ザ☆前編
1円~50円切手が集まって話をしていました。
ウサギ「郵便料金が上がって結構経ちますけど、どんどんぼくらお役御免になっていきますね」
リス「そうですね。多分わたしの存在感が一番薄いと思ってますけど、もっと薄くなりそう……」
サル「うーん、おれは、どうなんかなァ……5円単位だから少し需要ある? これ見てみ?」
ウサギ「これは酷いですね。多分ぼくは沢山必要になっちゃうから、ずっと箪笥の中に仕舞われるのかなぁ……あと、16円、22円、26円、40円、85円、110円切手が追加で発行されるみたいですね。10円の鳥さんはどう思いますか?」
トキ「鳥じゃなくてトキだろ、ニッポニア・ニッポン、鳥の中の鳥、国鳥の中の国鳥、それが俺よ。トキ舐めてるだろ。まぁ10の桁だから他と組み合わせればお前らよりは扱いマシだろ」
サル「国鳥じゃァねェだろ、そもそも……しかも絶滅一回してるしよォ……」
ウサギ「20円のシカさん、30円のキツネさん、50円のブタさん?はどうです?」
シカ「まぁ……多分22円と26円の代用とかで少しは使われると思いますね」
キツネ「10円の鳥との組み合わせが増えるだろうさ」
トキ「だから特別天然記念物オブ特別天然記念物に対して口の利き方気をつけろよ」
カモシカ「ブタって僕のこと呼びました? あの、一応カモシカなんですよ。たまにイノシシと間違えて通報されるみたいですけどね、最近」
サル「で、カモシカってなんの種類よォ? 鹿? カモ? 豚? それとも馬系かァ?」
カモシカ「僕自身はどうでも良いと思ってるんですけどね、多分ね、どれでもないんですよ……どっちかってと身近な動物だと牛、あとヤギに一番近いみたいですね」
キツネ「牛……ビーフ……じゅるり」
カモシカ「まあ、おいしくないんですよ、多分ね……だいたい細いから肉とかあまりないし」
前島「話、良い? さっきからさ、ヒソカ無視されてるみたいだけど……」
ウサギ「うわぁ、1円切手のおじさんが喋った!」
キツネ「マジかよ……誰だよこのオッサン! 1円なんてウサギより扱い悲惨でもう先見えてるだろ……出番とかねえから」
前島「今さ、ヒソカのこと舐めた……舐めてない? 前島密って言ったらさ、郵便局の「祖」よ。まさに逓信(郵便のかつての呼び方)界のトップだからね。麻布郵便局に銅像立ってるから……それで敢えて1円に甘んじてる訳。あとさぁ、あまり知られてないけど、日本の首都が東京になったのもヒソカのおかげ……キツネさんさぁ……頭、高くない?」
サル「うるせーなお前よォ、いつの時代の人間よぉ……獣よりも小さい数字付けてて恥ずかしくねェのかよ……マジ」
前島「あとさ、ヒソカって名前のキャラもだいたいヒソカの影響だからね。ジャンプ漫画のキャラだけで2人主人公格のがいるし、だいたいヒソカの凄さに対する憧れから来てるから」
ぽすくま「あと、1円切手にはシールタイプのボクもいますよ。便利だからどんどん使ってください。時代はアップデートしてますからね」
前島「うるせーなこのクマ、マジ引っ込んでろよボケ! お前の出番はヒソカがいる限りねーから」
ウサギ「この人、くまさんにだけやたら態度高圧的ですね」
前島「そりゃさ、ヒソカ的には先にいたのこっちだし、ヒソカってあの渋沢栄一よりも先に生まれて活躍してる……だからオンリーワンな訳。何か文句とかある? なくない?」
ぽすくま「もうあの人を呼ぶしかないですね……」
カモシカ「え……この状況でお札とか出しちゃうの?」
サル「おいおいマジかよォ……!」
渋沢「はーい、渋沢栄一ですよー。ワタシが10000円札です。これからは諭吉1枚とかじゃなくて渋沢1枚とか言われる訳ですよねー」
キツネ「こりゃもう文句なしで勝負あったな……」
前島「ふぅん……それはどうかな……?!」
TSU・ZU・KU