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さあ驚け


「いいや。ただのラジオだ。 カンドーラは自分の声と言葉に聖堂教の教えの中にある『恵みの光』があると主張している。―― なので、ラジオを買った信徒を自分の声で暖めてやっていると本気で考える変わった男だ。 そんな自分の『力』に気づいたのは四十年程前で当時は仲間内だけに『力』を与えていたと言ってる。で、その《当時の仲間》でたちあげたのが、『星の恵み』で、信徒が増えるにしたがってカンドーラの起こせる奇跡は増え、金が集まり、ギャングに目をつけられるのに時間はかからなかった」

 賭博場をつくるように勧められ、あっという間に支配されていった。



「ローランドと同じだな」

 ノアが短く言う。

「ギャングたちはどんなやつに食いつけばいいのか心得てるのさ」と他の警察官が机を叩く。


 

 ベインが手にした資料の中から数枚抜き出した紙をバートに渡す。

「これは、『星の恵み』の信徒の名簿だ」


「 ―― あんた、《治安維持部署》の人間か?」


「そうだ。今は長官の命令で、ギャング撲滅運動の手伝いにきてる。―― そういえば、こっちにくるまえに、おれのパスコードをつかって誰かがノース卿の城にある教会の名簿をぬきだしやがったが、ノアに買収されたから、それは黙っててやる」


 意味ありげな笑みをむけられたバートはノアに顔をむけ、自分も『買収金』を出費したほうがいいかとまじめに確認し、皆を大笑いさせた。



「噂通りおもしろい男だな。さあ、よく目をとおして驚け」


 その紙には、裏表に数十名の名前と住所、電話番号はもちろん、クレジットカードの番号とカードの《使用ナンバー》までのっていた。



「『神様』ってのは、人のカードで買い物するわけ?」

 バートの隣から名簿を覗きこむウィルは、すかさずそれをカメラで撮った。

 次の紙を裏返したところで、二人の口から同時に声がもれた。


「なんだ?」

「ほお」

 警備官たちの視線の先には見知った名前があった。



   ケイト・モンデル



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