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アレウスの迷宮  作者: あらすみのぶ
3/3

第二章 ー模擬戦ー

「ちょ、ちょっと痛いってば直哉くん」

逆瀬川の声で直哉は我に返った。彼女の腕を掴んでいた直哉の左手は血管が浮き上がるほどに力が入っていた。

「す、すまん」

慌てて手を離す。逆瀬川の腕には直哉の手形がはっきりと残っていた。自分の手のひらを見ると異様なほどに汗をかいている。

「ゲーム始まる前から気合入れすぎだってば。で、バンドは外せた?」

「いや、ロックされているようで外せなかった。外すためにもパスコードが必要みたいだ」

自分のバンドも調べてみたがやはり管理者によるロックがかかっていた。きっと他のバンドもそうなのだろう。

「えっ、それってどういうこと。あたしたち、ゲームから簡単には降りられなくなったってこと?」

「多分そういうことだ。ゲームの原則の一つにプレイヤーは参加中には常にバンドを身に付けないといけないという制約があったから、勝手に抜けられると困るようなルールのゲームがあるんだろ」

「で、でもそれなら負けたら外れるっていうことだよね?」

不安そうにバンドを見つめる逆瀬川にかける気休めの言葉はいくつも思いついたが、結局口には出さなかった。直哉にはますますアレウスの目的が見えてこなくなっていた。ゲームを執り行うということから何か手がかりでも掴めないかと思っていたが、その正体はまたしても蜃気楼の中に消えてしまった。

そもそもここまで真剣にゲームをセッティングする理由が見当たらない。プレイヤーが不足したのであればゲームサイドから別の人間を仮プレイヤーとして加えれば良いのではないか。その程度のことは賞金を一億ドル以上も用意することができるアレウスになら容易いはずではないか。

『プレイヤー百名全員のバンドの装着を確認いたしました。これよりゲームを始めます。バンドはロックさせて頂いておりますが、ゲームから離脱する場合にはサーバから自動的に解除コードが送られて一分以内に外れる仕組みになっていますのでご安心ください』

『最初のゲームはここ美浜区を舞台とした陣取りゲームです。それではゲームのルール説明を致します』

『美浜区をご存知でない方のためにまずは開催地について説明いたします。美浜区は行政区画の編成によって三月一日に東京都の管理を外れ、半独立状態となっているのですが……。勘の良い方は気付かれたかも知れませんね。現在、美浜区の統治権は私、アレウスにあるのです』

『本来は三月一日から一時的に国の管理下に置かれ、四月一日から再び東京都に併合されるはずなのですが、書類の束に目を通されるのは官僚の方々も大変なようで、一部分を私の都合の良いように書き換えてもすんなり議会の審査を通ってしまいました。改竄された書類は四月一日に東京都に再併合されるまで美浜区の全統括権は私の下にあることを約束しているのです。そうでなければ今回のような大規模なゲームは開催不可能でした』

会場が一斉にどよめいた。アレウスという存在を甘く見すぎていたのだ。他のプレイヤーもまさかアレウスがここまで深く政治に浸潤しているとは思っていなかっただろう。

書類にしっかりと目を通していればこんなミスは起きなかったはずだ。いや、そもそもアレウスが今言ったことは真実なのか。美浜区だけとはいえども日本の領土を一時的にたった一人の人間の意のままに操ることなど果たして実現可能なのだろうか。

『プレイヤーのみなさま御静粛願います』

抑揚のない人工音声だったが、その語尾からは明らかにアレウスは機嫌を損ねていることが感じられる。落ち着いている場合ではなかったがアレウスに従うしかなかった。このバンドはプレイヤーをアレウスの意図通りに動かすための制約なのだ。それを無視することは死を意味する。このバンドはソフト面だけでなく、ハード面でも改造されている可能性はあった。アレウスからの信号を受信するとバンドから手首に毒が注入されるような仕組みが施されている可能性はゼロではない。

