2/11
~Storyteller~
なんだい、アンタ。気持ち悪い。
死んだ魚みてえな目してさ。
…ああ?何?
何か面白い本はないかって?
そりゃアンタ、うちは古本屋だからね。
本ならそれこそ売るほどある。
ただ、それをアンタが読んで面白いと思うかどうかなんてことは、俺にはわからねえよ。
それを決めるのは、俺じゃねえ。
アンタ自身が決めることだ。
本当のことはさ、アンタがその本を読み終えるまでわからねえ。
最後の一頁を読み終えるまで、わからねえんだよ。
…人生なんてそんなもんだろ?
だから、適当に選んで読み進めるしかねえ。
本も、人生も…な。
…それでアンタ、
結局どの本を読むんだい?