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№39 ― 魔女の顔
№39
魔女は赤い口で笑い、豊満な体をおしつけてきた。
ねえ、あたしの顔をみて
ジャスティンは魔女の甘い声に誘われて、その黒く長い髪をかきわけて顔をのぞきこむ。
予想とは違うかわいらしい顔があった。
予想?どんなのを予想して・・・
柔らかな頬がおしつけられ、唇と唇がかさなり、深くさぐるまえに離された柔らかな口が甘い息とともに囁く。
ねえ、あたしの顔をみて
魔女の甘い声。
その《金色》の柔らかい髪をさぐって顔をのぞきこむ。
―― ねえ、 あたしの 眼
あなたを ずっと 見てるわよ
顔中にいくつもの『眼』をつけた女の言葉に恐怖の叫びをあげた。
「―― っああああああああああああああ!っが!」
やっと呼吸ができたように喉がひらき、酸素をいそいで補給する。