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あらためてお祝い




 「 ―― では、あらためまして、ここに、ザック・アシモフくんが、わが班に入られたことを祝しまして、」


「いーから、はやく!」


「ケン、うちの犬たちだって《待て》はできるよ」


 ウィルがケンに《待て》のサインを出し静かにさせると、ジャンは続けた。


「 準備いいか?よし、じゃあ、用意して、では、みんな、―― いくぞお!」


 掛け声とともに撃ち合いがはじまった。




「ケン!援護するからとってこいよ」

「そうはさせるか!今日はウィルの犬も参戦してるの忘れるなよ!」


 走りだしたケンの後ろからルイがジャンを狙い撃ちする。

 崩れた石垣に身をかくしたジャンの指示により、ウィルは犬をはなした。

 追いかけられるケンは速度をたもちながら石造りの建物の表側へと姿を消し、犬はうれしそうにあとを追っていった。


「・・・うちの犬、ケンにまた遊んでもらってると思ってるな」

 つぶやくウィルの横、身をふせたザックの頬を《弾》がかすめてゆき、べちゃ、と芝生に青いシミをつけた。


「なんだよ、ケンに餌付けされてんの?」


「いや、餌付けじゃなくて、まあ、《仲間》意識なのかなあ。好かれてはいるね」


「それじゃ阻止できないだろ?」


「大丈夫。あいつら普段から犬のオモチャの取り合いしてるから、これもおんなじでしょ」


 言い残したウィルはさっさと一人でむこうの木の影へと移動してしまった。


 残されたザックは不平を口にしながら、自分も建物の中へはいろうと、その巨大な建造物を見上げた。




 ノース一族が代々受け継いできた城を。



「ザック!よそ見する余裕があるのか?」

 ぬっと現れたニコルが撃った《弾》をよけ、慌てて身をおこし走り出す。


「なあ、なんでおれの《お祝い》で、《陣取り》ゲームなんだよ?もう、いいよ~」



 新入りのお祝いは、すでにしてもらったのだ。

 

 しかも、二回。



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