第十話 パチモノ聖女と帝国の宴(後)
フォアン帝国の宴は、結婚式の披露宴みたいな感じだった。
部屋の中央奥寄りに高砂席があるのである。席は四人分。想定されているのはわたしと、特使であるリャンさんと、皇帝陛下夫妻。
一段下がった会場には、円卓がいくつも用意され、それぞれにフォアン帝国の人たちが座っている。全員フォアン帝国の正装を着ているため、洋風ドレスのわたしが浮くのは間違いない。
入場は円卓が埋まってかららしく、控え室で待機するようにと指示される。
緊張でガチガチに固まっているわたしに、リャンさんが声をかけてきた。
「昨日はお疲れさまです。まさか一日で浄化してしまうとは驚きました。アクアシュタット王国の聖女は、評判以上ですね。『本物』ではない、などと難癖をつけるような真似をして本当に申し訳なかったと思います」
「あ、あはは……。ありがとうございます」
浄化したわけではなかったんだけど、そのあたりはどういうことになっているんだろう。
「本当はこのままフォアン帝国に留まっていただきたいところですが――お戻りになるのですよね?」
「はい。アクアシュタットの泉を浄化するのが、約束ですから」
「それが終わったら、改めてフォアン帝国にご招待させていただいてもよろしいでしょうか。今度はもっとゆっくりと、帝国の見所をご案内させていただきます。約束だった食事の方も」
「そ、そうですねえ。……機会があれば」
十二の泉を浄化すれば、わたしは日本に帰る。だとすれば、その機会はなさそうだと思いながらあいまいな笑顔を浮かべた。
「機会は作るものだと思っております」
にこりと彼は微笑んだ。
「私は特使として、聖女殿と共にアクアシュタット王国に向かう予定ですので。今後もおそばで活躍を応援させていただきますよ」
「え?」
「元々帝国とアクアシュタット王国は友好国ですからね。雷鳥の巣ができたということは、今後行き来が不便になる可能性もありまして。今後の関係のためにも常駐の大使がいた方が何かと良いだろうと提案させていただく予定です。そうなれば、私はアクアシュタットに屋敷を設けてそちらに住むことになりそうですから」
「え、え、え……」
反応に困ることを言われ、わたしは顔を引きつらせた。
今でさえけっこう困っているのに、リャンさんが王都にやってくるということは――……。……あれ。でも、わたしは騎士隊の方にご厄介になってるわけだから、毎日会うわけじゃないし、別に問題ないのかな。
「そ、そうですね。それなら、お会いできる機会は増えるかも。せっかくお知り合いになれたのですし、仲良くしていただけたら嬉しいです」
わたしが答えると、リャンさんは少しばかり意外そうな様子で、にこりと笑った。
「ひとまず今夜は私が通訳を務めさせていただくことになっておりますので」
通訳いらないよね!私、理由は分からないけどアクアシュタットでもフォアンでも、言葉で苦労した覚えがないんだけど!