『説明に戻ります。ここ美浜区は世界を代表する東京都のニュータウンとして開発が続けられ、細部に至るまで入念に計画されています。美浜区とはここランドマークホテルと同タワーを中心に半径五キロの区域を指します。その美浜区内に百箇所にポイントを設置いたしました。百人を二十のチームに分け、ポイント数を陣地に見立てて陣取りゲームをするというわけです。ゲームの期間は一週間で、終了時に得点の多い十五のチームが二回戦に進むことができます』

『この美浜区内では一般貨幣は一切使用できず、バンドにチャージされている仮想通貨のみが使用できます。仮想通貨は使えばもちろん減りますが、プレイヤーの行動によって増やすことも可能です。詳しいゲームのルールはプレイする中で手に入ります。では』

音声がプツリと途切れると同時に前のスクリーンにチームの割り当てリストが表示された。

直哉は真っ先に自分の名前を探した。外国人のプレイヤーにもチームメイトの名前が読めるように全て英語で表記されているため探しにくい。文字列が目から頭の中に流し込まれていく。

どこだ…どこだ……俺の名前はどこにある…。

このリストがいつまでも表示されている保証はなかった。自分のチームを確認できないままゲームを開始するのはプレイングにおいて大きなハンディキャップになる。こんなところでハンデを負うわけにはいかないという焦りから莫大な情報量を一気に頭に入れようとしたため脳の処理能力が追いつかず、文字の意味を理解できなくなりつつあった。表示されている文字はもはや自分の名前かそうでないかでしか区別できなくなっていた。周りの人間のうち何名かは既に自分の割り当てを確認したようだった。取り残される恐怖から焦りが加速する。

「あった...」

ーーF:Ikegami Naoyaーー

直哉はFチームに割り当てられていた。それを確認すると、他の三人のチームメイトを探すよりも先に逆瀬川の名前を探していた。

「あたしもFだよ。ほらスクリーンの端から二行目の一番下」

唐突にかけられた言葉に直哉はハッと振り向いた。自分の名前を探すことに夢中になっていた直哉は隣に逆瀬川がいることも忘れてしまっていた。言葉に従って逆瀬川は指さす方向を目で追う。

ーーF:Sakasegawa Natsumiーー

そこには確かに逆瀬川はFチームであることが示されていた。同じチームになったということよりも、敵のチームにならなかったことに胸を撫で下ろした。接点が少ないとはいえ、同じ学校のしかも同じクラスの生徒同士で戦うのは気分がよくなかった。

「一緒のチームだね!よろしく」

チーム分け程度で動機が上がってしまっている直哉の隣で、加熱する会場の雰囲気に比べて逆瀬川は異様なくらい極めて冷静に振舞っていた。

『ではみなさん。自分のチームを確認されたと思います。万が一確認し損ねていたとしても、バンドで自分のチームは確認できるのでご心配には及びません。では、まず模擬戦を開始したいと思います』

スクリーンが暗転すると再び不気味な人工音声のようなアレウスの声が会場に響いた。

「模擬戦だってどういうことだ」

誰かがそんなことを叫んだ。

『質問があったのでお答えします。一回戦は陣取りゲームですが、これは明らかに先に会場をでたプレイヤーが有利です。先にでたプライヤーの方がポイントを探す時間が多いですから。そこで模擬戦は会場をでる順番をゲームで決めようというものです。模擬戦では脱落プレイヤーは発生しませんのでご安心ください』

『それでは、模擬戦のルールをご説明いたします』

直哉はスピーカーから流れる人工音声に意識を完全に集中させていた。アレウスが同じ説明を二度繰り返すとは限らないからだ。一字一句逃すわけにはいかなかった。

『模擬戦の内容は…最大最小ゲームです』

きいたことのないゲームだったが、直哉にはむしろ好都合だった。チェスや将棋などと言われたら素人の直哉にはお手上げだった。逆瀬川についても、そういったゲームが得意という情報をクラスメイトからきいたことはない。だが、ゲームは一般的に先手必勝か後手必勝、引き分けのいずれかに分類する事ができる。上手くゲームを理解することができれば比較的早い順番で会場をでることができる自信はあった。

