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いけにえの価値


「 ―― 何を信じるのかは結局個人の自由として保障されえているだろう?こんな移民が多い国ならばなおさらだ。どんな神様でも、病気を治すとか、天災を鎮めるとか、そういう不思議な『力』を持っている。その力を自分たちのために発揮してもらうためにも、神様との『契約』は大事だ。それは、その『力』が大きければ大きいほど、おおがかりな契約となって、儀式が形式化していく。 いいかい?『儀式』は神様との交信の手段だ。つまり、そのときだけ、人間との間に『つながり』ができる。 ―― そもそも原始宗教における、神様との交信は、儀式で人間たちが神様とつながろうという思いで祈ったりうたったり称えたりすることで機嫌をとって呼び出そうっていうものだったはずが、その契約の代価としての供物に重きがおかれるようになり、いかにそれに価値があるかを『うたいあげる』巫女がまずあらわれて、のちにそれを」


「ちょっと、ストップ。もうじゅうぶんだよジョニー、『講義』はまた別のときにって、さっき」


「待て、ジャン。よくきいていたかい?いいかい?ここの巫女は神との交信の媒体である『供物』がいかにすばらしいか、その『価値』を『呪文』として、『うたう』んだ。そこに、神様とつながるために用意した『 いけにえ 』の価値を」



「・・・『いけにえ』?」

 ジャンは口を半開きで首をまげる。



「そう。サラが練習していた『うた』の正体だ。ローランドがノース卿から盗んだ譜面にあるのは、大昔の宗教的儀式においての、『生贄』をたたえる『言葉』であり、『神様』との交信をするための『呪文』なんだよ。  恐ろしくもサラのうたは、自分たちの『供物』である『生贄』が、いかに価値があり、どれほどあなたを愛し敬っているかをうたいあげながら、その見返りである『力』を求めているんだ。神様と人間が契約をかわすための文言もんごん。それが『呪文』なんだよ」





すみません。ジョニーの長い話つづきます

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