「間もなく席も全員埋まるころですし、そうしたら――」
そう、リャンさんが片手を差し出してきた時。
控え室のドアがノックされ、入ってきたのは意外な人物だった。
円卓を埋めた人々が、ざわざわと噂し合っているのが聞こえてくる。
部屋の中央を進み、リャンさんに誘導されて席へと進むわたし。……と、パートナーさん。
是非にと請われ、わたしはパートナーさんの腕に手を添えている。男女ペアで入場する時は、こうするのが礼儀なんだそうだ。
皇帝夫妻の席にはまだ誰もいない。彼らの登場は、わたしたちよりも後だから。
リャンさんが、そのままわたしと――パートナーさんを席へと案内した。どこか納得のいかない表情を隠したまま、リャンさんは脇に控える。パートナーさんに席を譲ったので、彼には席がないからだ。
申し訳ないと思いながら、わたしは隣の席に座っている人物へチラリと視線を向けた。
身長百八十センチ以上の長身だけど、実際はそれ以上に見える。堂々とした態度と、鍛えられた身体つきのせいだろう。身に着けているのは騎士の正装で、いつもよりもずっと豪華だと思ったのは勲章のせいだった。白地に金の装飾がたくさんついている。その金髪も、瞳の色も、今夜は少しも隠す気がない。
クライフさんである。
「あ、あの、いいんですか……?」
こそこそと小声で尋ねたわたしに、彼は穏やかに答えた。
「ええ。これ以上あなたをこの国に滞在させないためには、これが一番早い。自分が”迎えにきた”ことにすれば、帝国は引きとめられません」
リャンさんは司会に徹することにしたらしい。
やがて入場してきた皇帝夫妻に、わたしを『聖女』として、クライフさんを『アクアシュタットの金獅子、ゴルト騎士隊長』として紹介する。
どちらも微妙に間違ってる気がするのは、気のせいだろうか。わたしは『泉の魔女』だし、クライフさんのは……そんな異名があるの、知りませんでした。なんかこう、恥ずかしい名前ですね。
乾杯の宣言と共に、ドリンクが並ぶ。薄いピンク色のドリンクは、桃みたいな味がして甘くて美味しい。どうもわたしのだけ種類が違うようなのは、たぶんノンアルコールだからだろう。
「聖女殿には、世話になったな」
皇帝陛下は堂々とした雰囲気の人物だった。
キウラン殿下の父親だとすると、若くても五十代だと思うんだけど、もっと若々しく見える。会場の誰よりも豪華な衣装を身に着けていて。何枚も着物を重ねているのに、重厚感があってとても美しい印象を受けた。
「いえ、お役に立てたなら嬉しいです」
「お怪我をされたと伺いましたわ。馬車で長旅をしては傷に障るでしょう?治療が終わるまでこの国に留まっていかれてはいかがですの?」
隣に座った皇妃様は、高く結い上げた黒髪に煌びやかな装飾をつけた人物だった。とても綺麗な女性で、年齢はおそらく三十代。化粧はかなり濃い目だけど、似合っているから問題ない。キウラン殿下の母親では――なさそうだ。側室がたくさんいるらしいから、殿下はきっと、正室の子じゃないんだろう。
「え、ええと……」
「お言葉は感謝いたしますが、我が国には聖女ミスズのために最新の治療設備を整えております。治療のためにもいち早く帰国したいと考えておりますので、どうぞご理解ください」
「そう、ですの。残念ですわ……。せっかくいらしていただいたのですもの、もう少し交流を……」
「聖女ミスズの怪我が完治いたしましたら、改めて」
穏やかに、だが低い声で皇妃様に返事を返すクライフさん。
その背景にはユラリと怒りのオーラが立ち昇っていて――……たぶん皇妃様には見えていないと思うのだけど、雰囲気に押されて言葉を噤んでしまう。
怖い!クライフさん、怖いです!友好国って話はどうなった!
