その5 作業員の確保
会議の冒頭にユーリーが発言したのです。
「この会議に参加されている、各国政府関係者にお願いが有るのです、その内容ですが、この私は宇宙飛行士です、あの
火星上空で巨大な宇宙船を建造の実行したいのですが、この宇宙船建造には多くの作業員が必要なのですが、皆さん、何か
良い方法は無いでしょうか。」
このユーリーの発言で、有る国からの質問が出たのです。
「私達は、宇宙船建造に関しての専門知識が有りません、宇宙での作業に付いて少し話しをして欲しいのですが。」
ユーリーが答えました。
「解りました、では簡単に説明致します、宇宙は何しろ広大と言うか宇宙の端は解りません。 勿論ですが、空気も無ければ
重力も有りません。 この宇宙に出る事は大変苦労をするのです、特殊な宇宙服を着て無ければ生きる事は不可能なのです、
この宇宙服を着て作業をする事に成るのですが、この宇宙に行く事は簡単な事では有りません。 先ず、この地球で基礎と
成る体力作りから始まり、水中での訓練に入るまで少なくとも1年以上の訓練が必要と思います、そして、この訓練は大変過酷
な訓練に成ると思いますが。」
「少し聞いても宜しいでしょうか、私は、何故、過酷な訓練が必要なのか解らないのです、宇宙は無重力な所だと知って
います、その無重力な場所での作業に何故、過酷な訓練が必要なのか解らないのです。」
ユーリーが答えたのです。
「確かに宇宙は無重力です、この宇宙に行き、数ヶ月も過ごすと地球に戻った時には自らの足で立つ事も出来ないのです、
宇宙では、この指の力だけで簡単に移動するのです、この無重力状態の中で数ヶ月か数年過ごすと殆どの人は歩く事は
出来ません、その為、地球で基礎体力を付けるのです、宇宙船建造には少なくとも数万人の作業員が必要に成ると考えて
います。」
「何故、数万人も必要に成るのでしょうか。」
「其れは、宇宙の作業が大変過酷だと言う事なのです、地上では簡単な事でも宇宙では、その数倍、言え、数十倍の時間が
必要に成るのです、その為には交代要員が必要なのです。」
「ではその作業員と成る人達も民間人から選ぶと言う事なのでしょうか。」
「私は、元宇宙飛行士です、出来ればこの作業員を各国の軍人から選考したいと思うのです、世界中の軍隊から体力の有る
若い軍人を選び訓練をすれば良いと思うのですが。」
「私は、軍人では無いので解りませんが、その各国の軍人から選ぶ方法が正しい事なのか解りません、軍隊の組織がどの様
に返事するか解らないのですが。」
「其れでは聞きたいのですが、この作業員に成る人を一般から募集するのですか。」
「私は宇宙の事は解りませんが、何れ、民間人がその宇宙船に乗り、第二の地球を目指す事に成るので有れば、民間人から
作業員を募集する事が望ましいと思うのですが。」
「この会議に出席されて要る政府関係者に聞きます、本当に民間人から宇宙船建造作業員を選ぶのですか、私はこの訓練
は過酷だと言いましたが、普通の民間人が本当に作業員として応募すると思いますか、皆さん如何です、先程の発言で有れ
ば民間人に過酷な訓練を受けさせて宇宙船建造に入ると言うのですね、私が民間人で有ればその作業員には参加出来ない
と思います、軍隊での訓練を受けた軍人でも長い期間訓練を必要とするのですよ。」
ユーリーの発言に会議場は静まり、そして、その後は誰からも発言する事は無かったのです。
そして、暫くしてから、日本政府関係者から発言があったのです。
日本政府関係者の発言です。
「先程の発言を聞いていますと何故か不安に成るのですが、之は、私からの提案なのですが聞いて下さい。 軍隊も民間人
からも作業員の応募が無いと言うので有れば、私、個人としての提案でも宜しいでしょうか。」
ユーリーが答えたのです。
「勿論です、どの様な内容でも宜しいですから言って下さい、お願いします。」
「其れでは聞いて下さい、今、世界中の刑務所には重い罪を犯し、中には極刑の執行が確定した人達が多くいると思うの
です、如何でしょうか、この重犯罪者を作業員としてはと思うのです、勿論、異論は有ると思いますが、その異論を全て聞いて
いると何時、宇宙船の建造に入れるのでしょうか、私がこの提案をしたのは先程からの話を聞いていたからでは有りません。
ドクターKが発表された直後から考えていました、宇宙船を建造する人達はどの様に選ぶのか、宇宙船の部品はこの地球で
