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ノース卿の執事


 門と同じように開け放たれたままの巨大な扉を抜け、屋根はあるが壁のない石の廊下を進む。

 両側にたつ太い柱には、外壁にまとわりつくのと同じ植物が上までびっしりと巻き付き、いやらしいほどの生命力をみせつけられる。



 柱が終わり、ようやく壁もある建物にたどり着く。

 大きな広場のようなそこで、頭の上から声がかかった。



「警察のかたでございますか?」


 上の回廊の手すりごしに見えたのは、噂にきいていた、ノース卿の気味の悪い執事だった。


 一度姿が消えると、右奥の階段から音もなくまた現れた。

 声はかすれぎみでかなりの年寄のようだが、姿勢はまっすぐで動きもしっかりしている。

 だが、その顔は骸骨のようにやつれ、両目の瞳は白く濁っていた。


「警察のかたでございますか?」


 再度の問いに、この執事は目が見えるのかととまどっていたマイクが身分証をかざす前に、「そうだ」とバートが答えた。




 どうぞ、と招かれた扉の中は真っ暗だったが、入って目が慣れると、ここまでの廊下とほぼ同じ石造りの広い空間だった。

 奥に左右に広がる階段があり、その上にいくつかの扉がある。


 だが、執事はそちらではなく、脇にある暗く細い階段の入り口を案内した。

 



 先も見えない、せまく急ならせんの階段は、ところどころに灯る蝋燭のあかりだけがたよりで、窓もなく、この先にまつのは、隠し部屋か秘密の部屋という感じだ。




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