これだって『仕事』
でも、警察官であるマイクとジャスティンはもっと大変だろうと思う。
なぜなら事件後に、この州では大量の《行方不明者》が出たからだ。
全員が身寄りのない一人暮らしで、ノース卿の城の教会にいた人間がそのほとんどであったため、ノース卿がつくった怪しげな宗教に属していた人々が事件を受けて身をかくした、と世間ではとらえられているが『人間の姿で暮らしてた悪鬼』がひきあげただけなのを、マイクとジャスティンは知っている。
それでも警察官は、『捜査』しなければならないだろう。
ザックが思っていたような解決のしかたではなかったが、ジェニファーは無事で、バーノルド事件ももう起こることはない。
これで『解決』したのだとわかってはいるのだが、どうしてもすっきりしない。
あのときバートがいきなり《精霊》を撃って終わらせたことは、正しいし、良かったとは思ってはいる。
だが・・・、自分が《理解できない状況》を抱えこんだまま終わってしまったことに、なんだか、はがゆいようなくやしいような、感情が残っている。
そんな気持ちをA班のみんながわかってくれていて、 ―― この《気持ち》にむきあっていくのも、仕事のひとつなんだということを、『新人』は覚えた。