「と、ところで、ゴルト騎士隊長殿は、聖女殿とはどういう仲なのでしょう?」
よりにもよって皇妃様に尋ねられ、わたしは口をぱくぱくとさせた。
「どういう、とは?」
「な、仲が良さそうですし。もし、ただ親しい間柄だというのであれば、ぜひわたくしのむす――」
「ご想像にお任せします」
にっこりと、クライフさんは凄味のある笑顔で微笑んだ。
「~~~~っ……」
たまりかねたのか、皇妃様が皇帝陛下に向かってキッと睨む。
「わ、わたくし、先に失礼いたしますわ!」
慌てて逃げ出すように退出していった皇妃様に、わたしは不安になりつつ、尋ねた。
「ど、どうするんですか、クライフさんっ!宴の席で、皇妃様の機嫌を損ねるような真似っ……」
「構いませんよ」
漂わせている怒りのオーラが消えない。彼は皇帝陛下にかろうじて聞こえるような小声で、わたしに告げる。
「そもそも、あちらの方は皇妃様ではありません。そうですよね、フォアン帝国皇帝陛下」
「おや、ご存じか」
「聖女ミスズと同席されるほどの身分をお持ちの妃ではなかったようにお見受けします。寵姫をお連れになるのは構いませんが、あまり失礼な質問はされないよう願います」
「ほー、失礼だったかね。彼女の質問は」
皇帝陛下は楽しそうに笑った。こういう表情すると、キウラン殿下の父親というのが納得いく。
「聖女殿が怪我をされた。それを心配したのは悪くはなかろう?」
「他人事のように怪我を心配するよりも先に、謝罪があってしかるべきでは?聖女ミスズの怪我は、フォアン帝国からの要請に応えたがゆえ。……それも、浄化が不要な状況であることを確認もせずに呼び寄せられていたと聞いております」
「それについてはすまなかった。聖女研究所からの報告には、浄化が必要だとあったのでな」
悪びれない皇帝陛下の謝罪に、クライフさんはわずかに怒りのオーラを鎮めた。
「聖女ミスズの治療につきましては、我が国には『女神の氷花』ラインホルトがおります。ご心配なく」
クライフさんの金獅子もどうかと思ったけど、ラインホルトさん、もっとすごい異名だった!恥ずかしいっていうか、それ、むしろ女性向けじゃないの?
「して、ゴルト騎士隊長」
「はい」
「わざわざ出向いてこられたのはどういったわけだ?貴国には我が国の統治に対して含むところがおありかな」
「……それは――」
そう、クライフさんが話し始めた時だった。
――くらっと、きた。
頭の奥がぼんやりと霞んでくるような奇妙な感触。ふわふわとしてなんだか気持ちがいい。
目の前がよく見えない。クライフさんの声がよく聞こえない。
「……殿?ミスズ殿……?」
ああ、呼んでいる。応えなきゃと思うのだけど、声が出ない。
「ふむ?どうやら聖女殿はお疲れのご様子だな。部屋を用意させているから今夜は泊まっていかれるといい」
皇帝陛下がクライフさんに向かって何やら言っている。
「……用意させている?まさか最初から……」
「はて?どうされた、ゴルト騎士隊長。聖女殿が不在の分も、貴殿にはぜひ我らと親交を深めてもらいたいと思うが――」
「……」
――ふわっと、身体が宙に浮かんだ。
お姫さま抱っこをされていると分かったけど、ジタバタしようにも、それが出来ない。身体が自分のものでなくなってしまったかのように、自由が利かない。
「ご用意いただいた部屋に、ご案内願えますか」
「ああ、もちろんだよ。騎士隊長殿には別の部屋を用意させよう。
妙齢の女性の部屋に――それも、聖女殿の部屋に男が留まっていたとなれば、どんな醜聞が広まるか分からない。それはアクアシュタット王国とて望ましくないだろう?」
――さっきのドリンクだ。ノンアルコールだと思って、油断してた。
キウラン殿下も、ヨハンくんも警告してくれていたのに。
でも、どうして?クライフさんが同席していたのに何かを盛ったりすれば、彼を怒らせるだけだと分かるだろうに。
フォアン帝国は何を考えているんだろう。
「……お気遣い感謝いたします」
クライフさんの返答は、怒りのオーラを隠そうともしていなかった。
※ ※ ※
わたしは夢を見ていた。
どこかで見覚えのある場所。凍りついた噴水と、その中にいる紫色の髪をした女性。
目を閉じているはずの女性は、パッチリと瞳を開いている。長い睫毛まで紫色だった。
『わらわを解放するのじゃ、泉の魔女』
紫色の唇を開いて、女性は氷の中で話しかけてくる。
――水魔!