『最大最小ゲームとは、一回目の投票で一から百までの数字の中から好きな番号を選んでいただきプレイヤーの中で最も小さい数を選んだプレイヤーが最後に会場を出ていかなければいけません。ただし、最大の数を選んだプレイヤーは最小の数を選んだプレイヤーよりも後に会場をでていかなければいけません。そして、二番目に大きな数、これを以後退場数と呼びますが、その数に投票したプレイヤーが一番最初に会場をでる権利を得ます。なお、同じ数を複数のプレイヤーが投票した場合、決戦投票を行わず同じ順位にランク付けされます。最終的な順位が確定したあと、前の順番のプレイヤーが退場してから五分後に次の順番のプレイヤーは退場権を獲得し、五分以内に退場されない場合は退場権を剥奪され、最後のプレイヤーと同時に退場していただきます』

『プレイヤーを六人とした場合の具体例を挙げます。前方のスクリーンをご覧ください』

ーー一回目の投票ーー

A:10 B:01 C:09 D:07 E:05 F:03


ーー一回目退場順リストーー

1:C

2:

3:

4:

5:A

6:B


ーー二回目の投票ーー

D:08 E:02 F:04


ーー二回目退場順リストーー

1:C

2:F

3:D

4:E

5:A

6:B


『この場合であれば二回目の投票で全員の順位が確定しました。リストの上位の方は自分の順位が確定した時点でゲートを通ってでていただいて結構です。投票は五分、開票と次の投票までの休憩で五分。合計十分で一タームとさせていただき、百人いるため最大三十三タームで終了となります。投票はみなさまのバンドで行えます。プレイヤーが投票しなかった場合、自動でゼロが選択されます。では、第一投票を始めます。五分以内に投票してください』

「くそっ…」

本心から実に上手いゲームだと思った。似たようなゲームはきいたことがある。そのゲームは二番目に大きな数を選んだプレイヤーが抜けていくというものだった。そのゲームの場合には誰かと協力することによって必ず勝つことができる。

例えば二人でチームを組んでいた場合には一人に最大の数を選択させ、もう一人はその次に大きい数を選べばいいからだ。そうすれば一人は必ずノーリスクでゲームに勝つことができる。メンバーが増えたとしても最大の数を選んだプレイヤー以外は同様の方法で抜けることができるため、協力者が多ければ多いほど有効となる。しかも、人柱になったプレイヤーも次の投票から普通に投票し続ければ最下位になる確率は低い。

しかし、このゲームの場合は最大の数を選んだプレイヤーが後順になることが確定してしまうため、誰も人柱に立候補したがらないのは目に見えている。それが一億四千万ドルがかかっているとなればなおさらだ。

「あれ、これってなんだかおかしくない?」

指を折りながら何かを考えていた逆瀬川が言った。

「何がおかしいっていうんだ?」

「だってよく考えてよ。一番大きい数を選んだ人が負けるっていうことは誰も百を選ばないじゃん。ということは結局選べる数は九十九までになるけど、そうするとやっぱり誰も九十九を選ばない。同じことをずっと考えるとどの数も選べないっていうことになっちゃう」

やはり逆瀬川が敵にならなくて良かったと直哉は思った。こういう発想を直ぐに理論付けて説明できる人間は少ない。

「あたしがわざと百を選んだら直哉くんが九十九を選んで一抜けできるんだけどね」

「馬鹿、お前が最下位になったら一緒に行動する上で大きなハンデになるじゃないか。俺が一抜けしたって意味がない。大切なのは二人ともそこそこの順番で退場することだ」

「協力すること覚えてくれてたんだね」

「俺は自分で約束したことは忘れない。だからお前が犠牲になるような作戦は却下だ」

逆瀬川は「そっか…」と呟くと、下を向いたまま言葉を紡いだ。

「優しいんだね、直哉くんって。教室にいるときは難しい顔をして何考えているのかよくわかんなかったし、文化祭でクラスを引っ張ってくれたときもなんだか事務的にやってるのかなっていう感じがしてたんだ」