作る事に成るのですが、問題は誰がその部品を宇宙で組み立てる作業に就くのかと考えていたのです、其れが、先程の提案
なのです。」
ユーリーが聞いたのです。
其れでは聞きたいのですが、その人選はどの様にするのですか。」
「私の考えなのですが、勿論、彼らも一人の人間です、この宇宙船が完成すれば全ての罪は免除すると言う事を書面で
出すのです、世界中には数百万人が収容されて要ると思うのです、この人達から選ぶのですが、彼らにも選ぶ権利が有ると
思うのです、必ず書面をを渡し署名する事にすれば良いと思うのです、勿論、この署名する前には説明を詳細にする事は大事
な事です、宇宙船建造には大変危険が有ると、更に、訓練は過酷で有る事は事前に話をする必要がある思います、私は訓練
方法の事は解りません、そして、宇宙の厳しさも知らないのですが、今の状態の議論だけで宇宙船は建造出来ないと思います
之が、私の考えた提案です。」
この日本政府関係者が提案した内容は大きな波紋を起こしたのでした。 何処の参加国も予想出来ない内容でした、勿論、
殆どの国が返事をする事が出来ないのです。 各国には法律で決定している犯罪者を外部に出す事は簡単には出来ない
のです。 そして、次に、アメリカ政府関係者が発言したのです。
「私は、今、日本政府からの提案には議論が当然必要と思いますが、その前に、私はこの提案に対し反対する必要は無いと
思うのです、確かに重い罪を犯した者を外部に出す事には問題は有ると思います、法律の枠を超えた議論をする必要があると
思うのです、選考方法は各国で対応すれば良いと思うのですが。」
この問題は簡単に解決出来ると思われたが、其れが簡単には出来ないのです、問題は彼らを何処で訓練を実施するか
です。
再び、アメリカ政府関係者が発言したのです私達の国には広大な砂漠地帯の中に軍隊の訓練施設が有ります、この訓練施設の周囲100キロは何も無い所なのです、
普通の人達ではこの施設から出る事は自らの生命を落とす事に成ります、更に、この施設では常時1万人以上の軍人が訓練
をしています、この場所でアメリカ政府は訓練に入る事は可能です、日本政府に聞きたいのですが、この様な訓練施設で彼ら
をどの様な待遇をされるのですか、その待遇にはどの様な方法が良いのでしょうか。」
この質問に日本政府関係者が答えました。
「私の考えは簡単です、先ず、訓練ですがランニングとウエートトレーニングが最適だと思います、基礎体力を付ける事が
必要だと思います、体力が無い者は落伍者として元の刑務所に戻る事に成ります、でも最初から厳しい訓練は無理だと思い
ます。 長い刑務所生活で自らの体力は相当落ちて要ると思いますので、そして、食事は体力を付ける為に制限無しと言う
事を考えています、食事制限をすると出来る体力も出来ないと思うのです、彼らにも何か出来る事が有ると思わせる事も必要だと思います、そして、体力作りから半年か1年も地上訓練すれば良いと思うのですが、私も日本本土に適当な訓練場所が
有る事は知っています、其れは、日本と言えば富士山です、その 富士山の裾野に防衛隊の特別訓練場所があります、この
施設は周囲を樹海で覆われ、この樹海に入る事は生命を落とす程の危険な場所で、更に 発見される事は殆ど不可能です、
日本防衛隊の専用道路なのです、夜とも成れば周囲に明かりが無いので普通の人は歩く事は出来ない場所なのです、此処で
も常時数千人の防衛隊の軍人が訓練をしています、此処で日本政府としては、その人達の訓練を行いたいと思います。」
ユーリーが聞いたのです。
「其れでは、日本政府とアメリカ政府は、この宇宙船作業員と成る人達の訓練は出来ると言われるのですか。」
日本政府関係者とアメリカ政府関係者は訓練参加を意味する賛成の手を上げたのです。 だが、その他の国からは参加
する、意思表示は無かったのでした。
此処で、ドクターKが発言したのです。
「私は、日本政府とアメリカ政府に対し感謝したいと思います、先程、日本政府の提案は私達も考え無い事でした、日本政府
もアメリカ政府も大変大きなリスクを伴います、私達も出来るだけの事は応援致しますので宜しくお願いします。 私から発言と
お願いです、其れでは本日の会議を終了したいと思います、明日は午後から会議を始めたいと思います。 議題として大きな
