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当たり前の恋の始まり

作者: 水玉紅葉
掲載日:2026/01/16


この世界にとって当たり前で、時には忘れられそうな出会いや恋だが、僕らにとっては、最も大切で大きな出会いの話



夏の甲子園の決勝が終わったばかりの残暑がきつい今日この頃

「よし!!こーい!!」

カッキーンっとノックを打つ音と練習の声がグランド中に響き渡るそうここはとある高校の野球部の練習場だ。

「サードにこーい!」

僕の精一杯の声出しが、野太い男子達の声に掻き消されるようにノッカーであるコーチにとどいたみたいでようやくボールが打たれた。といっても今回もある意味お情けで打ってもらえただろう。チームメイトからは、

「翼声聞こえねーぞ!!」

「翼元気だそうぜ!!」

と激励してもらうが今出せる最大限なのだから勘弁してほしい。

「きゃーーーー!!颯くん今日もかっこいい!!」

「さすが高校生No.1ピッチャーいい球放るな!!」

グランドに併設してあるブルペンには、今日も女子高生の黄色い声援とスカウトなのだろうプロの関係者がそこには大勢いた。

その注目の的は風間颯くん、高校二年生にして今年の甲子園をほぼ完封で制し、高校生No.1ピッチャーの 称号に偽り無しで今年の高校生日本代表にも選ばれている投手だ。ルックスもアイドル顔負けのイケメンでテレビの取材に来た、アナウンサーも頬を赤くさせるほどだから凄さがわかるだろう。

一方僕は、引っ込み思案だしいつも教室の後端にいておとなしく数少ない友人とお話しするぐらいだが、 彼は男女問わずいつも周りに人がいて笑い声が、  絶えない本当に正反対だと思うぐらい違う。    そんな彼をやっぱりみんな放ってはおかないだろう。

とそんなことを考えながらふと校舎の方に目を向けてみると図書室にいる女子と目が合った。

あーやっぱりああいうおとなしい女の子でもこれだけ騒がれると気になるよね。

とその時は自分の勘違いだと思い特に気にしなかったがこれがまさか僕にとって重大な出会いだとはその時の僕は思わなかった。



秋になり、また大嫌いな走り込みの季節が近づいて きたのを感じつつボールがまだ使えるのを1人心の中で感謝していると、颯くんが日本代表から戻っていないにも関わらず最近ずっと感じる視線をまた感じたのでその方向を見るとやっぱりいつもと同じ女子がこっちを見ていた。

あれ?とは思いつつも今回何を思ったのか自分でも分からないが、周りに気づかれずに手をそっと振るとそれに気づいた女子も、気づかれた恥ずかしさからか顔をリンゴのように真っ赤にしながらも小さく手を振ってくれた。

内心マジかよ!と思いながらその日は有頂天になり、日頃しないミスを連発してしまいコーチにキツく怒鳴られたが、それ以上にテンションが上がっていた。

しかしこの時にはさらに予想だにしなかったことがこの時起きていた。


翌朝

【風間颯日本代表チームメイトに大激怒】

このニュースが世間を賑わせていた、内容は決勝戦でそれまで全試合これまた完封していたがサードのライン上に結構強いがとれないほどではない打球が行きそれを諦めて追わなかったことに対してらしい、しかもその時に言ったセリフが

「今の打球あいつだったら絶対とってくれてた!」

とか言ってたらしくあいつとは誰だ!と騒ぎになっているみたいだ、まぁ僕には関係ないけど…うん関係ないといいなぁとそう思いながら登校していると

野球部の人達にみんな話を聞いているのが見えたが、いつも影が薄いからか僕には見向きもしない。

なんか悲しいけど、めんどくさくなくてよかったと

複雑な気持ちのまま窓を見ながら物思いに耽ようとしている時に

「今少しいいかな」

「うん、いいよ」

と振り返ると最近図書室からグランドを見ている女子だった。

「いつも練習を見ていたからわかりますけど、今朝のニュースの件多分だけどあなたのことだと思いますよ」

彼女は顔を赤くしながら小さいがはっきりとそう言ってくれた。

「そうかな?そうだと嬉しいね」

といつにも増して余裕がなくドギマギしながらそう答えるのが精一杯だった。

その答えを聞いた彼女はそのまま自分の机に戻って行った。そこで気づいた、この子の名前覚えてなかったことに。同じクラスで名前を覚えてない挙句本人に確認するのは大変失礼だと思い、後で友人に聞くと名前は相田憐というそうだ。いつもグランドでは見えていなかったがかなりのロングヘヤーでクロブチのメガネをしている文学女子って感じの子で、図書副委員長をしているらしい。

だからいつも図書室にいたのか…今度は僕の方から話しかけてみよう。何か話題がないかなとさっきまでと同じく窓の外を見ながら考えていた。



冬になり本格的に走り込みがキツくなる季節になった。

あれから彼女とは毎日挨拶はするが上手く話すきっかけが見つからずにいた。

こういう時引っ込み思案自分が情けなくなってくる。だが練習中に周りに気づかれずに手を振り合うことはしていた。

そういえば秋に出てたニュースは、颯くんは知らぬ存ぜぬを通してうやむやに一度なったはずだが、日本代表監督が意味深な発言をしてまたぶり返ししてしまった。そして今日その颯君とたまたま登校のタイミングが合ってしまいなんか気まずいと感じていると、彼から話しかけてくれた。

「世界大会の件メディアには言ってないけど実際は、報道の通りに言ったわ!!あれはお前なら是が非でも取ってくれたじゃん!!俺はお前の守備は、すげーと思ってる!!バッティングは、残念だけど!!」

とそう言って、照れたのか走って行ってしまった。

言われた僕は誰に何を言われたのか分からずに、

寒い中2、3分その場で固まっていた、脳が理解するとものすごくうれしくなり彼の後を追うように足早で 学校に向かった。

学校に着くなり相田さんの周りに人がいないのを確認してから相田さんのところに向かい

「おはよう!前にあった高校の世界大会のニュース覚えてる?」

「おはようございます。はい覚えてますよ。それがどうかしました?」

「それなんだけどね。今日本当にたまたま颯君と家を出るタイミングが合ってその時に真相を聞けたんだ」

「なるほど。私に嬉しそうに言いに来てくれたってことは予想が当たっていたという事ですね。いつも練習を見ていたからかなんか自分の事の様に嬉しいですね」

「そうなんだよね。なんか嬉しい様な照れくさい様なだけど相田さんに喜んでもらえるとなんだから頑ってきて良かったと思えるよ」

と初めてまともに喋ったのにスラスラと話せるからこれまた不思議だ。

その他には今の時期の練習は一番きついだとか本当にたわいもない話がぽんぽんと出てきて今まで喋らなかったのが嘘みたいに話をしてから自分の席に戻ると、相田さんの席に友達であろう女子がニヤニヤしながら相田さんと話をしているのが見えたが、

そこに行く勇気は今はまだなかったので相田さんに ごめんと思いながらいつも通り窓の外を見ていると春の匂いがし始めたのを今年はいつもより早くそして強く感じた。


いつもご覧いただきありがとうございます‼️

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