表情は読みとれなかったが、言葉の節々から昔を懐かしむかのような寂しい印象を受けた。このまま逆瀬川が消えてしまうのではないかと思わせる儚さが言葉遣いから滲んでいる。

「そりゃ悪かったな。俺はクラスメイトとはよく話すけど、一緒に遊ぶような友達は殆どいないんだよ。だから文化祭の時もクラスメイトのためというより、文化祭を成功させなきゃいけないっていう感情が優先していて、お前が言うように事務的な対応になってしまったのかもしれない」

「直哉くん、友達いないの?」

「そうだな。中学の時は仲の良い友達もいたけど、こっちに転校したときに別れてしまってそれっきりだ」

「友達いるじゃん、ここに。ほら、あたしが直哉くんの友達になってあげるよ」

「え……?」

突然の申し出に直哉は戸惑った。

「なになにあたしじゃダメなの? 直哉くんにとって友達はそんなに選考を必要とするような関係なの? 必要なら履歴書でよければ提出するよ」

そういって逆瀬川は腰にかけたポーチをごそごそと漁るとシワシワになった紙切れを差し出した。こんなぼろぼろの履歴書は一番簡単と言われるパチンコ屋のアルバイトにも受からないのではないかと思われた。そもそもこれを履歴書と思う雇用者がいるだろうか。

「わかったわかった、そんなぼろぼろの履歴書なんていらん」

「これただのチラシなんだけどね。いくらあたしでも履歴書なんて持ち歩いてないよ」

よく見ると逆瀬川が持っていた紙は近所のスーパーの特売の広告だった。こんな子供だましのトリックにも気付かないほど焦ってしまっていた。逆瀬川と話しているとどうしても彼女のペースに乗せられてしまっている。

「ハメやがったな…」

「結果オーライ。じゃあこれであたしたちは友達ね」

ぐっと親指を立てた指を立てた左手を逆瀬川は突きだした。

「さて、じゃあ時間もないしさっさと数を決めちゃおう。どうやって決める?」

「なんの情報もない現状じゃ何とも言えない。これは論理思考ゲームと思わせて実はそうじゃないってことだ」

「どういうこと?」

「お前がさっき言った原理でどの数も選べないということは時間をかければここにいる人間ならいつか気付くさ。すると、最終的にどの数を選ぶかというのはその人の性格にかかってくる。考えれば考えるほど思考のドツボにハマっていく。最適な戦略はないのにそれを探してしまう」

「じゃあ結局どうしようもないってことじゃん」

「だからこそ必要なのは情報だ。『第一次世界大戦は科学者の戦い、第二次世界大戦は物理学者の戦い、そして第三次世界大戦は数学者の戦いになるだろう』っていう言葉知ってるか?」

「知らないけど、第一次世界大戦は毒ガスとかの化学兵器が活躍したから科学者の戦いで、第二次世界大戦は核兵器を開発した物理学者の戦いってこと? でもそれだとしても第三次世界大戦が数学者の戦いっていう意味が分からないけど」

「前半二つは正解。数学者の戦いになるっていうのは、情報を解読するのが数学者の仕事だからだ。つまり第三次世界大戦は情報戦になるっていうこと。アメリカの政府は既に全世界のネットワークの暗号を解読するシステムを作り上げてるっていう噂もある。つまり戦争において最も大事なのは情報だ。相手の作戦がわかっていれば裏をかくこともできる。第二次世界大戦でドイツが負けた原因の一つも、連合国に通信が全部漏れていたにも関わらず、自国の暗号装置が破られていると疑いもしなかったって言われているくらいだ」

