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くっついてた


「なら、ノース卿があの城でおかしな集会をしてるって証拠をだせ!あの呪いを実行したっていう集団だって、ノース卿とは全く関係なくなるんじゃないのか? ―― なんでもかんでもノース卿につなげた結果がこれだ!」


「違うって!サラの指紋のついた譜面は立派な証拠だろ?それに、このタイミングでジェニファーがいなくなったって、どう考えたっておっかしいだろ?」


「おかしいのはわかってるんだ。あの子に聞けば、バーノルド事件の重要なことがわかったかもしれないんだからな。 ちくしょう、こんなことならあの許可書もらったときに、長官に彼女の保護をたのむんだった」

 ジャスティンはまた、近くの椅子を蹴る。



「そう。 ―― 彼女の保護をすぐにしなかったのはそっちの判断ミスさ。でも今朝から同じく行方不明になってるノース卿には、《不審者が忍び込んだら危ないから》ってクラークがドアの外に監視をつけていた。 その監視が意識不明にされての行方不明だよ。あきらかにおかしいだろう?なんだかんだいって、やっぱりきみもノース卿がバーノルドに関わってるって信じてる。だから、そんなにいらだってるんだろ?」


 ルイと視線をあわせたジャスティンは言葉に詰まり、乱暴に手近な椅子をとって座った。




「 ・・・うちの若者を、あんまりいじめないでくれよ」と警備官といっしょに座っているマイクが、力なく抗議する。

「―― おれたちは確証がなければ手を出せない。ノース卿はクラークと会う前までは行く先を告げれば自由に外出できる程度の監視対象にしか指定できてなかったし、ジェニファーは、弁護士に抗議されれば、遠くから見張ることさえ違法になったから、妥協した結果が面会する弁護士からの《報告》を受けるかたちだったんだ。 『保護』という名前の『監視』なんてとても無理だったし、今日予定されてた彼女との面会が、あの長官ががんばった末の結果だ。・・・おれたちとしては逆に、自由の利くのが売りの警備官がくっついてて当然と思ってたけどな。 ・・・あ、」 

 

 自分でも嫌味な言葉だと気づいたのか、あわててつけたす。


「いや、これはそっちの機動力を当て込んだおれの勝手な希望であって、」


     

      「くっついてたぜ」



「え?」

 驚いた警察官二人の視線をあつめてずっと静かだったケンが言い切る。




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