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規定外  ※※ ― 王に代わりて(劇中)



「えっと、長官、つまり、ローランドが倒れるところとかは、誰も見てないしカメラにも映ってないってことですか?」


「それに、脳梗塞って、そんな一、二分内に発作から死亡まで片付くもんですか?」



 二人の疑問にギャラガーはうれしげにうなずき、そうなんだよ、とテーブルに両手をついて顔をあげた。



「わたしも、そこが気になってね。―― で、とりあえず、表向きは、ローランドは脳梗塞で死んだと発表しようと思っている。だが、あれだけ『呪い殺される』と騒ぎつづけた男が、ほんとうに呪いがかかったみたいにあっけなく死んでしまった状況を、君たちはすんなり素直に受け取らないだろうと思ったのでね」



 その確認のような言葉に、二人はそろって顔を見あわせて肩をすくめた。



「まあ。・・・たしかに『呪い』なら、調べないと」


 すこし嫌そうにジャスティンがマイクをみる。

 口端をあげたマイクが責任者らしく確認する。


「バーノルドの方は、あとをおれの上役に頼んでみます。たしか、受け持っていた事件が解決したって大喜びしてましたから、どうにかなるでしょう。 ジャスティンの方は、大事な書類が長官から渡されたようですから、それをつかって二人でジェニファーのところにでも行ってみますよ。 報告は、長官にじかに渡せばいいですか?」


 満足げにうなずいたギャラガーは、一日一回必ずだ、と念を押し、ドアへむかいながらつけたした。


「直属の上司はこのわたしだ。つまり、今からきみたちは所属部署を一度はなれて、規定外で動くことになる」


 ではよろしく、と微笑みを残し去ったドアを見つめていたジャスティンが、あわてて立ちあがった。



「ええっ!お、おれの明日の非番は?」



 落ち着いた様子とはうらはらに、めまぐるしい勢いで頭を動かしはじめたマイクは教えてやった。


「なしってことだ。この任務をとかれるまでな」

「えええ!?そんなぁ、ひさしぶりのお誘いだってのに・・・え?ちょっと待ってくれ。任務をとかれるって・・・それ、いつだよ?」


「さあ。長官が納得したらだろ。もしくは、解決したら」

「・・・・なにを?・・・まさか、バーノルド事件を・・とか?」


「そうかもな」

 



 ジャスティンの悲鳴は、エレベーターに乗り込もうとするギャラガーの背中にまで届いた。








  ―― ※※ ――





おお、王よ お待ちくだされ


このわたくしが、王に代わりてさがしましょうぞ


王の化身のわたくしが


月にふさわしき まことの女を





  ―― ※※ ――





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