表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/236

暗闇にうかぶ


 ジャンも石積みの塔をみあげ、それじゃあいくかと歩き出すしたとき、警察官の若者が不安そうに、銃器はどういう状態にしておくかと確認する。

 クラークからの指示はと聞くと、必要なときに使えというものだったという。


「それなら、何かあったときは、きみにまかせる」

 

 ジャンの言葉にはりきった返事をした警察官の肩を、ザックがたたいた。


「あのさあ、教会の中は暗いから、目が慣れるまで銃には触らない方がいいぜ」

 すかさずルイが続けた。

「新人からの貴重な進言だ」

 

 はりきった警察官が、なんだお前も新人かよ、とザックの肩を叩きかえすのをみんなで笑い、城の北側、西よりの中庭におさまるようにつくられた塔へむかう。

 


 城はアルファベットのEを倒してむかいあわせたようなかたちで建てられ、中庭は東西に分かれている。西がわの中庭につくられたその『教会』は、城の北側となる建物につけたされたようにあり、蔦にからめとられた石垣も、よく見るとそこから新しい。


 蔦がそこだけ這うことをさけた木のドアがあり、ジャンを先頭にくぐった。


 ひんやりと暗い中、細くせまい石のらせん階段をのぼってゆくと、広い空間にたどりつくが、窓はなく、みんなであてたライトによって、そこがそれほど広くはない半円状の部屋だとわかる。


 カーブした壁には、顔の高さにつくられた窪みに蝋燭がある。


 反対側は、直線の壁だったが、そこにうかんだものを目にしたみんなの気持ちを代表するように、ニコルが唸った。


「すごいな・・」

「すごいけど、このうえなく悪趣味だよ」


 ルイの評価に皆が無言で同意する。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