第28話:ラストウィークと伝説の強敵参戦
スターライト☆ドリームは『アイドル頂上決戦』の3週目でスポーツ大会を終え、リレー勝利もあり2位に浮上していた。凛の胸を揺らしながらの力走と、悠斗のサポートで聖奈が1位フィニッシュした勢いを維持し、ラストウィークを迎えた。全国各地のショッピングモールでの無料ライブを控え、メンバーはバスで最初の会場へと向かっていた。
バスの中で、聖奈、凛、彩花、怜奈、美咲は緊張と期待が入り混じった表情。プロデューサーの山下が前方に立ち、「お前ら、よく聞いてくれ」と話を切り出した。「現在、スターライト☆ドリームは2位をキープしてる。優勝が見えてきたと言ってもいい状況だ」と言うと、メンバーが一斉に「うおー!」「頂点取るよ!」と威勢良く叫んだ。美咲が「キャー、2位だよ! 私たち、すごいよね!」と跳ね、怜奈が「あと1つだね!」と笑顔を見せた。
しかし、山下は淡々と話を続け、「だが、たった今ある情報が入った。お前らも知ってるだろうが、世界でも活躍してるあの伝説のアイドルグループ、『スシ・テンプーラ』が参戦を表明した。ラストウィークでどこまで追い上げてくるか未知数だが、強敵に間違いない」と告げた。バス内が一瞬静まり、メンバーの表情が凍りついた。聖奈は頭の中で、「悠斗くん…スシ・テンプーラ!? やばいよ…」と呟いた。
その時、「うわぁーっ!」彩花がスマホを見て声を上げた。「スシテンがもう4位だよ! 」 一斉に驚きうろたえるメンバーたち。怜奈が「え、4位!? 参戦したばっかりなのに!?」と目を丸くし、美咲が「キャー、スシテン強すぎ! どうしよう!」と慌て、凛が「聖奈さん…これ、どうなるの?」とクールに呟いた。聖奈の表情が曇り、茫然と窓の外を見つめた。頭の中で、「悠斗くん、スシ・テンプーラが4位って…私たち、負けるかも」と呟くと、悠斗が「聖奈ちゃん、大丈夫だよ! 俺達、2位なんだから、まだ上だよ! 俺、信じてるから!」と励ました。
聖奈は小さく息をつき、頭の中で語りだした。「悠斗くん、私ね…アイドルになろうと思ったきっかけがスシテンなの。あのグループ、私の憧れであり目標だった。世界で輝いてて、歌もダンスも完璧で…私、スシテンに憧れてここまで来たんだよ。絶対、勝てるわけないよ…」と呟き、声が震えた。悠斗が「聖奈ちゃん、スシテンがきっかけでも、今の聖奈ちゃんはスターライト☆ドリームのセンターだよ! 憧れを超えるチャンスだよ!」と熱く返したが、聖奈は「超えるなんて…無理だよ。スシテンは伝説だもん」と俯いた。
バスの中ではメンバーがざわつき、彩花が「スシテンの新曲、見た? やばいよ…」と呟き、怜奈が「4位ってことは、私たちすぐ抜かれるかも…」と不安げ。美咲が「でも、私たちだって負けないよね!?」と気を取り直そうとしたが、声に力がなかった。凛が「聖奈さん、私たちはどうなるの?」と静かに尋ねると、聖奈は茫然としたまま「…分からないよ」と呟いた。山下が「落ち着け、スシテンは強敵だが、お前らもここまで来たんだ。無料ライブでファンを掴めば、まだ頂点狙える」と励ましたが、バス内の空気は重いままだった。
聖奈は頭の中で、「悠斗くん、私、スシテンと戦うなんて夢みたいだけど…怖いよ。憧れに負けたくないけど、勝てる気がしない」と呟いた。悠斗が「聖奈ちゃん、俺、聖奈ちゃんたちの輝き知ってるよ。スシテンだって、スターライト☆ドリームには敵わないって、俺は信じてるから!」と力強く応じ、聖奈は「……ありがと、悠斗くん。頑張るしかないよね」と小さく頷いた。
ラストウィーク、ショッピングモールへ向かうバス内で、プロデューサーがスシ・テンプーラの参戦を告げ、メンバーが驚愕。彩花の「4位」の一言で動揺が広がり、聖奈は憧れのスシテンとの対決に茫然とした。悠斗の励ましを受けつつ、頂点への道に最大の試練が立ちはだかった。