表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
A班ファイル ― 魔女は森では踊らない ― 後編  作者: ぽすしち
〈場面転換〉よみちがえた 道化

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/236

引き継いだ弁護士


 殺人事件の現場となってしまった家に集まったたくさんの人間をよけながら奥へと進む。


 ジャスティンが訪れたことのある広い居間のソファに、身を寄せ合う夫婦と、そばに立って苛立たしげな声をあげる男が、数人の警察官に取り囲まれていた。


「わたしに携帯電話を出せとはどういうことかね?」


「 ―― あなたも現在容疑者の一人だからですよ」


 落ちついてよく通るマイクの声に振り返った男は、意外に若かった。



 取り囲んでいた警察官たちが後は任せたというように散っていく。

 自己紹介するマイクとジャスティンを疑り深そうに見つめてくる弁護士は、不安げにみあげるジェニファーの両親に片手をあげてみせてから、ゆっくりと威厳をとりもどすように声を調整する。



「 わたしは弁護士のオットマンです。 ハワードご夫妻の顧問弁護事務所から」


「なぜ、すぐに連絡しなかった?」


「・・それは、・・もちろん、すぐに心当たりの場所をあたって」



 言い訳しようとする弁護士のむなぐらをつかんだマイクが部屋の片隅へとひっぱり移動した。



「 ―― いつから彼女の担当だ?」


「―― 四日前に、精神的に参った前任者から引き継いだばかりだ。 彼女は弁護士に対してだけ、常に脅すような言葉を口にした。 明かしてもないこちらの家族構成から趣味にいたるまで、ジェニファーはどこかで情報をしいれてくる。 だが、精神科医の前では、『気が弱く主体性のない精神的に幼いままのジェニファー』を完璧に演じてる」


 先ほどまでの気取ったしゃべり方をやめ、多少の怒りも混じったその言葉にマイクはむなぐらを離した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