断ったマイク
「そ、それって、あ、あれだ!ケンの呪いといっしょで、」
「例の教会のボランティアってやつか?」
ジャスティンの言葉の途中でマイクが立ち上がる。
「 ―― よし。あの教会に出入りしてるやつらの写真をさっきの店長にみてもらって」
「むだよ」
最後まで言う前に、またしてもワクナの声が二人の男をとめる。
「むだですわ。―― だって、その『眼』が、人間のものかなんてわからないでしょう?」
警察官二人はゆったりと微笑む女の顔をながめた。
女は同情するように口にする。
「 ・・・たぶん、あなたたちのその二つの目でまともにさがそうとしても、それじゃあきっと見つかりませんわ。 ―― だって、むこうの眼は、『まとも』じゃないから」
「・・・あんた、いったい・・」
ジャスティンがおびえたように女をながめる。
微笑む女は煙草の箱をとりあげ、警察官たちの方へさしだした。
「あなたがたのこの先の《運勢》みてさしあげますわ。 ただし、少しお高いけれど」
立ち上がったままだったマイクが女の席の前に立つ。
「 ―― 断るよ。 魔女だろうと手品師だろうと、趣味の悪い女は 苦手なんだ 」
不機嫌に言い放つと、女の差し出す箱をとりあげて潰し、店を出て行った。