問題が有ります、其れは食料問題です、この問題に対し特に農業問題に詳しい人物が午後には到着します、その人物からの
説明を受けたいと思うのですが、皆さん如何でしょうか。」
ドクターKの発言で会議は終了と成り各国政府関係者を初め全員が席を立ち会議場を後にするのでした。
ドクターKを始め機構からの出席者も全員各部屋に戻るのです。
ドクターKは部屋に戻る途中ユーリーと話したのです。
「ユーリー、少し話しがあるのですが宜しいでしょうか。」
ユーリーが聞いたのです。
「ドクターK、私も丁度、お話をしたいと思っていましたので。」
「其れでは、私の部屋で話をしましょうか。」
「私は其れでも宜しいですが。」
二人はドクターKの部屋に向かうのです、暫くして、ドクターKの部屋に入ったのでした、ユーリーはソファーに座り、ドクターK
はコーヒーの用意をするのです。
「ユーリー、コーヒーでも如何ですか。」
「嬉しいですね、先程まで長時間コーヒー無しは辛かったですよ。」
「其れは、私も同じですね。」
「ドクターKが入れるコーヒーは美味しいですから、何時も楽しみですよ。」
「そうですか、私は何時も同じだと思うのですが。」
「機構の全員が楽しみの一つなのですよ、ドクターKが入れるコーヒーを飲む事を。」
「其れは、有り難い言葉ですね。」
二人はコーヒーを飲みながら本題の話に入るのです。
ドクターKが聞いたのです。
「先程、日本政府から提案された内容の事なのですが。」
ユーリーも言ったのです。
「実は、私もその事でドクターKに相談があるのです。」
「多分、ユーリーの考えと私の考えは同じだと思うのです。」
「ドクターKも同じ考えですか。」
「私は考えていました、日本政府の提案は良いと思うのですが、問題は刑務所生活が長い人達に宇宙での作業が出来る
のだろうかと、私達、人類は長い歴史の中で宇宙に行く事は大変な苦労が有りました、過酷な訓練を行い、そして、宇宙に行く
まで早くて数年が必要だと記憶しているのですが。」
「ドクターK、私も宇宙飛行士としてあの火星に行くまで10年間訓練をしました。 私達宇宙飛行士は殆ど軍人から選ばれる
のです、普通の人達、其れも長い刑務所内での生活で肉体の筋肉は落ちています。 その人達を訓練する事は大変な苦労が
いると思うのです、確かに人選は簡単に出来ると思います。 問題は選ばれた人達がどれ程過酷な訓練に耐える事が出来る
のか疑問に思うのです、私の予想では大半が落後すると思うのですよ、其れでは、訓練の意味が無い様に思うのです」。
「ユーリーの言われる通りだと思います、私もその事を危惧しているのです、最初から躓く事は予想されるのですが、他に
何か良い方法は無いのでしょうか。」
「ドクターK、宇宙船の建造には特殊な訓練も必要に成ると思うのです、普通の軍人でも宇宙に行く為の訓練は過酷だと思う
のです、民間人では相当苦労すると思いますが。」
「其れは当然な事ですが、先程の会議でも参加を表明したのは日本とアメリカだけです。 私は、一度この事を友人に相談
したいと思うのですが。」
「ドクターKが相談される人物はどの様な人物なのですか。」
「日本とアメリカに古い友人がいます、この問題は民間人の考えでは解決出来ないと思うのですよ。」
「其れは、確かにその通りだと思いますね。」
「二人は共に、私の道場で練習された人達です。」
「その人達に、相談されるのですね。」
「ドクターKも大変な仕事を引き受けられましたね。」
「私は別に大変だとは思っていません、私は其れより此処の職員が困難な仕事に向かわれる事が大変だと思っています。
時間の制限もあります、どの部署も、之からは、大変な仕事に成るので、今まで以上にお互いが協力する事が大事に成ると
思います。 特にユーリーには大きな問題が重く圧し掛かってきます、宇宙船全体の事ですからね。」
「ドクターK、私はそれ程心配していませんよ。 今日までの会議で世界中が団結する事が出来ると信じています、この機構
の職員は全員ドクターKと同じでタフですからね。」
二人は笑うのです。
「ユーリー、私は、今からアメリカの友人と連絡を取りますので。」
「解りました、其れでは失礼しします。」
そして、 ドクターKは、アメリカ軍のウイルソンに連絡を入れるのです。
「ウイルソン中佐、お久しぶりです。」
「之はドクターK、久しぶりです、先程まで会議を見ていました、ところで、ドクターKは大変な仕事を引き受けられましたね。」