「ということは、今回の場合で言うと他の人が何の数字に投票してるのか探ればいいってことかな」

「飲み込みが早くて助かる。その通りだ」

ピコンという淡泊な電子音が静まりかえっていた会場に響いた。スクリーンには残り時間と共に『1/100』と表示されている。まだ二分以上時間が残っているのに誰かがプレッシャーに耐えきれず投票したようだ。会場を見渡すと隅で安堵したようにため息をついている男がいた。

「みんな投票始めたみたいだよ。とりあえず二手に分かれて情報を集めて一分後にここに集合するってことでいいかな」

「そうしよう」

逆瀬川と拳を合わせると、直哉は彼女が進んだ方向とは逆方面のプレイヤーを観察しに行った。

目立ってはいけない。

そう肝に銘じて、焦らず早足程度で歩く。周りを眺めると自分たちのように結託しているプレイヤーはいないようだった。チーム分けが発表されてまだ二十分と経っていないのでこの人数の中からチームメイトを見つけることができなかったのだろう。どのプレイヤーも他と相談せずに個人プレイに走っているこの状況であれば、例え個人の能力で負けていたとしても逆瀬川と協定を結んでいる直哉は圧倒的に有利だ。

だが、やはり一筋縄ではいかなかった。あわよくば何の数字に投票したのか漏らしてしまうプレイヤーがいることを期待していたのだが、そこまで間抜けなプレイヤーは流石にいなかった。気がつくとあっという間に逆瀬川との集合時間は直ぐそこまで迫っていた。

「くそっ」

何の成果もないまま戻ることにいらだちを覚えた。逆瀬川がなにか有用な情報を得ていなければ、一回目の投票は完全に博打になってしまう。

先ほどの場所に戻ると既に逆瀬川の姿があった。彼女は直哉の姿を見かけると無邪気に手を振ってきた。スクリーンには既に半数以上のプレイヤーが投票したことが示されている。残り時間も一分を切っていた。

「十秒遅刻。残り時間も少ないし作戦を手短に言うね」

何を馬鹿な、と直哉はとっさに逆瀬川を止めようとした。何の数に投票するかにしろ、作戦にしろしゃべってしまっては周りに情報を漏らすことになってしまう。そうなれば他のプレイヤーによけいな入れ知恵を与えることになってしまうし、まだ投票していないプレイヤーへのヒントになってしまう。だが、それは杞憂だった。

「…………」

逆瀬川は無言で両の手の手首を器用に動かして何らかのサインを送っていた。直哉は最初その意図を理解しあぐねていたが、

「符丁か…」

逆瀬川は「そう」と言わんばかりににっこりと笑うともう一度サインを送る。その符丁はクラスの男子の中で使われる特別な暗号だった。主に秘密のやりとりをする際に、よく使う仕草に言葉を割り当てて意味を持たせたサインを使うことで周りに知られずに情報のやりとりができるので直哉は重宝していた。例えば右手の人差し指を一本立てると「I」を意味し、人差し指と中指の二本だと「You」を意味するといった具合である。右手は主に名詞などの体言を扱い、左手は動詞などの活用する用言を表現する。

『We』『Choose』『73』

どうして逆瀬川が七十三という数字を選んだのかはわからないが、確かな理由もなしに選択したとは思えない、その程度には彼女のことを信頼していることに気付いた。万が一何の根拠もない数字だとしても七十三であれば、直感的に最大数も最小数もとらないように思えた。逆瀬川のサインを受け取った直哉は同様に符丁で『OK』と返すとバンドを操作して七十三に投票した。無事に投票を終えたことに直哉が安堵のため息をつくのと、第一ターム終了を知らせるコールがなるのは殆ど同時だった。

序章と一章を合わせて七千五百字くらいしかないのに、三章だけでいきなり八千文字を超え始めてきました。

やっぱりゲーム中の心理描写を書くのは面白いですね。

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