キョロキョロとわたしは周囲を見回した。
フォアン帝国の聖堂だ。筆頭聖女様が案内してくれた場所にそっくりだった。
自分は宴に案内された時のまま、同じ服装をしていて、ドリンクで麻痺していたはうの身体は自由に動いていた。
「これ、夢ですね?あなたがた水魔っていうのは、夢の中に現れるものなんですか?」
以前のことを思い出して問うと、フォアン帝国の水魔はにんまりと笑った。
『わらわを解放したら、教えてやろう』
「お断りです!あなたは、フォアン帝国の聖女たちが、苦労に苦労を重ねて封印してるって聞きました。それに、そもそも浄化の方法も分からないんですから、解放の方法も知りません。わたしに頼むのは見当違いです!」
『そおか?しかしなあ、そなたは人助けがしたいのであろ?』
「……その、とおりです。だからできません」
『わらわがここにおると、フォアン帝国の者たちは少しずつ微量の毒を口に含むことになる。わらわが封じられた泉の水を呑んでおるのだから当然じゃ。
わらわが気まぐれに汚染する水とは違うてな、国中すべてがわらわの支配下じゃ』
「……!」
『今は気づかぬようじゃがなあ、そのうち気づくであろうな。だが、その時になって泡を食っても遅い。何億もの金を費やしてわらわをここに封じたのじゃもの、今さらあれは間違いだったなどと、プライドにかけても言えぬじゃろう。
これは立派な人助けじゃ。未来で死ぬ大勢のフォアン帝国の者たちを救うことになる。無論、解放されてわらわも嬉しい』
「そ、それは……」
『人間はなあ?学ぶ生き物じゃと思うておるじゃろ。じゃが大間違いじゃ。知らぬことは学べるが、一度学んだことを間違いじゃったと認めることはできぬのじゃ。自分が知らぬかもしれぬ、と認めることができぬのじゃ』
フォアン帝国の水魔は、にまにまと笑う。
アクアシュタット王国に出てくる水魔と顔はよく似ているが、言葉遣いも声もずっと年老いて聞こえた。
『わらわを解放せよ。そなたには迷惑はかからぬぞ?アクアシュタットはわらわの管轄ではないからのう』
「し……」
『し?』
「信用できません。いえ、たとえ信用できたとしても、……そんな大事なことを、わたしに迫らないで……!」
ジリジリと、自分が逃げ腰になるのが分かる。
『ふぅむ?』
「……人が、人が助かるって分かってることなら、まだいいです。勇気も出ます。だけど、人が、助かるかもしれない、あるいは助からないかもしれない選択は、…………」
ジリジリと、わたしは水魔のいる噴水から逃げようとする。
後ろ向きに進む足が、凍りついたように動かなくなった。
「!」
水だ。凍りついた水がわたしの足を止めている。
『そなた、怖いのじゃな』
「……!」
息を、呑んだ。
『人の生き死にを左右するのが怖いのじゃ。自分のせいで誰かが死ぬのが怖いのじゃ。そんなことをするくらいなら、何も選ばず何もせず、誰にも迷惑をかけずに閉じこもっていたいのじゃな』
「…………」
ズバリ、胸を抉られるように言い当てられて、わたしは顔から血の気が失せるのを感じた。
『幼いのう』
水魔は笑う。
『そなたは選べぬ。自分が選んだことで、誰かの未来が決まることが恐ろしくてたまらぬ。
そなたは選べぬ。自分が選んだことで、自分の未来が決まることが恐ろしくてたまらぬ。
そなたは選べぬ。自分が選んだことで――……おお、そうじゃ、クライフとゆうたか、あの騎士隊長の未来も決まるだろうからのう?』
「クライフさんは関係ないでしょう!?」
『関係ある。そなたの周りにおるのじゃから。そなたの選択が、クライフの命も左右する。そなたが選んだことで死ぬのやもしれぬし、そなたが選ばなかったことで死ぬのやもしれぬが、それはわらわには分からぬ。