「私は別に大変だとは思っていませんよ、其れより、ウイルソン中佐に少し聞きたい事があるのですが宜しいでしょうか。」
「ドクターK、日本政府が提案された問題だと思うのですが。」
「実はその通りなのです、何故わかりました。」
「多分、その提案の件でドクターKから話が来ると思っていましたから、別に驚く内容では無いと思いました。」
「そうですか、それでは本当に可能な事なのでしょうか。」
「普通の考え方では無理だと思いますね、私達、軍人でも特別な訓練ですからその人達には大変だと思うのです。」
「其れでは他に何か良い方法はありますか。」
「私もその事を考えていました、服役中の人達を突然軍隊式の訓練に入る事は無理です、其れよりも、服役中の人達からの
提案が有れば良いと思うのです、私個人の考えでは服役中の人達から身体の丈夫な人を選ぶ事だと思うのです、大きい身体
が丈夫だとは限りません、小柄な人達でも丈夫な人もいると思うのです、其れと、食事は制限無しにする事だと思うのですよ。
刑務所生活では食事制限があります、其れから、刑務所とは別の世界に入るのです、詳細な説明が必要と思います。
身体検査に合格しても宇宙に行くまでの訓練は普通の人達が考えるよりも過酷だと思うのです、選ばれた人達には最初
から厳しい訓練は無理ですから最初は体力を付ける事から始める事だと思います。 始めは日本政府の提案通りで良いと
思いますが」
「中佐、その体力作りなのですが、どの様な方法が考えられますか。」
「私は、彼ら全員に食事を充分に取らせ、之は運動に入る前の事です、勿論、この食事は訓練所で出すのです、数週間も
すれば体力も戻りますから、其れから訓練に入る事が出来ると思うのです。」
「数週間で体力は戻るでしょうか。」
「問題は無いと思います、其れよりもこの服役囚の選考が大変困難だと思うのですが。」
「中佐、其れは私も良く解ります、選考基準を何処に設定するかと言う事ですね、私の考えでは重い刑に服している人達を
最初に選びたいのですが。」
「重い刑ですか、例えば、死刑囚と考えれば良いのですか。」
「之も、私個人の考えなのですが、重い刑に服している人達は刑期が終っても普通の世界の生活を期待して無いと思う
のです、其れは、今まで重い罪を犯した人達にも期待出来る仕事があると言う考えの中からなのです、確かに凶悪な犯罪を
起こした事は事実だと思うのです、私は別に凶悪犯を擁護しているのでは有りません、でもその凶悪犯でも世の中で役に立つ
仕事があると思うのです、勿論、被害者の事も考えました、でも、今は被害者の事を考えるより、この地球で普通の生活されて
いる人達の事を考える事が先だと思うのです、日本政府の提案に私は大きな期待をしているのです。」
「ドクターK、解りました、今、言われた事は大変重要だと思います、訓練方法は私が考えます、ドクターKは選考準備の方を
お願いします。」
「ウイルソン中佐、本当に有難う、私、個人の考え方なので宜しくお願いします。」
ドクターKとウイルソンの話し合いはこの様な事で終わり、更に、ドクターKは日本防衛隊に連絡を入れる事を考えていたの
ですが、その時、日本防衛隊の山田から連絡が先に入った。
「ドクターK、山田です、お久しぶりです、先程までの会議を聞いていました。」
「山田少佐、お久しぶりです、少佐もその後は如何されていました。」
「私は軍人ですから其れこそ、毎日訓練に励んでいます、其れよりも、ドクターK大変な仕事を引き受けられましたね。」
「実は先程、アメリカのウイルソン中佐からも同じ事を言われましたが、私は何も大変だとは思って無いのですよ。」
「ドクターK、ウイルソン中佐と話をされたのですか、何か問題でも起きたのですか。」
「山田少佐、実はウイルソン中佐にも聞いた事なのですが、日本政府からの提案の事なのですが、少佐にも聞きたいと思い
まして、私から連絡を入れる事を考えていた、その時、少佐から連絡が有った次第なのです。」
「ドクターK、解りました、実は、私も日本政府の提案には大変驚いていました。」
「少佐、私もウイルソン中佐に聞いたのですが、日本政府の提案を受け日本でも訓練に入る事は可能だと思われますか。」
「ドクターK、私は軍人ですから、軍人の訓練には成れています、ですが普通の其れも刑務所生活をされている人達の訓練
は初めての経験なので、どの様な訓練をすれば良いか見当が付かないのですよ。」
