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すべてをととのえた


「本当だ。女たちは『王』との《契約》となる取引をした。 ―― ケイトはマデリンとの契約で『約束』された女。 ドナはどんな男でも断らない『愛される』女。 サラは『王』のための『歌をつむぐ女』。 ナタリはこの地に昔からある正しい取引を『学ぶ』女。 そしてエミリーは、自分の欲を我慢して『王』に忠誠を誓う『試される』女。 みな、わたしがローランドに書かせた芝居のように、『月』に引き寄せられるようにやってきて『王』の虜になる」


「そうかな?『女王のダンス』じゃ、王はみんなに振られたと思うけど」

 ウィルがわらう。



 ムキになったような声が響いた。

「あたりまえだ。そんなに簡単に『王』とは結ばれない。『選ばれる』ことじたいが光栄なのだぞ」



 いつのまにかザックのうしろにいたケンが、「あんたが『選んだ』のか?」とつまらなさそうにきく。



「そう。 ―― わたしが『王』に代わり、全てをととのえた。 ・・・『王』は魔女に封印されている間にかなりの力を消耗していた。ほんらいならば自分に《合った》女をみつけるのなど造作もないことだったのに、魔女の呪いのせいで人間で言う《三年》に一度しか目覚めなくなった。だから、『バーノルド事件』は、三年に一度しかおこらない。 王がずっと目覚めていれば、毎年、いや、数か月ごとにおこっていただろう。 ―― それでもきみたちには、止められなかっただろうがな」



 いきなり大きな銃声が響き、男のマントの裾がはためいた。



「 言い訳はあとで聞いてやるからさ。 とにかく、―― おりてこい 」

 ウィルがいつもとは違う声質で命じる。





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