のこととなるとみんな真面目な顔になった。

「……そうか、それで、当主としてはどうするんだ」

「ああ、俺は、すでにここにいるこの国の第二王女、ソフィアに忠誠を誓っている。だから、この国を助けようと思っている」

「そうか、なら、話は早いな」

「そうね」

「ああ、まったくだな」

 みんなそういうと一斉に地面に座り込み始めた。

 そして、正座で頭を下げた。いわゆる土下座の格好だ。

「えっ、これは一体」

 それを見て驚いたのはソフィアだった。

「まぁ、儀式みたいなものだよ」

 そう言ってから俺もみんなと同じようにソフィアのまえで土下座をした。

 すると親父が先頭に立って言い始めた。

「我ら、松堂家一同、二十八名」

 そこからは俺のセリフだ。

「トリタニア王国第二王女、ソフィア・ドゥ・トリタニア殿下に忠義を誓います。以後何なりとお申し付けください」

 ソフィアは何やら面を食らったようなだったが、さすがは王女、状況が分かったようだ。

「わかりました、みなさん、これからもよろしくお願いいたします。早速ですが、今、我が国は私の兄、つまり第一王子の反逆により国家存亡の危機に瀕しております。ぜひ皆様のお力をお貸しください」

 それを聞いた俺はすぐに返事をした。

「はっ、身命を賭して」

 俺はそう言ってから立ち上がり言った。

「まぁ、こんなところだよ、これで、俺たち松堂家はソフィアの命令に従う」

「そうですか、皆さま、改めてよろしくお願いいたします」

「なに、我らも、地球において居場所を失った一族ですからな」

「どういうことですか」

「俺たちは剣の達人の一族として昔は戦争で活躍することができた、これは話したよな」

「え、はい、お聞きしております」

「でも今の日本には戦争はないし、外国での戦争も剣は使わない、だから俺たちの力は使い道がなかったんだ。でも、この世界は違う、この世界なら俺たちの力が役に立つからな」

「そうよ、だから、私たちはソフィアに感謝ってことね」

「そうそう、これでやっと暴れられるってわけだよな」

「まぁ、ちょっと怖いといえば怖いけどね」

「その割には笑っているじゃないか」

「ばれた、怖いのは本当だけど、それよりも楽しみ」

 こうして和気あいあいと言った感じで俺たち松堂家と主ソフィアの対面は終わった。

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