「少佐、其れはウイルソン中佐も同じ考えでした、ウイルソン中佐は私に言われました、その服役中の人達は体力が落ちて
いるので当分は体力を付ける事から初め、体力が回復次第訓練に入る事に成ると思いますと言われましたが。」
「ドクターK、私もその様に考えます、勿論、彼らにも言い分は有ると思うのです。」
「私もその様に思います、でも、今の状況を考えると日本政府からの提案に基づいて、私は少佐にその人選の参加と訓練
方法を考えて欲しいのですが、如何でしょうか。」
「ドクターK、私に出来る事が有ればどの様な事でも言って下さい、私も、今、特別に始めた訓練が有ります。」
「少佐、何か良い方法が有れば聞かせて欲しいのですが。」
「ドクターK、私は、先日来、考えている事があります、その事は、後日正式にお話を致します、今は、その服役中の人達を
どの様に訓練をすれば、宇宙船建造に入る事が出来るのか、その事を暫く考えたいと思います。」
「少佐、有難う御座います、其れで人選の方法はどの様にすれば良いのでしょうか。」
「ドクターK、私の考えなのですが、私を含め数人が直接話しに参加出来れば幸いだと思うのです、私は今回の宇宙船建造
に対しては機構からも多くの提案が出されると思います、その提案を聞いてからでも人選は可能だと思うのです、私は宇宙の
事は解りません、でも地球人類の為だと思うのです、多くの人達が協力される移住計画を是非成功させて欲しいのです、その
為で有れば私はどの様な事でも参加したいと思うのです、ドクターK、今は緊急事態だと思うのです、日本政府とアメリカ政府
が最初の宇宙作業員訓練に参加する事は大変良い事だと思います。」
「少佐、では人選に参加をお願いします、私達の仲間で宇宙飛行士のユーリーがいます、彼の考えも同じです。」
「ドクターK、其れで、人選の方法なのですが。」
「少佐、私の考えなのですが、之は、日本政府からの提案と少し違いますが日本国中の刑務所に行き、其処で詳しい説明を
します、勿論、この宇宙船建造には誰でも参加出来る事を話します、彼らにもその参加は自由です。 一度訓練に入れば特別
扱いです。 食事は普通の生活されている人達よりも栄養状態を考え特別食に成ります。 でもリスクも有る事は必ず説明
するのです。 問題はどれだけの人数が集まるか見当も付かないのです。」
「ドクターK、その人数の事なのですが、本当に作業に就く時には最大の人数が必要だと解るのですが。」
「その作業員数もどの位必要なのか解りません。 其れでも、最低でも5千人以上は必要だと思うのですが。」
「5千人以上ですか、大変な人数に成るのですね。」
「でも少佐、その5千人が集まるか、之も、未だ解らないのです、例えば、5千人が集まったと考えてですが、その人達全員が
過酷な訓練で最後に何人残ると思われます。」
「其れはドクターK、私にも解りませんから訓練方法を考える必要がありますね。」
「勿論、訓練方法も考える必要があると思いますが、其れより、この5千人以上の人達には問題が有ります、其れは、その
人達には必ず特別なリーダー的な存在感の有る人物が必要なのです。」
「リーダー的な存在感の有る人物が必要ですか。」
「その通りです、宇宙で特別作業する為に、其れも特別強力な人物です、この事は、全て私に任せて下さい。」
「ドクターK、解りました、その事はお任せ致します、後の訓練は私が引き受けます。」
「少佐、有難う、其れでは後日連絡致しますので宜しくお願いします。」
「ドクターK、其れでは連絡をお待ちしています。」
二人の話し合いは終るのでした。
ドクターKは暫く考えていたのです、日本政府の提案を受け入れたのですが、最大の問題は、どれ程の人数が集まるか
殆ど不明なのです。 宇宙船建造と簡単に言っても、この作業員がどれ程必要なのか不明で、更に、1隻建造するにはどれ程
の時間が必要なのか、全てが、未知数なのです、だが現実にはあの巨大惑星が刻々と接近して要るのです。 人類を守る事
が果たして出来るので有ろうか、ドクターKは始めて責任の重大さに気が付いたのでした。 多くの問題が山積する中、早急に
宇宙船の設計に入る必要があるのです、その宇宙船の設計と平行して多くの作業員を確保し、更に、その人達の訓練も必要
があるのです、だが、今回、ウイルソン中佐と山田少佐の協力を得た事は良い結果に繋がると思うのでした。