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学習しろよ


「―― たしかに解き放ったばかりの精霊は力も弱かったが、解き放ったあとに《儀式》を重ねれば力ももどり、人間を恐怖におとしいれ、魔女たちがあわてふためくのを笑ってみられるはずだった。そのために、わたしが王の化身の《道化》となって、《物語》をはこんでいた。  『わたし』が、《魔女の封印をとき》、《魔女が手こずって閉じ込めた精霊をたやすく利用》してみせ、《人間たちを恐怖に》おとしいれる。 この《物語》は今の『人間』の世界でおこっているもので、魔女はたやすく立ち入れないから邪魔もはいらない。・・・すべてが、 わ た し の 、思い通りに進んでいるはずだったのに・・・。  ―― なぜ、なぜ魔女が、こんなところまで追ってくる?なぜ、あのサウス一族が絡んでくる?なぜハロルドは自分が《王》になどなれると思ったんだ?なぜ・・・《王》の力もそれほど戻らない? ほんとうに、わからないことだらけだ・・・」



「そのへんで、あんたの反省会はうちきりでいいだろ?」

 つまらなさそうに鼻をならしたケンがまっすぐに階段をめざし歩き出す。




 一瞬おどろいた顔をした道化は、階段を、上へとあとじさりはじめる。


「・・・おまえ、―― いったいなんだ?《光》の量も多いが、みたことのない色だな」



「何言ってんのかわかんねえし、はやく、そこどけよ」

 一番下の階段に脚をかける。

 


 数段、後ろ向きのままあがった道化が、ケンをにらむ。


「ジェニファーはすぐそこにいる。まだ生きてるが、お前がこれ以上のぼってくれば、すぐに息がとまる」


「じゃあ、その生きてるジェニファーを見せてみろよ」


「取引か?」


 にっと笑った道化に、学習しねえな、とケンも笑ってみせる。


「見せろ、って命令してんだよ。おれたちは取引しねえって、言ったろ?」

 一段のぼり、つぎに足をかける。




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