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なおす


 そこでようやくこの男に自分の信仰を理解してもらうのは無理だったと気づくが、すでに男との子どもを宿していた彼女は、姿を消すことにした。


「 ちなみに、マデリンがどこかの病院で出産したという記録はみつからなかった。 ―― つぎにマデリンの『確認』がとれたのは、その資料にもある、今の家の区域にある旧派の聖堂教会からだ。そこで、母子ともに保護を申請し、生後数か月のケイトに《祝福》をうけさせている」



 ここでウィルがおおきなため息をついた。


「・・・おれはてっきり、マデリンが話してた『世話になってる教会』は、近くの『星の恵み』の教会かと思ってたよ。 壁画がひどく傷んでるなんて、普通の教会じゃあまり聞かないし」


「まあ、その区域はこの州じゃいちばん農家が多いところだから土地の広さに対して信徒の数が極端に少ないんだ。 教会の扉とか椅子とか屋根なんかの傷みは、信徒がすぐに直してくれるらしいが、『絵』は、そうはいかないからな」



 マデリンはその教会にケイトをつれて熱心に通っていた。聖父の話しも聞き、聖歌もうたい、祈りも捧げた。


「 聖父の話しじゃ、マデリンの信仰はあくまでも聖堂教の教えが下敷きになっていて、それをさらに自分で厳しく追及したものだってことだ。  まじめすぎるので、娘のケイトはきびしく育てられて、苦しかったんじゃないかって言ってたよ。小さいころはよく一人で教会に遊びにきていたのに、母親との仲が悪くなるのにともなって、そのうちまったくよりつかなくなったらしい。 壁画をなおすのは、マデリンとケイトの仲をなおすのにつながると思ったから、聖父もぜひにと頼んだんだ」



 ウィルがやりきれないような息をつき、ノアがコーヒーにミルクをいれながら、ケイトが『星の恵み』に入ったいきさつは?と聞く。




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