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ベインにもらった


 ジャスティンは、マイクにコーヒーでも飲めと命じられ、ふてくされた子どものように離れた椅子に座った。


 だが、どうしても黙っていることはできなかった。

「 ―― だいたい、いつまで待たせるんだよ?何の成果もなかった城の捜索のはなしとおれたちの情報交換はとっくに終わったぜ。あとはバートたち待ちか?あいつらどこ行ってんだよ? もう行こうぜ」

 マイクをせかしたとき、部屋のドアがひらき、「おまたせ」とひどく疲れた様子の男が入ってきた。


 顔色が悪く、頭を包帯でまいたその男が誰かは、すぐにはわからなかった。


 変色した左の頬にヤスリがけをしたような傷跡のあるその顔をよくみれば、眼鏡をかけていないマーク・リーだった。


「ごめん、印刷に少し時間かかって」


 ジャスティンとマイクに謝ると、手にしたぶあつい紙の束をテーブルへ並べ始める。

 広げられたそれらには、防犯カメラでとらえた画像を印刷してある。



 ジャスティンは小声で、あれが『打撲で全治三日』なのかとケンに聞くが、つまらなさそうに見返されただけだった。




「 ジェニファーが最後に弁護士と会って姿を消した地区のものを、集められるだけ集めた」

 

 ほとんどが薄暗い写真で色味もすくないが、その中に目をひく白い服の女がいる。


「―― これが、西14区画にあるカメラが撮った、レストランから出てきた弁護士と彼女」


 暗い建物前の、明るい階段を下りる男女が写っている。


「別れたあと、彼女は友達が迎えにくるからと、5丁目の通りにむかう」


 公園前の薄暗い通りをゆく白い服装の女が写った紙をだす。




 思わずジャスティンが、どこから撮ったんだ?と疑問を口にする。

 さきほどの、レストランの防犯カメラからとわかるものと違い、かなりの距離がある。


「公園周辺の防犯カメラ」


「・・・それって、警察の治安部が受け持ってるやつとかじゃ・・ないよな?」


「ああ。ベインにもらった」



 スティーブ・ベインか?と感心したようにマイクが写真を手にとり、「どこまで追えた?」とマークを見る。




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