第9話:前夜の湯船と想い
新生スターライト☆ドリームの新曲、ハードなロックナンバーを初お披露目するライブが翌日に迫っていた。連日の練習でメンバーは絆を深め、凛がプレッシャーで涙を見せた日を乗り越え、聖奈の励ましで全員が本番に向けて気持ちを高めていた。その前日の夜、聖奈は疲れた体を癒すため、自宅の湯船にお湯を張り、ラベンダーの入浴剤を入れて浸かった。湯気の中で目を閉じ、頭の中で悠斗に語りかけた。
「悠斗くん…明日、いよいよ新曲のライブだよ。凛ちゃん、センター大丈夫だよね? 私、励ましたけど、ちょっと心配で…。」
悠斗がいつものようにテンションを上げて返した。「聖奈ちゃん、わーいお風呂だ! うわっ、聖奈ちゃんの裸、すべすべの肌、お湯の温かさ、めっちゃ感じるよ! 俺、最高すぎる! 明日ライブなのに、こんな幸せ味わえるなんて、やばいよー!」と興奮してはしゃいだ。聖奈は湯の中で小さく笑い、「悠斗くん、毎回それだね」と呟いた。しかし、彼女の声にはどこか不安が混じっていた。
悠斗がはしゃぐ声を少し抑え、真剣なトーンで続けた。「でもさ、聖奈ちゃん…凛ちゃんのこと心配してるけど、聖奈ちゃんも震えてるの、俺わかるよ。体の中で感じるんだ、聖奈ちゃんの緊張。」
聖奈は目を丸くし、湯船の中で体を少し動かした。「え…悠斗くん、私、震えてる?」と呟き、手を見ると確かに微かに震えていた。彼女は笑いながら、半ば自分に言い聞かせるように言った。「自分がセンターの時より緊張してるのかも…。私、センターじゃないのに、なんでこんなにドキドキしてるんだろうね。」
悠斗が優しく返した。「聖奈ちゃん、わかるよ。センターじゃないけど、凛ちゃんのこと心配してるし、スターライトのこと大好きだからだよ。自分がセンターの時って、自分のことで精一杯だったけど、今はみんなのこと考えてるんだね。聖奈ちゃんのリーダーっぽさ、俺、すごいと思うよ。」
聖奈は湯気を見つめながら、「うん…そうかも。凛ちゃんがセンターで、私、負けないように頑張るって思ってるけど、凛ちゃんが潰れちゃったら嫌だなって。初めてセンターの時、私も怖かったから…凛ちゃんの気持ち、分かるんだ。」と呟いた。
悠斗が少し明るく返した。「聖奈ちゃん、凛ちゃん大丈夫だよ。聖奈ちゃんが励ましたんだから、絶対立ち直ってる。明日、凛ちゃんのクールなロックと聖奈ちゃんの熱いラップが合わさったら、最強のライブになるよ! 俺、ファンとして確信してる!」
聖奈は笑い、「悠斗くん、ありがとう。凛ちゃん大丈夫だよねって、私が一番信じなきゃだね。私も震えてる場合じゃないよ、ハードロックで輝くから!」と呟いた。
湯船の中で、聖奈は深呼吸し、手の震えが少し落ち着くのを感じた。「悠斗くん…明日、凛ちゃんと一緒に最高のステージにするよ。私、センターじゃないけど、スターライトの魂として負けない」と決意を込めて呟いた。悠斗が力強く返した。
「聖奈ちゃん、最高だよ! 凛ちゃんも聖奈ちゃんも輝くライブ、俺、ファンとして楽しみすぎる! 聖奈ちゃんの魂、絶対届くよ!」
すると、突然、聖奈の体が勝手に動き、両手が胸を掴む。「うわっ、聖奈ちゃんのおっぱい、柔らかい! ライブ前日にこんなご褒美、俺、幸せすぎる!」と悠斗が興奮してはしゃぎ声を上げた。聖奈は一瞬呆然とし、湯船の中で体を硬直させた後、顔を真っ赤にして怒鳴った。
「悠斗くん! 何!? やめてよ、真剣な話してたのに! 私の体勝手に動かすのやめてって何回言えば分かるの!?」
悠斗が慌てて謝りつつ、「ご、ごめんて、聖奈ちゃん! ついテンション上がっちゃって…! ライブ前のリラックスってことで許して!」と弁解した。聖奈は湯の中で水をかき混ぜ、「リラックスって何!? もう、信じられない!」と怒りつつも、どこか笑いがこみ上げてきた。
聖奈は頭の中で呟いた。「悠斗くん…ほんとバカだね。でも、緊張ほぐれたかも。明日、頑張るよ。」
悠斗が小さく返した。「聖奈ちゃん、ごめんね。でも、笑ってくれて良かった。明日、最高のライブにしようね!」
新曲初お披露目のライブ前日の夜、聖奈は湯船に浸かりながら悠斗と語り合った。凛への心配と自身の緊張を吐露し、悠斗の真剣な励ましと突然の悠斗の暴走で怒りつつも笑い、聖奈は決意を新たにした。ライブへの不安と期待が交錯する中、聖奈と凛、メンバー全員の絆が試される前夜だった。