ギャングの感想
ジャスティンはしぶしぶと、まあそうとも考えられるけど、とくちごもり、でも、とすぐに言い返す。
「 ―― だからって、そのノース卿が、バーノルド事件につながってるなんて考えおれは認められないね。だって、そうなるとその『パーティー』は『儀式』ってことだろ?そんでジョニーが言ったみたいなことが行われていたとしたら、《出席者》だった上流階級のやつらも、知ってたローランドもみんな、『共犯者』だ」
そんなことあるか?と顔をむけられ、マイクも困ったように「なるほど。たしかにな・・」とグラスをかたむけるが、こちらに平然と嘘をついたノース卿を思い出し、あの城主はきっとバーノルド事件につながっていると判断する。
マイクを納得させたと思ったジャスティンは得意げな顔で続けた。
「おれは、ノース卿につなげることはないと思うぜ。 ローランドが真似たっていうパーティーだって、教会に住んでるやつらのほうが怪しいと思う。―― あのケンたちに『呪い』をしかけたんだぜ?怪しすぎる。 隠れた信徒もたくさんいるって話だしな。敷地にはあやしい地下室と見つからなかったんだろ?だったら、別に、あやしい教会をもってるのかもしれないしな」
ジャスティンの言葉に、まだ昼間会った人物を思い出していたマイクはゆっくりと言葉をえらぶ。
「そうだな。まあ、『許可』はもらったから、城の敷地も建物内も捜索はこれからしっかりとできる。―― 場所はどこであれ、ローランドはかなり必死で、自分の見た『もの』を再現しようとしたんじゃないかと思うよ。不気味なパーティーを。―― 会場にいたギャングたちの調書みたか?」
言われて、そんなもの記憶にないジャスティンは首をふる。
「集まる金の額がも、やってくる上流階級たちも顔ぶれもすごかったんで続けていたが、正直あの会場の雰囲気は気持ち悪くてしょうがなかったって言ってる。ローランドを『司祭』なんてよんでるけど、あれはおだててからかってるだけだったってな。 あのサラのうたが始まると異常に盛り上がるんで、さすがのギャングも裸の女がいるのに誰も入ろうとはしなかったらしい」
顔をしかめたジャスティンが、「女がみんな魔女みたいだからだろ」おれでも無理だわ、とつぶやくと、お前でも無理な女がいるんだな、とマイクに笑われる。