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【番外編】 新婚の私と、クリス様との初夜事情②

 始めは私はクリス様と一緒に眠ることに緊張していたが、2週間たつ頃にはすっかり慣れ、ぐっすり眠れるようになった。


 ところが逆にクリス様はどんどん体調が悪くなっていくようで、目の下の隈がひどい。私とでは眠れないのかと、別々に寝ることを提案しようとしていた矢先、クリス様から夜会への出席を打診された。


「王太子殿下の生誕パーティーですから、筆頭公爵としては欠席できません。夫婦での参加が必須ですから、オリヴィアも参加をお願いします」


 碌に淑女教育を受けていなかった私は、公爵夫人として現在勉強中だ。

 ピアノの練習、コンサートの合間を縫っての事だから、中々進まず……まだ気軽に夜会やお茶会に参加できるほどではない。

 だから社交界でピアニストとして認知され、不参加でも忙しいのだろうと容認して下さっているのを良い事に、結婚後すぐに大量の招待状が届いていたのにも関わらず全てお断りしていた。だが今回の夜会は王族からの招待、貴族として参加しない訳にはいかないのだろう。


 ボロが出ないようにしなければと、身を引き締める。




 公爵夫人として初めての夜会に、クリス様は淡いブルーのドレスを用意して下さった。

 普通の薄い色のドレスでは、私の銀髪に白い肌でボケてしまうのだが、そのドレスは裾にいくほど濃くなっていくグラデーションで、さらにたくさん縫い付けられたガラスビーズがキラキラと輝く存在感あるもの。

 私にも似合っていると思えた。


 クリス様はいつものブラックのスーツに、クラバットは淡いブルー、髪はオールバックで流し、その知的な額があらわになっている。その美貌の目元にはまだ隈があり、気だるげな雰囲気が敗退的で……そう、昔メイドに『隈が色っぽいと言われた』と言ってた事を思い出させる。

 確かに……色っぽい。




「クリス・キャンベル公爵閣下、ならびにオリヴィア・キャンベル公爵夫人」


 アナウンスされ、クリス様のエスコートで王宮の大広間に入場する。


 一斉に皆の視線が私たちに集中する。

 コンサートで見られることには慣れているが、値踏みするような視線には怯んでしまう。


「大丈夫です。私が側にいますからね」

 組んでいる私の腕を、ポンポンと叩きながらクリス様が言った。



 王族の方々も入場し、パーティーが砕けた雰囲気になると、私はたくさんの人に囲まれた。


「キャンベル夫人にお会いできるなんて光栄です! 先月のコンサートにもお邪魔しましたのよ~」


「わたくしも! 素晴らしかったですわ」


「チケットが中々手に入らないんですの。どうか融通して頂けません?」


「『ウサギのコンサート』のツアーを来年から始めるって聞きましたの。子どもが行きたがってまして、チケット販売はいつからですの?」


 矢継ぎ早の質問に口下手な私は戸惑うばかりで、返答は全て側にいるクリス様が答えて下さる。


「ありがとうございます」


「モール伯爵夫人ですね。チケットは旦那様にお送りしましょう」


「コンサートの詳細は未定でして、正式に決まれば新聞で告知しますので、それまでどうかお待ち下さい」


 途中、仕事関係の方に声をかけられても「今日は妻の側を離れられませんので、またの機会に」と断って留まって下さる。


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