表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/236

何もつかんでいない


 マイクの言葉にジャスティンは、あんたがしっかりしてくれないとこまるんだよ、とばかにしたような笑いをうかべる。


「だいたい、ローランドが急に、パーティーは、ノース卿のところでみた『集会』を真似して始めたなんて言い出したんだろ? どう考えても、自分から目をそらさせるつもりなんだ。あの譜面がノース卿の持ち物だとしたって、持っていたのはローランドだ。あいつのほうがバーノルド事件に関係あるって可能性の方が高いだろ」


「あの小心者が、バーノルドの犯人?おれはそうは思えない」


「まあ、・・・たしかに印象としてはな。でも、あの男はノース卿のところにずっといたんだろ?警備官が《掘り当て》したものがぜんぶノース卿の方を指してるとしても、そこには、いっしょにローランドもいたんだ。やつだってあてはまる」


「でも、最初の事件はまだローランドは、田舎にいる時期だ」


「たしかにそうだけど。最初の事件はだけ『置き方』が違うだろ?そんで、木に頭部がつけられるのは、次の事件からだ。だからあれだけ、犯人が違うかもしれない」


「でも、二件目から犯人がちがうのに、なんで最初の事件の頭部を持ってるんだ?」


 マイクの疑問にジャスティンはつまって黙る。



 自分のグラスも空なのに気づき、ちょうどテーブルに来た店員に同じものを注文したマイクは続けた。


「―― それを考えると、やっぱり同一犯のほうが自然だ。それに、警備官の『掘り当て』したものを並べてみると、やっぱり犯人の印象は統一されてる。―― どこかで被害者に目をつけ、知り合って、彼女たちが自分で姿を消すように、仕向ける。なのに、・・・犯人はその痕跡をほとんど残さないし、姿をみせない。―― ゆえに、結局おれたちは、まだ何もつかんじゃいない」


 最後の言葉に、なんだよ、と安心したようにジャスティンは笑う。


「てっきりあんたも警備官みたいに、ノース卿を犯人にしたいのかと思ったよ」


「たしかに。ものすごく好きになれない男だった。それに、おれの勘だが、嘘もついてる。ローランドがパーティーの人員を集めるのにつかったっていう『名簿』が残ってれば、なにかわかったかもしれないな」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