いつ?どこで?
「 ―― なるほど。ローランドの持ちだした『名簿』か・・・。わたしもジョニーの見解は読ませてもらったよ。警備官のほりあてについての報告ももらっている。それにしても、『儀式』だとか『呪い』だとか、聞きなれない言葉が次々とでてくる」
「聞きなれなくとも、『儀式』ってのは、実際にあるし、『呪い』のような仕返しをくらうことだって、世の中おこるんですよ」
思わず、考えてもいなかったのにジャスティンの口が勝手に動いていた。
しまった、と自分の口を指先で閉じる男を、ギャラガーは上から下までながめ、なるほど、とつぶやいた。
長官、といくらかイラついたような声をマイクがだす。
「なんでこんな急に、やつの搬送が決まったんですか? 《本当》のところは?」
その質問に満足そうな視線を返したギャラガーが、ゆっくりと口にした。
「今から、君たち二人を、わたしの指揮下におく」
「・・・は?」
「おれたち?二人だけですか?」
マイクの疑問に微笑んだ男は、二人じゃ不安かね?と聞く。
「いえ・・・、不安というか。その、おれはバーノルドの捜査がありますし、こいつ・・ジャスティンは、レオンの方の捜査が・・・。いったい、なにをしろって?」
ひきつったような顔のマイクは、同じようにひきつったジャスティンの顔をみた。
ギャラガーは、微笑んだまま、うつむいた。
「じつは・・・きみたちにまだ知らせていないことがあるんだが・・・。いや、正式にいうと、まだほかの誰にも知らせていない極秘事項なんだが・・・。今日、 ローランドが死んでしまってね」
びっくりだろ?と、固まった二人の顔を見比べる。
「・・・しん・・」
「ちくしょう、それで『病院移送』か・・・で?いつです?どこで?」
年長者のマイクのほうが、立ち直りが早かった。
「今日の、夜中だ。報告だと、午前0時ちょうどぐらいらしい。なんでも、留置所で、停電騒ぎがあったらしくてね」
「停電!?」おもわずジャスティンはさけぶ。
それは、どこかで聞いた状態と同じだ。