じゃが、そなたの選択の結果が、――……』
「もうやめてください!」
金切り声をあげて、わたしは両耳をふさいだ。
「止めて、止めて、止めて!!もうたくさんです!!」
両耳をふさいでその場にしゃがみこんだ。
『止めぬ』
にんまりとした笑い声が、なおも頭の中に響き渡る。
『泉の魔女。そなたはわらわたちの救世主じゃ。世界中にいる十二の水魔すべてが、そなたの選択を待っておる。
純潔を失ってはならぬぞ、異世界から来た聖女のなりそこない。そなたが魔女になる時、それはこの世界が正しき神の元へ還る時なのじゃからな』
※ ※ ※
ハッと目が覚めたわたしは、その場に起き上がった。
脂汗が浮かんでいる。
自分が夢を見て、うなされていたことがすぐに分かった。
だが、夢だけど夢ではない。わたしの中にある不安は、こんなに漠然としているはずはなかった。
フォアン帝国の水魔は氷に封じられたまま、わたしの夢の中に現れたのだ。
枕元にはクライフさんがいて――……ぎゅっと、わたしの手を握ってくれているのが見えた。ぬくもりが温かくて、わたしは泣きそうになる。
もう深夜なのだろう。
クライフさんは静かにわたしを見つめていた。
真剣そのものの瞳は、心配そうで、それでいて、苦しそうだった。
「……クライフさん」
「はい」
――もし。
夢の中に出てきた水魔を否定しようと思うなら、わたしは『聖女もどき』を辞めればいいのだ。
手段は凄く簡単だ。純潔を失って、子供を作って、この世界の住人になってしまえばいい。アクアシュタットも、フォアン帝国も、むしろその道を推奨してくれているし、誰も反対しない。水魔も役立たずになった元聖女には声をかけてこないはず。
二度と地球には帰れないけど、家族や友人には会えないけど、それが少し寂しいだけで、きっと幸せになれる。
クライフさんは素敵な旦那様になるだろうし、子供は可愛くなるに違いない。
「クライフさん、もし――……。もし、先日のお話、まだ――……」
問題は。
……そう、問題は、クライフさんは決して、わたしのことを好きでプロポーズしてくれたわけではないということだ。
クライフさんの一人称は二つある。”俺”と”自分”。普段は”自分”だけど、騎士としての体面とは関係なしに本音を漏らす時、彼は”俺”というのだ。
あの時、彼は”自分の妻に”と言った。”俺”ではなかった。
それよりなにより、彼はきちんと説明していた。国王陛下やフォアン帝国に対する、偽装結婚だということを。
「ミスズ殿?」
言葉を呑みこんでしまったわたしに、クライフさんが怪訝な声をかけてくる。
わたし自身はどうだろう。クライフさんのことをどう思っているんだろう。
もちろん、嫌ってなどいない。クライフさんは優しくて誠実で、素敵な男性だ。イケメンさんであることはもちろんだけど、いつだってわたしのことを心配してくれる、これ以上ない保護者だ。
好きか嫌いかで言えば、好き。
だけど、それが恋愛かどうかについて、わたしは考えたことなどなかった。
「クライフさん、わたし、頑張りますから」
「え?」
キッと表情を引き締めて、わたしはクライフさんの手に目を落とした。
優しいぬくもり。これが、聖女ミスズに与えられるものか、ミスズ・ニーガキに与えられるものかと言えば、考えるまでもない。
「アクアシュタット王国の十二の泉を浄化して、地球に帰ります。
見ていてください。ランクこそ低いですけど、クライフさんが護っていて良かったって思えるくらい、立派な聖女に――……、ううん、『聖女もどき』の役、こなしてみせますから」
「……はい。必ず、あなたを護ります」
――ふむ、残念。
水魔の声はなおも頭の中に響いてくる。
――じゃが、忘れるな。泉の魔女。そなたは選ばなくてはならぬ。